チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

経済指標は悪いのに

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経済指標は悪いのに

■在留邦人の話題
最近、日本人会などで知人に会うと、必ずと言っていいほど「バーツが高くなりましたねえ」のぼやきが聞かれる。3年ほど前に換金した時、1万円が4100Bになった。今は2700Bちょっと。約35%年金が目減りした計算になる。通常、景気が悪くなると通貨安になり、景気が良くなると通貨は高くなる。それではバーツ高になるほどタイは景気がいいのかというと決してそんなことはない。

7月2日のタイニュースは次のように報じている。

タイ中央銀行は5月の月例経済報告で、景気回復が引き続き遅くぜい弱と表現。観光と公共支出がけん引するものの、民間消費、輸出が伸び悩んでいると指摘した。
報告によると、5月の工業生産指数は前年同月比7.6%低下した。5月の民間消費指数と民間投資指数(はともに前年同月比0.4%低下した。
名目農業所得は前年同月比12%減少。農業生産が7.3%減少、農産物価格が5.1%低下した。

GDPも下方修正され、デフレ傾向が強まっている。

タイ中央銀行は2015年のタイの国内総生産GDP)見通しを3月時点の3.8%増から3%増に下方修正したことを明らかにした。輸出が弱く、景気回復が予想より遅いと分析。インフレ率見通しは、3月時点の0.2%をマイナス0.5%に修正した。

■新車販売は16%の下落
新車の製造、販売も落ち込んでいる。

タイ工業連盟自動車部会がまとめたタイ国内の全自動車メーカーの5月の生産台数は前年同月比8.8%減の13万5045台だった。内訳は乗用車が15.1%増の6万5181台、1トンピックアップトラックが25.1%減の6万7738台。
1―5月の生産台数は乗用車が前年同期比5.3%増の32万9424台、1トンピックアップトラックが6.1%減の44万2388台など、合計で1.1%減、78万3553台だった。
タイ国内の新車販売台数は5月が18.3%減の5万6939台、1―5月が15.9%減の30万8784台と不振が続く。

■農業も赤信号
日本は梅雨明け前から台風が襲来して、降雨は充分、いつも渇水でニュースになる香川県の早明浦(さめうら)ダムも現在100%の貯水率だ。今年の日本は干ばつの心配はない。引き換え、タイは降雨量が少なく、干ばつ、水不足の心配が出ている。

これもタイのニュースから。

タイ軍事政権は14日の閣議で、チャオプラヤ川水系の主要ダム4カ所の放水量を、今月16日から、現在の日量2800万立方メートルから1800万立方メートルに削減することを決めた。
生活用水、工業用水を確保するため、農業用水の供給を極力抑え、農家には何らかの保障措置を取る方針だ。
放水量の削減は水不足の深刻化を受けたもので、8月末までに北部、中部でまとまった雨が降らない場合、バンコク生活用水が不足する見通しだ。
チャオプラヤ川水系の主要ダム4カ所の貯水率は14日時点で、北部ターク県のプミポンダム29%(貯水量39億5200万立方メートル)、ウタラディット県のシリキットダム33%(同31億6699万立方メートル)、ピッサヌローク県のクウェーノーイバムルンデーンダム11%(同9900万立方メートル)、中部ロッブリ県のパーサクチョンシットダム4%(同4300万立方メートルと危機的な水準。

7月初旬、チェンライのメ―スワイダムに行ってみたが、底の方に少し水が溜まっているだけだった。雨季というのに、水不足で田植えができない農地が家の周りにある。農業所得が低下しているうえに、田植えもできないとなると、タイ経済は深刻な影響を受ける。

■我が予測、大外れ
昨年来、タイの政治、経済には明るい見通しはなかった。一方、先進国で唯一、経済的にしっかりしているのは日本だけ。失業率は低いし、世界中から日本にカネを借りに来ている。世界が円を欲しがっているし、タイ経済はガタガタ、円が強くなるに違いないと予測した。1万円が3500Bに下がってきても、必ず円高に転じる、と日本円をじっと握りしめていた。兄にも円をバーツに換えるな、と助言していた。その後、中国も欧州も混迷の度を強め、経済崩壊の危機と言われながらも対円のバーツは安くならない。まだ1万円が2800Bまでいかない。兄にはお前の言うことを聞いて損した、あの時換金してたらなあ、とぼやかれるし、自分の手持ちバーツも常にカツカツである。

経済評論家の言うことは信用していないけれど、自分の見込みが外れるとは思っていなかった。タイ経済は低迷し、実はバーツはドルに対して最安値となっている。問題は円が安すぎることにある。それでも円安はお国の経済には好影響を与えるという。1ドル80円の円高で海外に住む年金生活者がホクホクだった時があるが、あの時は民主党政権。いくら円高となるとしても、あの政権だけは願い下げだ。

その程度の愛国心は持ち合わせているつもり。




写真はメースアイダム、いつもは湖岸のレストランまで水がある。あとはチェンライの市場から、値段はキロ当たり。