チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

「国家のあり方」と映画『海難1890』その2

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「国家のあり方」と映画『海難1890』その2

■門田隆将氏ブログの続き
幸いにイラン・イラク戦争では、トルコ航空によって邦人は救出されるが、私は、これら見捨てられ続けてきた多くの邦人に直接インタビューし、その実態を知った。「国際貢献」の最前線で、あるいは、ビジネスのために、世界の隅々で活動している邦人は、いざとなったら、日本という国から「救出の手」を差しのべてもらうことは「できない」のである。

それは、自国民の命を助けるという“究極の自衛”が、「自衛隊の海外派兵につながる」、あるいは、「海外での武力行使への口実にされる」などという信じられない「主張」をおこなう政治勢力やジャーナリズムによって、「悪」とされているからである。

彼ら“内なる敵”に対して、譲歩や配慮をおこない続けてきた日本では、最も大切な「自国民の命」が蔑(ないがし)ろにされてきたのだ。

自国民が海外で「窮地」に陥り、「救出」を待っていても、その救出を他国に委ねる国――それが日本なのである。それでも「よし」とする倒錯した考えや観念論を未だに持ち続ける人々は、自分の家族が同じように海外で窮地に陥っても「果たして同じことが言えるのだろうか」と、私は思う。

自衛隊法など、さまざまな改正を重ねながら、そして今年、紆余曲折の末に成立した種々の安全保障関連法でも、「邦人救出」には、さまざまな手枷・足枷(てかせ・あしかせ)がついているのが実情だ。

当該国が「秩序を維持」しており、当該国の「同意」があり、さらには当該国の関係当局との「連携」等の条件が満たされなければ、邦人救出に向かえず、さらに輸送についても「安全の確保」が絶対条件とされているため、ほかの先進主要国のように、あらゆる手段を通じて「自国民の救出」をおこなうことが日本は事実上、できないのである。

海難1890』を観ながら、“究極の自衛”である「邦人救出」の意味を、多くの日本人に考えて欲しいと思った。私は今日、国家の「あり方」と、人としての「真心」について考えさせてくれる力作の映画に、久々に出会うことができた。(引用終わり)

■日本は日本人を助けられない
門田さんのブログの「映画の中で、テヘラン在住の女性日本人教師を演じる忽那汐里(くつな・しおり=二役=)が『どうして、日本が日本人を助けられないんですか!』と叫ぶシーンがある。まさに映画の“核心”である。」という部分に目が釘づけとなった。もし映画を実際に見ていたら胸を衝かれ、落涙したに違いない。1979年3月にイランのバンダルシャプールに取り残された自分が発した言葉と同じだからだ。

8月6日アップした拙文「安保法案が改正されても」の一部分。
「中国で国内暴動が頻発し、内乱状態に陥る。雲南省では暴徒が解放軍の兵器庫を襲って、兵士の一部と合流する。武装集団と流民化した中国人がメコンを下り、チェンライに上陸、タイ国軍、警察を蹴散らして略奪、暴行、殺戮を恣にする。日本人は見つかり次第、なぶり殺しになる。ここに至って我が航空自衛隊は邦人を救出にチェンライ空港に飛来するか。残念であるが現在の憲法、安保法制下では自衛隊の輸送機は飛んでこない。」

憲法の制約
日本憲法は国との交戦権を認めていない。だから外国にいる邦人の救出はできない。拉致から38年たっても横田めぐみさんは帰ってこない。北朝鮮はどうせ自衛隊や警察の特殊部隊が拉致被害者を取り返しに来ることはない、とタカをくくっている。

私事ではあるが、横田めぐみさんの叔父さんに当たる人が大学で自分の1年先輩だった。そのお蔭で早くから拉致事件には関心を持っていた。会社の施設で飲んでいた時、先輩である横田さんが、「めぐみちゃんは本当に可愛い子で、僕をお兄ちゃん、お兄ちゃんと慕ってくれた、もし帰ってきたら、ここに連れてくるよ」。この言葉を聞いてからもう20年以上経つ。

不法に拉致された、また革命や内戦で取り残された邦人の救出ができなくても、政治家は国民の生命と財産を守ります、と言い続けるのだろうか。それどころか、朝鮮半島で日本は悪いことをしたのだから、40人や50人の拉致被害でガタガタいうんじゃないと言い放った辻元某という議員もいる。

門田さんの言うように、自分の家族が海外で窮地に陥っても、「自衛隊の海外派兵につながる」と家族を見捨てるのだろうか。
辻元議員が設立したピースボートソマリア沖を航行したとき、海上自衛隊に警護をお願いしたではないか。

「国民の生命と財産を守る」、が可能となる新憲法の制定に与野党あげて邁進してほしいものだ。



写真は映画『海難1890』のポスター、あとは日本の花屋さんの店先から