チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

授業再開

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授業再開

■授業始まる
15日からタイ語の授業が始まった。ほぼ2カ月ぶりである。兄が1月ほど帰国していたし、その前後、友人知人が来ていたので、ご案内、ご接待で勉強できなかった。

勉強など先生がいようといまいと自分でやるものだ、真面目に頑張れと言われるかもしれない。でもこれからタイ語の検定試験を受けて2020年の東京オリンピックでは通訳ボランティアとしてお役立とう、といった殊勝な考えはないし、タイ語ができるとビヤバーで女の子にもてますよ、と聞いているが今更もててもねえ、という気になる。まあ、いろいろ理屈を並べても勉強しない理由は、単に自分が怠けものだから。それに尽きる。

そうです、自分はだめな人間です。明日できることは今日やるな。ぬくぬくと布団にくるまっていると自虐的な幸せを感じる。布団の中で、そういう私も日陰育ちのヒネクレ者、お天道様に背を向けて歩くバカな人間でございます、と鶴田浩二ばりに呟くと幸福度はさらにアップする。

タイ語に限らず、語学の習得には、目標と強固な意志が必要だ。ある米国人は、タイ人妻の連れ子と意思疎通を図りたい、という目的があって頻繁にジアップ先生のもとに通っている。習ったことを家で実践するから上達は早いのではないか。タイ語上達のためには、何のために、どの程度(タイ語検定2級とか)までやるのかはっきりさせることが先決だ。

自分の場合、日常生活で話す相手は女中さんと言うことになる。だから「明日夕ご飯はいらない」、「仕事に行ってくる(テニスに行くこと)」といった定型的なことしか話さない。女中さんが、タイの軍政の行方とか拉致問題解決の道筋といった話題を振ってくることはまずない。カタコトで充分と言われる所以である。

■勘が悪いのか、発音が悪いのか
10年、20年とタイに暮らしていてもほとんどタイ語ができない人もいる。日本でも老夫婦になればご主人が「アレがあるから、ナニしてくれ」と呟けば、奥さんが「はい、はい、アレですね」と言って、頂き物の羊羹を切って、お茶を入れてくる、といったことはよくあるだろう。察しの悪いタイ妻と言えど、ご亭主がタイ語らしいことを呟けば、性癖、前後関係で意思を理解することは容易い。でもこういったご亭主の悩みは「俺のタイ語はカミさんには通じるが他のタイ人には全く通じない」と言うことである。

実は同じことが自分にも言える。女中さんや外人タイ語になれたジアップ先生は理解してくれるのだが、レストランや道端の人はこちらの言うことをわかってくれない。わずかなイントネーションの上げ下げで意味が全く違ってしまう。でもレストランで「ハシ、ちょうだい」と言っても「橋、ちょうだい? それ何、ここは土木会社じゃないよ」的な対応をされると、わかってくれよー、と言いたくなる。もちろん発音の悪い自分に非があるのだが。

■授業継続、本当の理由
上達しないのにどうして授業を受けているのか。その理由の一つはジアップ先生がタイの中産階級に属しているので、彼女から中産階級の考え方が学べるからと言える。日常、自分が言葉を交わすタイ人は女中とその親戚、友人くらい。彼女らの中にはチェンライ市内に行ったことがない人もいる。だから、チェンライで美味しい店知らない?と聞いても行った経験がないからわからない。タイは階級社会であり、階層によって収入はもちろん生活様式もかなり違う。

こちらの中産階級は自宅で調理をしない人が多い。外食である。だから、美味しい店のことはよく知っている。「チェンライの美味しい店ベスト10」といったネット情報を参考にすることはあるが、やはり最新の口コミ情報は大切だ。あの店は味が落ちた、という情報も日本からの友人を案内する自分にとっては有難い。

タイ北部は赤シャツ党タクシン派の牙城であるが、中産階級のジアップ先生は反タクシンで黄シャツ党贔屓だ。近年、タイの経済成長は著しく、中産階級は増大しつつある。彼らにしてみれば、女中、運転手を雇うことは自明のことであり、下層階級は下働きの存在でしかない。我々と彼らは別の存在、多分、同じ人間ではないと思っている。だから高学歴で中産階級に属する自分の1票と無学な貧農の持つ1票が同価値と言う普通選挙は受け入れることができない。先生との雑談の中で、日本とは違うタイ社会の構造が見えてくる。

などと縷々書いてきたが、ジアップ先生は可愛いい人なので、会いに行くのが楽しみ、これが授業継続の本当の理由。この1行のために1800字を費やしてしまった。



写真はジアップ先生、こうして見ると美人ですが結構、色黒です。