チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

介護ロングステイ5年

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介護ロングステイ5年

■丸5年
5年前の1月28日にチェンマイの空港に母と兄の3人で降りたった。今日27日で丸5年ということになる。それほど四季がはっきりしている国ではないので、タイに来たのがついこの間のように思われる。
車椅子をキャビンに預かってもらい、空港を出るときには航空会社の車椅子から自前の車椅子に乗り換えた。空港からタクシーに乗ったが、運転手が車を降りて、母を介助してくれたことを思い出す。この運転手から始まって、今も母が息災にしているのは多くの人にお世話やご好意のお陰である。

北タイには何十万もの日本軍が駐屯していた。その人たちがタイで悪いことをしていたら、対日感情は今と全く変わったものになったであろう。また戦後、の日タイの経済協力、皇室とタイ王室の親密な関係、そのお陰もあって、日本人ということで不愉快な思いをしたことはない。どこから来たの?、日本からと答えると一様にタイ人は優しい笑顔を返してくれる。

母は日本では伝い歩きがせいぜいで、外出は車椅子であったが、こちらに来た当初、すっかり元気を取り戻し、家の中を普通に歩くようになった。転んだりしないかと、いつも一人女中さんが傍らに付いていたから介護も大変だったと思う。
本人は「歩く」と言って、車椅子での散歩を喜んだ。車椅子に乗って30分ほど団地内を回るのであるが、タイ人のサワディーカッに車椅子の体を屈めて「ご苦労さまでございます」と挨拶を返す。赤ちゃんを見せてくれるお母さんに可愛いねえ、を連発する。吠えかかる犬には「こらっ」と拳を上げる。あの頃は兄と母の散歩は団地の名物、人気だったと思う。

■兄弟が揃う
認知症は一億円積んでも直せる病気ではない、と医者が言っていた。そう分かってはいても一時の母の回復ぶりを見ると、もしかするとと思っていたが、ある時から楽しみのビールを拒否するようになり、車椅子の散歩にも興味を示さなくなった。次第次第に弱っていって左目が見えなくなり、左半身がうまく動かなくなってきた。今では介助なしに立つことはできない。

昨年暮れから抗認知症薬とそれに付随する胃腸薬をやめたが、症状は変わりない。変わりないどころか女中さんは「よくなった、よくなった」という。ご飯を食べるときの表情がしっかりしてきて、オイシと聞くとコクリとうなずく。好みの味でないと匙を口に持っていっても首を横に振る。反応が良くなってきたらしい。

1月に弟夫婦が来た。5回目のチェンライ訪問だ。兄弟3人顔を揃えたわけだが、母はそれほど嬉しそうでもない。弟は昨年6月に来た時とあまり変わっていないよ、というが変わりなければそれでいい。弟や嫁さんの顔を眼で追って、何か言うのだが聞きとれない。
弟夫婦は退職記念旅行だから、これまでの駆け足旅行ではなく、1月ほど滞在する。二人は母の傍らで母がつぶやくことを一生懸命聞きとろうとし、話しかけている。薬より、話しかけのほうがずっと本人にもいいのではないか。

■タイにも寒波
年をとったら転ぶな、風邪ひくな、義理をかけ、という。もう母は転ぶ心配はないし、果たすべき義理もない。老人は風邪をこじらせると肺炎になって命取りになる。風邪には注意が必要だ。

世界的に寒波が襲来している。米国東部では記録的な積雪、2013年には消えると言われていた北極の氷も増加している。東京日比谷公園の鶴の噴水にも見事なつららができたという。

タイも例外ではない

タイ気象局によると、1月23日のバンコクの最低気温はドンムアン空港で15・6度まで下がった。これは30年ぶりの低温。
23日の各地の最低気温は北部チェンライ市7度、チェンマイ市11.4度、東北部ルーイ市5.5度、ナコンラチャシマ市11.3度、パタヤ市18度、など。
一方、タイ保健省によると、2013年10月22日―2014年1月19日に報告があった低気温が原因とみられる死者は63人に上った。死者の9割は男性。県別ではチェンマイ県が最も多く6人。次いで東北部サケーオ県、ナコンラチャシマ県が各5人。

室温が15度を下回ると足先が冷たくなる。母は厚いソックス、長ズボン、セーター、マフラーそれに毛布、布団をかけているから汗をかくほどであるが、それでも風邪をひいてしまった。咳をして声がかすれている。実は兄も自分も喉をやられ、咳き込んでいる。テニス仲間の風邪も同じ症状だからチェンライ中で流行っているようだ。

食欲はあるので、特に対策はとっていないが、母子共々、「風邪から肺炎、心不全」の年代である。今年も一家全員無事に過ごせればと思う。


写真はソード・タイ村で行われた山岳民族に毛布を無料配布する式典会場と登録です。軍隊が配るみたいです。