■ストレス無しのはずだが
川中島のGHで3，4週間過ごせば、納期、締め切り、会議、来客予定、そんなことをすっかり忘れることができるのではないか、と書いた。考えてみれば今の自分は納期や会議に追われることもない。チェンライの里の侘び住まい、訪れる人も稀な静かな生活だ。ブログ原稿の締め切りがあるではないか、と言われそうだが、これは自分の趣味でやっていること、いつやめても誰にも迷惑はかからない。何もラオスまで行かなくても、ほとんどストレスのない生活を送っていると言える。
思い返してみれば、現役時代はいい人に恵まれ、楽しく仕事をしたように思う。でも会社を辞めた途端に、30年以上飲み続けてきた胃潰瘍の薬が不要になった。それだけ会社ではストレスがあったのだろう。
若かりし頃、嫁さんを貰って1年もしないうちにイランの工事現場へ転勤になった。これはもちろん自分から単身イランへ行かせて下さいと志願したわけではない。厳密にいえば、「自分の意思に反して（against my will）」であり、社命により「働かされた（forced to work）」と言えなくもない。イラン赴任はともかくとして、上司から理不尽な仕事を命じられ、心ならずも従ったことがある。まさに「自分の意思に反して」、だ。でも給料をもらっている以上、給料には「我慢代」が含まれている。自分の考えとは別に、反社会的な指示でない限り、上司の指示に従うのは社会人として当たり前で、そうでなければ組織はもたない。
この度、世界文化遺産に登録された軍艦島や製鉄所で働いていた朝鮮人（当時は日本人）にはかなりの俸給が支払われていたという。嫌なら辞めることもできた。だからナチスの強制労働と同列に論じることはできない。世界遺産登録を巡る韓国政府の騙し打ちを思うと、タイの片田舎でのんびり暮していてもストレスを感じてしまう。
■ どちらが民主主義か
「紅旗征戎吾が事に非ず」とネットと無縁に暮らせば、ストレスはないのだろうが、やはり、世間のことは気になる。今月16日に安全保障関連法案が衆院本会議で可決された。自分としてはまだ満足できる内容とは思わないが、可決は当然と思う。
でもリベラルといわれる人達から見ると、とんでもない出来事だったようだ。以下はあるブログから。
「昨日の強行採決、今日の衆院強行法案通過と、国外にいながら涙が出るほど腹が立ち、情けなく思いました。多くの国の政治より日本はましだと思っていましたが、先進国、民主主義国家なんて言えない事態になっています。
今こそ私たちは政治の話を、家庭で、友人同士で、同僚とするべき時です。家族でデモに行きましょう、友人や同僚とデモに行きましょう！
メディアで仕事されている多くの皆さん、長いものに巻かれないでください、抵抗してください、民主主義を守ってください」
議会制民主主義の基本は選挙によって選ばれた国会議員による多数決である。自民党は憲法改正、安保法案成立を公約にして昨年12月の総選挙で290議席の安定多数を占めた。今回も突然、安保法案の強行採決に及んだわけではなく、衆院での審議時間は116時間にも及んでいる。これで採決をしないなら、自民党に投票した多数の国民はどう思うか。上記ブロガ―は、「日本は民主主義国家なんて言えない事態になっています」というが、多数決による採決を認めずして何が民主主義国家か。アルバイト動員も含めた少人数のデモで国政が左右されるとしたら、それこそ民主主義の危機ではないか。
■安倍首相孤軍奮闘
選挙で多数を得たということは4年間独裁権を付与されたことだ、と管首相は言ったが、当時メディアは殆ど批判しなかった。また管さんは余り記者会見をしていない。でも安倍首相は国民に安保法案を丁寧に説明したいと、民放テレビに出演した。自分はこの番組を見ていないが、この書き込みから様子はわかる。
「進行役からして批判側からの進め方、低俗漫画家やいい年して金髪のネットオタクからのくだらない質問、他人事の平和ボケしたバカ国民からの呆れるコメントにも負けず、丁寧に説明している様を見ると涙が出そうになると同時に、周りを固める自民党議員、もっとしっかりしろと言いたくなります。
ボスを常に戦場で先頭に立たせて何をやっているんだ。
それにしても、総理を前にして失礼な漫画を披露したやくみつるだけは絶対に許さない」
対話によって調和点を見出そうという人はリベラルには稀だ。上から目線で反対意見の人をたとえ首相であっても見下そうとする。タイなら即刻逮捕され、テレビは免許取り消しとなる。
日本は民主主義国家と思いませんか。
写真はパパイヤの花と実、珍しい黒バナナと普通のバナナ、安倍首相とNHK調査の政党支持率
