チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

千客万来 2

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

千客万来 2

■お勧め観光コース
蒙古軍は13世紀後半にクビライを総大将として12万の兵をもって雲南大理国を攻める。華北から連れてきた40万頭の軍馬はほとんど失われ、兵士の8割は疫病に倒れたと言う。冷涼な平原からやってきた軍勢は亜熱帯の山で苦戦したようだ。それでも300年以上続いた大理国は蒙古軍に屈服する。大理国が滅亡した時、大理からタイ方面へ逃れた部族がいたようだ。今の中国雲南省ラオス国境、ボーデンからタイのチェンコンまでバスで半日の距離である。林立していたタイの土豪国、王国は蒙古襲来を恐れたことであろう。
蒙古軍はビルマベトナムにも侵攻したが、幸いにメコン河を渡ってタイに来ることはなかった。金銀が豊富というわけではないし、暑くて大理国遠征以上の兵力損耗が予想されたからではないか。

朝、9時半にチェンライを出ると10時半にはチェンセンに到着する。ワット・チェデルワンを見て、隣接するチェンセン国立博物館を訪れてもいい。但し、博物館は閉まっていることが多い。
ワットを拝観した後は寺から200mほど離れたチェンセンの市場に行く。庶民の生活物資が所狭しと並んでいる。1mを超すオオナマズはこの市場から100mほど離れたメコン川でとれたものに違いない。市場を一回りし、モチキビ、鶏や豚の串焼き、唐揚等を買う。串焼きを売っている店ではカオニャオ(タイのふかしもち米)を常備しているので2 人につき10B分買っておく。

■チェンセンからゴールデントライアングルへ
市場を右に見て1016線を100m進むとメコン河にぶつかる。初めての人はおお、これ名にしおうメコンかと感動してくれる。川沿いに1290線が走っている。この国道を北にメーサイ方面に向かう。川を右に見ながら2,3キロ走ると対岸のラオス領にけばけばしい建物が見えてくる。これは中国資本で建てられたカジノだ。中国人はパチンコのようにちまちまお金を賭けるようなことはしない。ルーレットやバカラで一度に何十万、ときには数千万を賭ける。

メコン上流に作られた中国のダムのせいで、川の流量に変化が生じ、タイ、ベトナム、カンボシア、ラオスの漁民、農民が困っていること、流域国の抗議に対し、中国政府は「川の水が少ないのは自然現象であり、中国に何の責任もない」と突っぱねた、こんな話を車の中でする。夕刊フジではないが、最近は反中、嫌韓の話題がお客さんに受けるようだ。車中、そうだ、そうだ、けしからんの声で盛り上がる。

チェンセンから約9キロ、タイ、ミャンマーラオス、3カ国の国土が一望できるゴールデントライアングルに差し掛かる。川沿いの金ぴかの釈迦像が目印だ。このお釈迦さまは鎌倉の大仏さんより大きいという。13年前、自分が初めてここを訪れた時は、土産物店もなく、もちろん大仏などなかった。来るたびに観光化し、俗化しているように感じる。
金ぴかの釈迦像のところを始め、川沿いにはいくつもゴールデントライアングルと描かれた看板や碑がある。でも本家は大仏の手前50mにあるワット・プラタート・プック・ハオというお寺の展望台だ。40年前に来た人の話ではこの寺からタイとラオスを隔てるメコンとタイとミャンマーの間を流れるルアク川を見下ろしたという。まわりはジャングルだったそうだ。

この寺の展望台は崖の上にあり、下を見ると足がすくむほどであったが、1年ぶりに行ってみると釈迦像を安置する回廊から川を見下ろすように改修中であった。行くたびに整備されていく。

■オピウム博物館
寺の隣がオピウム博物館となっている。入場料は一人50B,入場券の代わりに、芥子畑や山岳民族がモチーフとなった6種類の絵葉書のうち1枚をくれる。それほど広い博物館ではないが,阿片の歴史、阿片製造、あるいは吸引器具、麻薬患者矯正監獄などを見て回れる。何度も来ているし、ガイドさんの説明を聞いたことがあるので、その受け売りをする。コメやトウモロコシを作るより、麻薬は金になる、だから貧しい国が麻薬生産国になる、貧しい人が一獲千金を夢見て運び屋になることなど、麻薬と貧困の関係について話す。

30年前、北タイを旅するファランの目的はアヘンやマリファナであった、厳しい取り締まりにも関わらず、今でも麻薬根絶には至っていない。だからチェンライに遊びに行った、とおおぴらに触れまわると、いらぬ誤解を招く恐れがあります、と注意する。姪っ子にチェンライに遊びに行ったと話したら、口をきいてくれなくなった、という話をネットで読んだことがある。
偏見だ、と言い切れないところが辛い。
(続く)

写真は上から「チェンセンの市場」「ワット・プラタート・プック・ハオというお寺の展望台」「同」「中国資本でラオス側に建てられたカジノ」「オピウム博物館」「博物館展示」「大仏」