チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

長期安定の軍政

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長期安定の軍政

■新憲法草案賛成多数
タイの選挙管理委員会は8月7日に実施した新憲法草案をめぐる国民投票の公式集計結果を発表した。賛成が61.35%、反対が38.65%で、プミポン国王の承認などを経て新憲法が成立する。投票率は59.40%だった。
暫定政権のプラユット首相は9日の閣議で、民政復帰に向けた総選挙の実施時期は2017年11~12月になるとの見通しを示した。

憲法制定により総選挙が行われ、その結果、第一党から首相が選ばれるかというと、ことはそれほど簡単ではない。どこの政党が勝とうと新憲法では、下院議員以外からの首相選出が可能である。2014年の軍事クーデタで暫定政権を掌握しているプラユット大将が、来年の総選挙後も引き続き首相を務めることもありうる。

憲法草案の賛否を論ずる討論会は禁止、草案に関するビラを配っただけで逮捕されたくらいだから、国民にはまず憲法草案の内容がよくわからなかった。わからないけれど投票所に行ったということは、現軍事政権を支持するか、それとも反対かの投票だったからといえる。投票結果から見る限り、タイ国民は「民主政」による政治混乱よりも、強圧的ではあるが、秩序と安定をもたらしてくれる軍政を支持したわけ。考えてみれば戦後、タイでいわゆる民主政治が機能していた時期は短期であって、軍政が通常だったことを思えば、日本の感覚で「軍政から民主政に向かうことは善」と単純には言えない。その国にはその国に合った政治形態があると言える。

■プラユット首相続投希望6割
バンコク週報 2016年9月5日付
タイ国立開発行政大学院大学はこのほど、プラユット首相が次期総選挙後も首相を務めるのがよいとする意見が6割にのぼるとの世論調査結果を明らかにした。同調査は8月30-31日にかけて全国の18歳以上の1250人を対象に行われた。 60・8%が「プラユット氏は強いリーダーシップと決断力があり実直。国が抱える問題にもうまく対応できるので次期首相に向いている」と回答。その一方で24・5%が「プラユット氏は国民の権利と自由を制約し、権力に拘泥しているため、首相に返り咲くべきではない」と答えた。

当のプラユット氏は、首相続投など、政治家としての将来については「総選挙前になったら話ができるかもしれない」として首相続投などに含みをもたせている。一部ではプラユット氏が政党を立ち上げて、「民主的」に再度首相になるべきだという声もある。でもこういった手続きを経ても、クーデタの首謀者が続投するであれば、民政復帰は絵にかいた餅だったではないか、という欧米からの非難は免れそうもない。

■軍政の影響
憲法草案の投票日前後、弟夫婦とナーンに旅に出ていて、レストランで酒類の提供を拒否された。タイでは国政に関する投票日とその前日はアルコールの販売が禁止される。タイ政治が自分の生活に影響したといえばこの程度。

先日、リエントリ(再入国許可証)を取りに出入国管理事務所へ行った。リエントリがないとタイを出国した際、ビザが無効となる。このリエントリ申請時にも「外国人情報用紙」の提出が求められた。写真を貼付せず、取引銀行、口座番号など個人情報は空欄のまま提出したが、係官はチェックもせずに、バイトの女の子に書類を投げ渡した。軍政になって入管での手続きは煩雑になっているが、些細な不備を厳しく指摘される、という事態になっていないのは何より。

ノーヘル、無免許、バイク3人乗りなどの交通違反の罰金はこれまで200Bだったが、軍政後500Bに値上げになった。無免許でもその場で罰金を払えばそのままバイクに乗って帰れるが一般庶民にとっては500Bはきつい。

バンコクカオサン通りといえばバックパッカーにはおなじみの場所だが、路上販売規制の強化により、露天商の営業時間が短縮され、路上販売業者が反発している。風俗営業の取締りも強化されているが、閑古鳥が鳴くほどではない。

■独裁の怖さ
とはいえ軍政は独裁政権、逆らえば大変。バンコク週報2016年8月24日から。

プラユット首相のパロディーで8人起訴
ネット上にプラユット首相に関するパロディー「私たちはプラユット大将を愛している」を掲載したとされる8人がこのほど、扇動とコンピューター犯罪法違反の容疑で起訴された。 パロディーの具体的内容は報じられていないが、検察によれば、これら容疑者は虚偽の情報を流すことで社会に混乱を起こそうとしたという。煽動罪とコンピューター犯罪法違反の最高刑はそれぞれ禁錮7年と禁錮5年となっている。

難癖をつけられ、母子共々国外追放となっては大変だから、政治の話は避けてひっそりと暮らしている。