チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

授業再開

イメージ 1

イメージ 2

授業再開

タイ語の授業
昨年、ジアップ先生が産休に入り、それを機会に1年半続けたタイ語の授業を中断した。もちろん他の先生や、AUA以外のタイ語学校に通って勉強を続ける選択もあった。
半年後に授業を再開します、と先生が言われるので、それまではのんびりすることにした。

夏休み、冬休みなどの長期の休みがあったわけではない。先生が休むと言わないので、国民の休日であっても月、水、金と週3日のペースで授業があった。熟年ロングステイヤータイ語を学ぶ人は多いが、その9割以上が1年以内に挫折すると聞いていたので、そうはならじと、意地で続けていたところがある。

それだけやればタイ語がかなり出来るようになっただろうと思われる向きもあるかもしれないが、現実は厳しい。
まあ女中さんに「今日は昼ご飯いらない」と言える程度。数字は覚えたから買い物にも行ける。読むほうはゆっくりであればなんとか読める。タイ語はローマ字と同じく表音文字であるから、意味がわからなくてもアルファベットにあたる「コーカイ」を覚えれば読むことはそれほど難しくはない。ただ読めても意味がわからないのであれば、文字通り「意味がない」。

タイ語以外に教えてもらったこと
ジアップ先生から授業を再開します、という連絡があったのは最後の授業の日から10カ月過ぎたころだった。
すっかり忘れてしまって、今更習うのも恥ずかしい。しかし「あなたがタイ語を忘れてしまったのは、早く授業を再開しなかった私にも責任があります」というジアップ先生の温かい言葉に励まされて、また兄と一緒にレッスンを受けることにした。

タイ語はもちろんであるが、ジアップ先生からは授業を通して、タイの中産階級の考え方を学んでいたように思う。彼女は「家では洗濯も掃除も料理もしたことがありません」という家庭に育った。タイの階級社会の一端を知ったのは彼女のおかげである。タイ語の勉強の合間にお互いの国の慣習、文化について話し合えることはタイ語の遅々たる進歩と共に、自分の楽しみとなっていた。

■知人のタイ語
ところで、チェンライの邦人の中には、あっという間にタイ語が上手になる人がいる。小型のラップトップコンピュータにタイ語会話帳を仕込んでおき、飲み屋に行って、グラス片手にPCを開き、お姉さん相手に「生きた会話」を練習するのだという。

サラリーマンの頃、会社で毎年TOEICの試験があった。他社のように600点以上取らないと管理職にしない、などという乱暴な会社ではなかったが、やはり受験戦争をくぐりぬけてきた団塊世代、試験を受ける以上は少しでも高い点数が取りたい。そこでTOEICで800点以上を取った若手から役員、10人以上にどのような勉強をしたのか聞いて回った。
FEN放送を聞いて文章に起こす、朝早くから開いているランゲージラボに通って、聞いた英語をおうむ返しに繰り返す、NHKのビジネス英会話を欠かさず聞く、英語の文献を読むなど、みな英語の習得に時間をかけ、日々努力していた。

面談調査の結果わかったことは、頭のいい悪いは関係なく、時間をかければ、語学は必ず上達する、という単純な事実であった。更に、海外勤務を希望するとか、海外で学術発表を行うなどの目的があれば、勉強にも身が入るだろう。

飲み屋でタイ語を勉強する場合でも、それなりに目的がはっきりしていれば、より一層上達するに違いない。但し、授業料は学校で習うより相当高くつくのは間違いない。

タイ語もテニスも
チェンライで本当にタイ語を学ぶ気があれば、地元ラジャバット大学の外人コースがある。週5日ばっちり授業がある。このコースを卒業すると大学に入学できるらしい。それだけ厳しく教えてくれるということだ。でも今更、タイの大学に入って勉強することもないし、残り少ない人生をタイ語にだけ没頭するのも個人的にはどうか、と思われる。
毎日のようにコートに出て、テニスをしているが、ウィンブルドンを目指しているわけではない。でも以前はできなかったスマッシュ&ボレーやスピンサーブが思った通りに決まると、前より上達したかな、とうれしく思う。

タイ語も同じで、できなかった発音が間違わずにできたり、正確に書き取りができて、ジアップ先生に褒められると少し幸せな気分になる。

授業のある日は、朝シャワーで身を清め、アイロンのきいた長袖シャツ、長ズボンに着替えて、ハレの気分を味わう。よし、今日は学校だ、頑張ろう、と自分に言い聞かせる。
多少なりとも向上心がまだ残っているのでは、と思うのも決して悪くはない。

写真はジアップ先生