チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ホンダフォルツァ300

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ホンダフォルツァ300

■今年の冬は寒くて
せっかく大型スクータを手に入れたのに、あまり乗っていない。買ってから1月間の走行距離せいぜい数百キロだ。大事にしているということもあるがチェンライは12月から1月にかけて相当冷え込んだ。最低気温が10度を下回ることも珍しくない。最高気温が25度を越えない日もあった。

日本にお住まいの方には笑われると思うが、20度前後という過酷な気温では寒くてバイクになど乗る気にならない。上半身はダウンジャケットを着ているので何とかしのげるが、ジーパンの太もものあたりが冷たくなってくる。
バイクをおりても暫く足が冷たくて、ベッドに潜り込んで、自然に体や足が温まるのを待つ。熱い風呂に飛び込むのが一番だが、家のバスタブに電気湯沸かし器でちょろちょろ水をためるには時間がかかる。その上出てくるお湯の温度は湯沸かし器の性能の問題でせいぜい41,2度、溜まるそばから冷えていってしまう。

外人を中心にチェンライにも大型バイク同好者はいる。友人は650佞離ワサキに乗っている。同好の士とのツーリングでは、150キロ以上でぶっ飛ばすそうだ。。タイは道路を建設する際、用地取得が容易なのであろう、数キロにわたって平坦な直線道路というところが何カ所もある。高速道路ではない証拠に、時折、牛が道を横切が、走行車は少ないし、道路は広いし、何よりも警察の取締りがない。少なくとも自分がパトカーに止められた経験はない。北海道の斜里町の「天まで続く道」や「南十勝夢街道」に匹敵する快適ドライブを楽しむことができる(はずだ)。

友人は革ジャン、革パンツ、革ブーツにフルフェイスのヘルメットに身を固めている。外見はイージーライダーかシュワルツネッガーだ。しかしヘルメットをとると、白髪、無精ひげといった60ジジイのむさ苦しい顔が出てくるので、タイ人ががっかりするという。ハーレーの革ジャンを商う店を彼から紹介してもらっているのだが、外見と実際の落差でタイ人を落胆させることもないだろう。またそのうち防寒具を必要としない陽気になってくる。
というわけで、まだ革ジャン購入に至っていない。

■親不孝
バイクと言えば革ジャンにジーンズ、ロックンロールにリーゼント、「イージーライダー」という映画があった。1970年公開。この映画でオートバイに乗る若者はアウトローいうイメージが定着したと言える。
自分が大型バイクに乗り始めたのは24歳の時。その頃、母が買い物に行ってなじみの魚屋のあんちゃんに、「うちの次男、バイクに乗っているのよ」と言ったら「へえ、親不孝もんだね」と返されたそうだ。ごく普通の真面目なサラリーマンだったのだが。

それから40有余年、親不孝の再開だ。ツーリングをしている時、どんなライダーでも心の隅でニューオリンズに向かうピーター・フォンダに自分を重ね合わせているのではないだろうか。自由を求めて流離っても、所詮、自由など存在しない。
そういう私も日陰育ちのヒネクレ者、お天道様に背を向けて歩く馬鹿な人間でございます、鶴田浩二の「傷だらけの人生」にも通じる。

スクータに乗っている時、いつもこのように虚無的になっているわけではない。それよりもピーター・フォンダが乗っていたハーレーより自分のホンダフォルツァのほうが性能がいいだろう。急加速で追い越しをかけるときは多少の優越感に浸れる。フォルツァはチェンライではほとんど見かけない。みんなの羨望の目を感じる。
寒さをこらえて、テニスコートに乗り付け、受付の女の子に「ねー、あれでドライブにいかない?」くらいの軽口を叩く。(やはり不良か)。

■チェンライの暮、正月
寒いが連日、スクータのために1日20キロほど走った。特に行くところもないから、コック河畔で開かれていたアセアン記念花博覧会には4回も行った。暮、正月はテニスコートの周りや街中を走ってみた。タイ人にとって大晦日も元旦もない。普通の休日であるからコートにはテニスに興じているタイ人がいた。市場は普通に開いていた。自分のように正月は朝から日本酒を飲んで、貧しいながらも正月料理らしきものを並べて新年を寿ぐ、といった改まった感じはない。

今週末は春節、中国正月だ。タイでは国民の祝日ではないが。中国系市民の店は休みになるところが多い。山岳民族のラフ族も春節に合わせて餅を搗き、豚を屠ってお祝いをする。今年も夜を徹して行われるラフダンスに参加する。暗闇の中での素朴な踊りだ。5年もいると「例年の楽しみ」が増えてくる。

この小正月が過ぎれば、暖かくなって長距離ツーリングの季節が来る。楽しみだ。


写真はスクータとラフダンスです