チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

選挙終わる

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選挙終わる

■タクシン派過半数、インラック氏、初の女性首相へ
下馬評通り、タクシン氏の妹、インラック氏の率いるタイ貢献党が下院の過半数を占めた。以下は4日の時事通信より。

バンコク時事】タイ下院総選挙(定数500)の投開票が3日、行われた。選挙管理委員会の非公式発表(開票率約98%)によると、タクシン元首相派の野党・タイ貢献党が264議席過半数を獲得した。貢献党の首相候補でタクシン氏の妹インラック氏(44)は勝利を事実上宣言。与党・民主党のアピシット首相も敗北を認め、2年半ぶりにタクシン派が政権を奪取し、同国初の女性首相が誕生することが確実となった。
 投票率は約74%で、民主党は160議席にとどまった。インラック氏は同日夜の記者会見で「選挙戦での公約を実現していきたい」と強調。一方のアピシット首相は支持者を前に「結果は明らかだ。タイ貢献党が勝ち、われわれは負けた。インラック氏にチャンスを与えたい」と述べた。
 タイではタクシン元首相の支持派と反対派の対立が続いており、昨年は90人以上が死亡する騒乱に発展した。貢献党と民主党はともに選挙結果を受け入れるとしているが、一挙に国民和解を実現するのは難しい情勢だ。

7月1日に民主党タイ貢献党バンコクでそれぞれ最後の政治集会を行った。タイ貢献党ラチャマンカラ国立競技場で開いた数万人規模の集会の熱気はすごかった。司会者が「民主党は雨、タイ貢献党は晴れ」と言ってインラック氏を紹介した途端に、大粒の雨が降り始めたが、彼女の発言ごとに歓声と拍手が沸き起こった。これに引き換え、与党民主党の集会は動員数も少なく、テンションは今一つ。選挙結果を予感させる映像であった。

憲法の規定により、選挙から30日以内に国会が招集され、その後30日以内に首相が選ばれる。タイでは初の女性首相誕生となるが、アジアではインドネシア、フィリピン、インドなど女性の首相、大統領が出ているし、アジアは相対的に男性より女性の方がしっかりしているから、それほど違和感はないだろう。

■投票風景
ブアが投票に行くというので20キロほど離れた彼女の村に行った。ブアの村、ロンブーは村民全員がタイ貢献党に入れることになっているという。
村の集会所には箱で区切られた記入所3か所、それに投票箱が2つある。一つは小選挙区、一つは比例選挙用である。数人の村人がテーブルに陣取っていて、投票者のIDカードと住民一覧との照合を行なう。事前に投票入場券のようなものは配られていない。日本の運転免許証と同じ大きさのIDは顔写真入りだから、「替え玉投票」は難しい。その前に村人同士、全員顔見知りだから替え玉は不可能だ。
本人照合が終わると投票用紙が渡され、あとの行動は日本と同じ。投票所には警備の警官が2名いたがいたってのんびりしていて、投票風景を撮影している自分を注意する様子もない。
投票は1分で終わった。この1分の投票をするために、都会に働きに出ている地方出身者は皆、帰省する。義務投票制だから仕方がない。

バンコクで立候補したタレントがいた。テニスの世界ランキング9位という有名人だったが、2008年の下院選挙に投票していなかったため、選挙運動期間中に失格している。投票実績がないと立候補資格がないのだという。それが分かっているのに立候補するというのはいかにもタイらしい。

■立て看が一夜で消滅
選挙運動期間中、特に終盤にはチェンライのような田舎でさえ、道路の両側には候補者、政党の立て看が林立していた。投票日翌日の朝、タイ語の授業のためにチェンライ市内へ向かっていると、道路が実にこざっぱりとしている。所狭しと立ち並んでいた立て看が一つもないのだ。きれいさっぱり消えている。
ジアップ先生にどうして一夜で看板が消えたのでしょう、と聞くと、夜中に清掃業者が撤去したのではという返答であった。
ジアップ先生はアッパーミドルの階級だからご存知なかったのかもしれないが、あの使用済み立て看には細くとも木材が使われ、針金も使用されている。一般庶民にはタダで手に入る貴重な資材なのだ。

この国ではゴム草履の切れはしでもプラスチックのかけらでも売買される。ブアがクズ屋に家から出た不要物を売りに行く、というのでついて行ったことがある。ペットボトルやビール瓶が有価物というのはわかるが、割れた便座も売れてしまったのには驚いた。

7月3日15時の投票終了と共に、立て看争奪戦が全国で繰り広げられたことであろう。庶民の暮らしが良くなる政治を、と願わざるを得ない。

写真は投票所風景