チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

タイ、戦後最大の悲しみ

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タイ、戦後最大の悲しみ

プミポン国王陛下、崩御
タイ国民が深く敬愛するプミポン国王陛下(88)が10月13日午後3時52分、入院先のシリラート病院で崩御された。 陛下は2014年10月3日からシリラート病院に入院。ご在位70年4カ月は現役の国家元首として最長だった。

プラユット首相はテレビで国民に対し以下のように呼びかけた。

混乱を引き起こすような争いを許さず、タイの平和維持に協力してください。
1.公的施設は30日間、国旗を半掲すること。
2.公務員は10月14日から1年間、喪に服すること

コンサートやステージショー・イベントやパーティーの開催は30日間キャンセル。ナイトクラブやゴーゴーは閉店。
バーによっては3日間の閉店を告げられ、その他は7日間。歌舞音曲は控えることとのお達しが出ている。
放送通信事業委員会、プミポン国王崩御を受けて、TV局とラジオ局に30日間は愉快な番組の放送を中止し
適切な内容を留意させるとする指針を決定

ただ首相は投資・観光に悪影響を与えることがあってはならないと述べ、経済活動への規制は行わない考えも示した。

■まずは皇太子が王位継承
国王陛下の崩御にあたって、首相がまず第一に「タイの平和維持に協力」を国民に呼びかけたことには訳がある。王位の継承権第一位は皇太子であるワチラロンコン皇太子だが、プミポン国王の次女、シリントン王女も王位継承権を持っている。皇太子は64歳、3度の離婚歴があり、国民の人気はイマイチ、彼の品行を書き始めると不敬罪に問われ、15年の禁固刑になる恐れがある。興味のある人はネット検索してほしい。まあ女性問題で言えば、名君と崇められるチュラロンコーン大王(ラーマ5世、皇太子の曽祖父にあたる)は側室を入れた妻の数が160人以上、子供の数は77人だったというから、離婚歴を非難されるほどでもないのかもしれない。

一方、シリントン王女は独身で国王陛下に代わり地方巡幸等の公務を務められ、国民からの人気が高い。タイでも放映された「俺は男だ」の主役森田健作のファンであり、2010年の日本非公式訪問時に対面した後、2012年8月に森田がタイを訪れた際には表敬訪問を受けている。チェンライに来られた時、間近にご尊顔を拝したことがあるので、自分もシリントン王女派と言っていい。

一般にはシリントン王女はプミポン国王:軍(主に陸軍):既得権者の華僑系有力者の支持を受け、一方のワチラロンコン皇太子は、シリキット王妃:警察(1部の空軍):タクシンを中心とする華僑系新興勢力に支えられているという図式が成り立つ。

王位を巡ってまた赤シャツ、黄シャツの抗争が起こることが危惧されたが、国王崩御の直後にプラユット首相が皇太子にラマ10世として国王即位を要請した。軍を代表するプラユット首相が後ろ盾となっているから、遅かれ早かれワチラロンコン皇太子が王位に就くことは間違いないところだろう。しかし皇太子が「国民と悲しみをともにし、決意を固める時間が欲しい」と求めたため、議会での承認は後日になった。国家元首不在期間は枢密院議長のプレム元首相(96歳)が摂政を務める。

■チェンライの様子
崩御2,3日前から王族が証書授与を行う大学の卒業式が軒並み中止になるし、それほど円高でもないのにバーツが安くなったりと、Xデーが近いことはわかっていた。崩御翌日の14日に市内を回ってみたが、学校、政府機関で半旗が上がっているほかはごく平穏、スーパーでも11時から通常通り酒類を販売、夜はコック川に面したレストランは煌々と明かりを点けて営業していた。客の入りも金曜の夜ということもあってそれほど減ってはいなかった。チェンライのナイトバザールも外人観光客で賑わっていた。いくらか拍子抜け、肩透かしを食ったように思った。

これは北タイはその昔、ランナー王国という言葉も文字もチャクリー朝とは違う国だったから、国王の崩御に際して、悲しみにいくらかの差があるのかと思ったが、チェンライでも土曜市、日曜市の歩行者天国は中止になっていた。レストランは開店しているが酒類の提供はなく、ショーは中止。コンサートやディスコは中止並びに閉鎖となっている。近所の朝市も出店がまばら。チェンマイでは早々とロイクラトン祭りの中止が決まっているし、日本人会でも通常の親睦会の自粛、テレビの音量注意を呼び掛けている。

恐らくパタヤ、タニヤ、パッポンストリート、チェンマイのビヤバーは閑古鳥だろう。いくらプラユット首相が株を売るな、観光は従来通り、と言っても経済活動に相当の影響が出てくるはずだ。自粛ムードがどれだけ経済に影響していくのか、タイの政治の行方と合わせて注目していきたい。