チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

プレー旅行(7)

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プレー旅行(7)

■博物館見学のあと
プレーはチェンライから南へ240キロ、車で3時間20分のところにある北タイの県だ。国道1号線から103号線に入り、右折して101号線に入る。ここがプレーへの入り口になるのだが、そのT字交差点に仏塔を背負った馬の銅像がある。奇妙な像であるが、これがプレー県の県章となっている。馬が背負っている仏塔がプレーを代表する名刹、ワット・プラタート・チョーヘーの仏塔である。ワット・プラタートの名が付く寺はタイの至る所にある。ワットはお寺、プラタートは「聖なるもの」、つまりお釈迦様の遺骨、仏舎利のことを言う。この寺にはお釈迦様の遺髪と肘の骨が納められているという。有り難い仏舎利が納められているお寺であるから寺格が高い。ご利益も大きいに違いない。

プレーのタイ風チャーハン、カウパットの代金を払う時に食堂のおばさんにワット・プラタート・チョーヘーに行く道を聞いた。この時、初めておばさんではなく、おじさんであることに気づいた。長い髪を束ね、お化粧をしているのだが、声は男、タイでは女装している男性は珍しくないし、社会もそれを認めている感じがする。自分もタイに来た当初は多少違和感があったが、人により趣味や性癖が違うのだから、と今ではほとんど気にならない。

■由緒ある寺
さて、ワット・プラタート・チョーヘーはプレー市内から郊外へ約10キロ、1101号線を遮るように境内が広がっていた。やはり県を代表する寺らしく、広い駐車場があり、駐車場を囲むように土産店、食堂、果実店が並ぶ。ちょっとした門前町だ。でも自分が行った時は駐車場はガラガラだった。駐車場の横から山門へ向かう白い階段があった。丘の上に見える山門の先に本堂や仏塔があるようだ。

タイ観光では時期と時間を考慮する必要がある。できたら涼しい乾季、暑季ならば午前中に行動する。間違っても暑季の太陽が照り付ける午後に長い階段を登るような愚は避けたい。と言っても来たからには登る。5年後はもう体が持たないな、と思いながら白い階段を登った。

この寺は14世紀前半にスコタイの副王によって建立されたという。ある言い伝えによると、この地を訪れたブッダは、仏教をおこすのにふさわしい場所と考え、この地の支配者・クンラワアーイコームに自分の髪をわたして近くの洞窟内に安置し、自分の死後には左前腕部の遺骨を一緒に安置するよう命じた。ブッダの死後アショーカ王は、仏舎利ブッダが生前意図した場所にこそ安置すべきだと考え祈願すると、遺骨は空を飛んでいった。そうして左前腕部の遺骨はこの地にやって来たのだという。
ブッダが訪れたとしたらそれは紀元前5世紀、アショーカ王は紀元前3世紀にインドで在位していた。寺ができる14世紀まで仏舎利はどこにあったのか、と思うが伝説とはそんなものだろう。

山門をくぐると、右手に喫茶店があり、清涼飲料水を売っていた。左手に本堂や仏塔が広がる。本堂への道は石畳となっていて土足厳禁、石畳は太陽で熱く焼けていて、裸足ではとても歩けない。参詣人はぴょこぴょこと不自然な足取りで本堂へ向かう。

■本堂で合掌
本堂には高さ4.5m、膝幅3.8mのチェンセーン様式と言われる釈迦像が安置されていた。900年以上の歴史を持つご本尊とのこと、何となく風格を感じる。正座をして手を合わせた。通常、タイのお寺には王様の写真が飾られている。王様イコール仏様のイメージ作りだが、これはヒンズー教の流れかもしれない。プミポン国王崩御され、ワチラロンコン新国王が即位されているが、一般の寺に安置されている写真はまだプミポン前国王のものが多い。この寺ではどういうわけか国王ではなくシリントン王女の写真が飾られていた。
本堂内で寺特製のミネラルウォーターがもらえるというので、コインをいくつかタンブンして「聖水」を2本頂いた。ブアさんたちへの土産としては最高の品に属する。

北タイには、生まれ年の十二支ごとに仏塔が決められていて、自分の干支(えと)に合致する仏塔にお参りするとご利益がある、という信仰がある。ワット・プラタート・チョーヘーの仏塔は寅年生まれの人にご利益があるという。ランパーンに北タイで最も美しいと言われるワット・プラタート・ランパン・ルアンというお寺があるが、ここには牛の人形や像が沢山奉納されていた。この寺は丑年生まれの人にご利益のあるお寺とされている。

北タイの十二支は亥の代わりに象が入っている。亥年生まれの邦人にご利益のある仏塔はないのだろうか。


写真はプレーの県章、ワット・プラタート・チョーへーの仏塔、高さ33m、下から見た山門、山門、本尊、山門から下を見る、