チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

日々の買い物

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日々の買い物


仕入れ先
自分の生活を省みて、ブアさんの買い物に付き合う時間が結構長いことに気づいた。週に数回、ビッグC、チェンライ中央市場近くのスーパーに行く。スーパーでは、品物を彼女がカートへ入れる。自分は支払い係。ブアさんと一緒だと買い物に時間が掛かる。野菜、果物はキロ単位で売られることが多い。日本のように一皿いくらで売ることは少ない。マンゴスチンやマンゴー、キュウリでもブアさんは商品の山の中から一個ずつ取り出して形や重さを確かめる。一個につき1分位掛かる。どれも同じだし、お金を払うのはこっちなんだから適当に必要量を袋に入れれば、と自分は思うが、みかん一つでもブアさんは納得いくものを選り出す。通常、5時前にはテニスコートに行きたいので、買い物を早く切り上げて、と思うが、怒って「レオ、レオ(早く、早く)」と急かしても、結果は同じである。それに「これから雨が降り出すからテニスには行けません」などと言いだす。悔しいが5時近くになると空が真っ暗になって大雨が降り出す。

買い物はスーパーと市場だけとは限らない。家から20キロほど1020号線をプーチーハ方面に走ると彼女の出身村、ロンブーがある。村にはお姉さんが住んでいる。お姉さんの畑で採れたバナナ、あるいはもち米、ライチ、筍、マナオなどを手に入れる。お金を払うこともあるが、スーパーで買ってきた食用油オイスターソース、洗剤などを渡すことが多い。ブアさんは市場で買えば100Bはするが、お姉さんには食用油1本でいいからね、と決して高くないことを強調する。こちらに来た当初は、ブアさんがやたらに親戚や幼友達にスーパーで買ってきた品物を上げてけしからん、と思っていたが、モノの動きを見ると、すべてギブアンドテイクの原則に従っていることが分かってきた。往復の燃料代を考えるとどうかな、と思うこともあるが、モノの動きから村の生活を覗くのも面白いので、喜んで運転手を務めている。

■いろいろなタラ―(市場)
市内の中央市場はタラ―・テッサバン・ヌンという。テッサバン・ヌンは公設の1、第一公設市場の意味か。いくつか有名なお寺が近くにあるので外人観光客も多い。この市場は生鮮食料品ばかりでなく、衣料、雑貨、寝具、漁網、何でも揃う。価格もまずまず、果物、特にスイカは外れがない。アカ族の女性たちがミンムアン寺の塀を背にして野菜を売っている。道端の野菜と民族衣装はなかなか絵になる。

家とロンブーの間にタラ―・ホイサックがある。ここでは蒸した豚の耳をよく買う。以前、川エビの佃煮作りに凝ったことがあり、このタラ―で生きエビを200Bほどまとめて買っていた。今でもエビ売りのおばさんは自分の顔を見ると、嬉しそうな顔をしてくれる。フライパンでオリーブオイルを熱して、煙がかすかに出始めた時に、生きエビを放り込んで蓋をする。アチアチとエビがフライパンの隙間から飛び出すのを見て、佃煮作りから遠ざかっているのだが、醤油と砂糖、ダシの素で甘く煮付けた佃煮は人に喜ばれた。ブアさんは「バーブ(悪行)」というが、また挑戦してみたい。

タラ―・ターサイは我が家から数百mの距離にある。ホイサックや市内に連れて行ってくれる運転手(自分)がいない時、ブアさんが自転車で行く市場だ。小さな市場だが肉や野菜、一応のものは揃う。長ネギは麺類の必須アイテムであるが、ブアさんはほぼ毎日この市場で買う。タ―サイのタラ―は自分一人で行くと、売り子のおばさんたちが口々に「ビデキ、ブアはどうした」と聞くので、あまり行く気がしない。

■現在お気に入りのタラ―
最近、1号線沿い、家から2キロの距離にあるタラ―・サンサイに週1,2度行く。ここは朝市、午前7時前後が一番賑わう。卵入りお粥30B、一個5Bの肉まん、餡まん、あるいは油条と豆乳を買ってきて朝食にする。この市場の豚肉は、朝暗いうちに絞めた豚だから、寒い時だったら湯気が出るくらい新鮮。魚ばかりでなく、肉も新しいものはおいしいことを初めて知った。
ブアさんがスーパーの解凍肉をあまり買いたがらない訳が分かった。

時折、お土産で頂く京漬物を再現しようと、この市場で買った大根をスライスし、塩、砂糖、出汁の素の配合を様々に変えつつ、苦節2カ月。ほぼ兄に褒められる水準の漬物ができるようになった。こんなに砂糖を入れていいのかと思うほど砂糖を入れるのがコツ。

自分で料理をすることは吝かではではないが、結局、おかずの数と量が増え、ついつい食べ過ぎる。市場に行くと、この材料で、と閃くのだが、ブアさんのおかずだけで我慢する方が体にいいのかもしれない。