チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

選挙の影響

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

選挙の影響

■ビールが買えない
タイの下院選挙は7月3日、即日開票で同日深夜には大勢が判明するということだから、このブログがアップされる頃には新しい政治地図がはっきりしていることだろう。
選挙の立て看も増えたが、トラックに乗った候補者を見かけるようになった。選挙終盤戦はどこも同じ、「あと一歩のところにきております、ご声援ありがとうございます、ご支援よろしくお願いします・・・」。分からないが、まずこう叫んでいるに違いない。テレビニュースでは馬や水牛に乗った候補者を見た。水牛に乗ると庶民的イメージになるのだろうか。

投票権のない外国人だから選挙は関係ない、と思われるかもしれないが、さにあらず。投票日の前日18時から投票日の24時まで連続30時間、酒屋、スーパー、飲食店等で酒類の販売が禁止される。6月26日は不在者投票日だったので、やはり25日18時から26日24時まで、酒の購入ができなかった。
販売禁止、というものの、田舎では色のついたポリ袋に入れて売ってくれるし、自宅で買い置きの酒を飲むのは構わない。
そういえば、サッカーの応援席には酒類の持ち込みは禁止されている。これは国際的ルールだろう。しかし、入り口の警備員は缶ビールを見つけると「見えない袋に入れなさい」という指導をするだけだったし、会場内ではオバサンがビールを売り歩いていた。この国では決まりがあっても、それはそれで抜け道はいくらでもあるようだ。

■遠足に行けなくなった
チェンライ日本人会では6月に遠足がある。今年はタイ保健省主催の研修遠足が予定されていた。
スケジュールは下記の通り。

6月24日(金) チェンライ空港近くのタイシルク・コットン手作り工場見学、昼食付き半日コース
6月25日(土) アートゥー村 の山岳民族によるスパ体験及び有機野菜畑見学、昼食付き 1 日コース
6月26日(日) パーサート温泉 メーファーラン橋からのスピードボートツアー、温泉・マッサージ体験 昼食付き 1 日コース

2年前、同じくタイ保健省のご招待で、「豪華スパでのタイ・マッサージと昼餐」という催しに参加した。この時の模様はレポートしたことがあるし<http://blogs.yahoo.co.jp/uzbekistan24/49322249.html>、日本からの客をそのリゾート・スパに案内したほか、先日は兄と実際に宿泊してきた。保健省であっても多少の費用対効果を狙っているわけで、自分としてはその期待に応えてきたという気はある。
今回は前回と違って、豪華さは期待できないが、気軽に何度も行けそうな所ばかりだ。土日の◆↓コースを申し込んだ。

ところが、直前の22日になって遠足は無期限延期になった。タイ保健省から「選挙が忙しくてえらい人が行けなくなったから」という連絡があったからという。選挙が近いのははじめからわかっていたことだが、こういった脱力するような出来事はタイでは珍しいことではない。参加予定者全員に連絡をされた日本人会の会長さんに同情申し上げる。

■女中さん帰省
タイ国民は18才以上から選挙権がある。有権者名簿は「タビアン・バーン(住居登記簿)」という日本でいう家の登記簿と戸籍、住民票の中間にあたるものに基づいて作成される。これは“バーン(家)”とつくように家ごとに登記され、持ち家でないと登記できない。よってほとんどが生家である実家または親の生家に登記される。 
選挙日が近付くと選挙管理局から各有権者に対して、タビアン・バーンに記載されている住所に選挙がある旨の通達が郵送される。よって選挙になると、皆自分のタビアン・バーンのあるところに帰省して選挙をすることになる。バンコクプーケットに出稼ぎに来ている人たちは投票のために一斉に故郷に帰る。つまり選挙のある前日は帰省ラッシュとなってしまう。投票しないと社会生活上不都合が生じる「義務投票制」であるから仕方ない。棄権する場合は投票用紙の「棄権します」という欄にX印を書いて投票する。蛇や猿などの動物候補の立て看を見かけるがこれは棄権を呼びかける政党のものだ。というわけで我が家の女中さんも実家へ戻って投票する。幸い実家はそう遠くないので、交代で投票に行ってくれるようだ。

選挙の影響を3点述べてみたが、本当の影響はやはり選挙後に出来しそうだ。
軍当局は、総選挙後に新政権樹立を巡って暴力事件が多発するとの見方をとっている。また法務省特別捜査局(DSI)関係筋も、「治安を脅かす問題は、選挙期間中、そして、選挙後にも起きる可能性が依然ある」としている。ケニー駐タイ米国大使がクーデター発生を懸念しているとの報道もあるし、選挙結果とその後のタイ政局からは全く目が離せない。


写真は以前もご紹介した事のある選挙ポスター、最上部は「棄権」を呼びかけ、破かれたり、Vサインもあります。