チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

孤独のグルメ

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孤独のグルメ

■豊富な可処分時間
ここ10年、日本で長く過ごした期間と言えば、ウズベクでの教師生活を終えて帰国した2008年4月から翌年1月にタイに移住するまでの10ヵ月間である。兄と二人で母を介護した。忙しい毎日だったように思う。炊事、洗濯、掃除、買い物、ゴミ捨て、その間に母のデイケアの送り出し、ケアマネージャさんや訪問看護師さんが来られての打合せ、やるべきことは山ほどあった

タイに来てから、介護はもちろん、炊事、洗濯、掃除といったいわゆる日常作業から解放された。わが生涯を通してこれだけの可処分時間を持てたことはない。その自由になる時間を使って、タイ語やアカ語の習得や民俗学の勉強をしようと決心したことはあるが、結局は不善をなすほどではないが、小人閑居して、といった状態にある。一億総活躍社会というのに、こんなにだらだらと怠けていていいのか、と自己嫌悪に陥る。でも、まあ、60歳までまじめに働いてきたのですから、一つお目こぼしを願います、それに年寄りが何かとしゃしゃり出てきては、若い方もお困りになるのでは、といった自己弁護の気持ちも一方ではある。

さて、今日は何をしようか、何をしたいか。あれ、これは最近ハマっている「孤独のグルメ」に出てくる井之頭五郎の「さて、何を食おうか、何が食いたい」の真似ではないか

■庶民的な定食屋が中心
孤独のグルメは、個人で雑貨輸入商を営んでいる井之頭五郎(いのがしら ごろう)が、仕事の合間に立ち寄った店で食事をする様を描いたグルメ漫画。主人公が訪れる場所は高級料理屋などではなく、大衆食堂のような店がほとんどである。また、出先での食事がメインのため、出張などを除けば大半が東京を中心とする関東の店となっている。料理の薀蓄を述べるのではなく、ひたすらに主人公の中年男が独りで食事を楽しむシーンと心理描写を綴っているのが特徴である。ドラマティックな展開などは少なく、あたかもドキュメンタリーのごとく淡々とストーリーが流れていく。

漫画を読んだことはないのだが、ユーチューブやDVDを見ている。松重豊が演じる五郎が、B級グルメといった昼食を取る。痩せている割には大食で、さも美味しそうに食べる。食べ終わった後の微笑も満足感が漂っていていい。芸能人が出演するグルメ番組にありがちだが、口に食べ物を入れた後、美味しい、うまい程度しか言うことが無くなってしまう。美味による語彙失調症とでもいうか、とにかく、旨いのはわかるがどう旨いのか、さっぱりわからない。まったりと、口一杯に広がる香りが、もう何も言えません、こういった常套句を聞かされると自分でもイライラする。大体、口の中に物が入っているときは喋らないというのが礼儀でしょうが。タダで旨いもの食って、その上、ギャラまで貰って…、美味しい仕事だな。お説教と嫉妬は裏表だ、自分の小人ぶりがこういった場面でもよく実感できる。

その点、孤独のグルメは、飲食場面とは別にナレーションで五郎の感想を流すので聞きやすいし、表現も多彩。共感できる。それに食べるものが、大盛り焼きそばと餃子、ハンバーグステーキ、ブリ照り焼き定食、喫茶店ナポリタン、静岡おでん、汁なし担々麺などごく一般的な料理。勘定も紹介されるから、これくらいなら自腹で行けるよね、と身近に感じる。

■帰ろかな
いくら身近に感じても、タイの片田舎のわび住まい、おいそれと池袋や荒川区日暮里の定食屋に足を運ぶわけにはいかない。それにしても松重さんは美味しそうに食べるなあ。里心がついて東京までの格安航空券をチェックする。チェンマイから飛べば往復で4万円以下の航空チケットがある。曜日や連休の並び方で航空代金が違う。中国東方航空を使うと安いが片道26時間かかる。接続がよければチェンマイから成田まで片道8時間ほどだから26時間は想像を絶する。このルートで帰国した人のブログを読んだことがある。疲労困憊、安くても二度と乗らない、とあった。チェンマイから東京への直行便はない。バンコク乗り換えが普通。通しで同じ航空会社を利用する方が安心だが、チェンマイからバンコクバンコクから東京を別々の航空会社で行く手もある。ちと乗り継ぎが面倒になるためか価格は安め。安いと思っても、羽田23時30分着、午前6時発など当然発生するホテル代を考えると却って割高というチケットもある。

ユーチューブを見て、そのあとはネット検索で時間が過ぎていく。これではいくら可処分時間があっても何にもならない。



写真、上3枚は「孤独のグルメ」のHPから、あとはチェンライで食べたもの