チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

大東亜共栄圏の実現

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大東亜共栄圏の実現

アボット首相の歓迎演説
豪州連邦議会での安倍演説の前にアボット首相の歓迎演説があった。この中でアボット首相は、戦後数十年、国際社会において模範的な市民として行動してきた、と日本を評価している。逆にいえば70年前の大東亜戦争における日本の行動は悪だった、と言っていることに等しい。でも豪州は日本と実際に戦火を交えたわけであるし、戦没者も少なくないからアボット首相は立場上、そう言わざるを得ないところだ。

インド、ビルマ、マレーシア、インドネシアベトナム等のアジア諸国は、白人帝国主義者をアジアから追い出し、独立のきっかけを与えてくれた、植民地から脱却できたのは日本のお陰だ、と言っている。もちろん、アジアはこのように評価していますよと、アボット首相に言っても仕方ない。過去の評価は国によって違うのだから、お互いその違いを認めて、ネチネチと古いことは言わない、それよりもこれからどう付き合っていくか、ということが大切である。

その意味ではアボット首相の演説は未来志向であり、安倍首相への個人的親近感をにじませた心温まるものであったと思う。ミスター・アベをミスター・アバイというオージー・イングリッシュで呼び掛けているのも面白い。昔、米国で簡単なプレゼンテ―ションをしたことがある。その時、司会者が自分の名前、「HIDEKI」を「ハイデカイ」と紹介したことを思い出した。

アボット首相の演説の中には民主主義、人権、法の支配という言葉がたびたび出てくる。その価値観を共有する日豪両国が集団的自衛権のもとに協力していく、これがアジアの平和と繁栄に資するという。
考えてみるとアジアには民主主義、人権、法の支配が実現されている国は殆どない。韓国には親日的発言をする人の人権はないし、タイでは総選挙で合法的に選出された首相が実質的な国外追放となる。インドシナ社会主義国であるし、中国に至っては日豪をはじめアジア各国と全く価値観を異にする。

そうなると、近場の国で、経済的に補完的関係があって、文化、価値観を共にできる国といえば豪州くらいではないか。その意味で豪州と準軍事同盟を結んだということは必然性があったと言える。

■潜水艦技術の移転
安倍首相は豪州に日本の潜水艦技術を供与する協定に調印した。米国、英国に続いて3番目である。日本は大東亜戦争で135隻の潜水艦を失ったが、敗戦時55隻を保有していた。当時から潜水艦製造の技術は高かったが、その遺産は川崎重工業三菱重工業に引き継がれている。

両社の手掛けるそうりゅう型潜水艦はジーゼルエンジンでありながら連続2週間の潜航が可能、しかもステルス潜水艦といわれるほどエンジンの静粛性が高い。ロシアの持つ原潜はエンジンを停止させることができないし、中国の潜水艦のエンジン音は大きい。ということは日本の潜水艦は捕捉されることなく、敵艦に接近して攻撃を加えることができる。また海上自衛隊の操艦技術は高く、米海軍との演習では米イージス艦に海流を利用して無音で近づき、米海軍の度肝を抜いた。日中戦わば、というシミュレーションでは中国潜水艦は開戦直後にすべて殲滅されるという。

■武器輸出が安全保障に役立つ
防衛技術供与が可能になったのは武器輸出3原則の緩和によるものである。人殺しの道具や技術を拡散させるのか、という声もあるが、武器輸出により、自国の安全が守られるということもある。

例えば戦闘機、戦車、艦船は、我々の車以上に部品を頻繁に取り換えなければならない。いざという場合、その部品、修理技術の提供を停止することにより戦わずして相手を屈服させることができる。日本は米国の属国であるからジェット戦闘機の自主開発を認められていない。F15が航空自衛隊の主力戦闘機となっているが、ボーイング社は部品の一部をブラックボックス化している。米国に対し日本が刃向えば即、部品の供給が途絶え、日本は屈服する以外にない。

米国が世界の警察官の座を降りると宣言した今、国は自分で守る必要がある。自主防衛には自主防衛技術の保持、開発が大切であるが、それ以上に各国の連携が必要だ。アボット首相は「歴史は国家間の問題は国際法に従って平和的に解決されるべきだと教えています」と述べている。力と威嚇にさらされている国の中には、日本が積極的に国際問題に関与して、中古でいいから巡視船や艦船を提供して欲しい、という国もあるだろう。

このまま日本が各国と連携して普通の国の道を歩めば、豪州を含めた新しい大東亜共栄圏が実現するかもしれない。




写真一番下はグアムに寄港したはくりゅう