■ネットが不通
日本は今、ゴールデンウィーク真っ最中。行楽や里帰りといった家族連れも多いことだろう。景気も復調傾向のようであるし、大いに楽しんで頂きたい。
タイでは5月1日はメーデーで民間企業のみ休日、5月5日は昨年までプミポン国王の即位記念日の祝日であったが、今年から普通の日となった。4月のソンクランで大型休暇を取った人も多く、これで日本のようにGWがあったら何時働くんだ、ということになる。
自分が現役であった頃、GWは楽しかったかというとそれほどでもない。年明け、年明け、と延ばしていた仕事を松が明けたら、と更に延ばす、2月はあっという間に過ぎるから、ああ、あの仕事は新年度に入ってから、となかなか手を付けない。新年度が始まれば他の優先事項が目白押し。ああ、あれは5月の連休明けに本格的に、などと言って更に延ばしていたのだから、連休明けを考えると気が重かった。連休が明けて、あの仕事はどうなってるのかねと上司に聞かれ、そうですね、盆明けまでには、とは流石に言いかねた。こんな社員でも勤まったのだからいい時代だったと思う。今のようなギスギスしたグローバル経済の環境下ではとっくにクビになったと思う。
さて、先週24日にどういうわけかPCのネットが通じなくなった。前夜どこかで落雷があって一時的にネットが止まったのか。これまでもネットが落雷で不通ということはあった。ルータもPCも異常はないようだ。「パソコンを叩いて治す50代」という川柳があったが、60代でも叩いても回復しないことは理解できる。自然治癒を待つことにして予定していた一泊旅行に出かけることにした。
■運転手
4月はソンクランとそれに関係する仏教行事があり、ブアさんの運転手としてあちこちに駆り出された。買い物もほとんど毎日だ。つい最近までタイの一般庶民の家には冷蔵庫はなかった。その日必要な食材を買ってきて調理して食べる、あるいはおかずとご飯を買ってきて済ませる。盆であろうと正月であろうと市場は開いているから基本的に食材を買い置きしておく必要はない。これが習慣となっているのかあまり買い置きをしない。母の使用する紙パンツが特売になっていても大量に買うことはない。せいぜい1月分だ。もっと買ってはどうか、といっても無駄になるかもしれないと言って買わない。ママさんが使わなくても早晩自分が使うようになるのだから、といっても買わない。すべてがこの調子だから買い物に行く頻度は高くなる。更に市内に行くついでに銀行に寄ったり、ニイさんの当たりくじの換金、電気、水道代の支払いも行う。
ブアさんの村からノルウェーに嫁いだ女性がいる。子育ての傍ら家政婦として働いているのでかなりの収入がある。その一部を度々、ブアさんの口座に送金してきて、お寺へのタンブンを依頼する。総額で100万円は超えていると思う。ブアさんがお金を下ろし、定まった金額をお寺に持っていき、タンブンの儀式を執り行ってもらう。その模様は携帯でノルウェーに送信され、最後に坊さんからノルウェーの女性にお礼の言葉がある。確かにXXバーツ受け取りました。銀行もお寺もブアさんや関係者を送迎するのは自分だ。ノルウェーの友達は中々できた人で運転手の自分にガソリン代と日当をブアに言付けているようだが、別にほしいとは思わない。ブアさんが妙に機嫌よく、友達が呉れたからバーミーペッ(アヒル肉入り麺)を奢ってあげるなどという。運転させて悪いと多少は思っているのだろう。
タイ語でチュワイカン(助け合い)という言葉がある。お手伝いさんには母の世話を全面的にお願いしている。バイクの運転免許のない彼女たちの手助けをするのは言ってみればチュワイカン、これでお互い感謝の気持ちを持って和気藹々と毎日が過ぎていけばそれに越したことはない。
■4日目に解決
とは言っても、毎日ブアさんとの外出には疲れを感じる。近くの市場にブアさんがバイクで行って野菜やおかずを買うことは可能である。自分が家にいなくても不都合はない。
というわけで、ネットが不通となっていたが日本の連休に先駆けて1泊旅行に出た。翌日帰宅したがネットは通じてない。次の日ブアさんと一緒に電話会社へ、言われるままにお金を払う。不通になって4日目に電話工事の職員がトラックでやってきて、電信柱から新しく電線を引きなおした。ルータも新品になった。「ファイバー」になったからネットが速くなる、とブアさんが言った通りサクサク繋がる。
兄も自分も4日間ネットが不通でも平気、はすっかりタイの生活になれたせいだと思う。
