チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

いっそTGで逃げましょか

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いっそTGで逃げましょか

■タイ逃亡3年、女、車、散財の果てに
長野県建設業厚生年金基金の元事務長が業務上横領容疑で逮捕され、身柄をタイから日本に移送された。このニュースは日本でかなり大きく報道されたそうだ。24億円の使途不明金はどこに消えたのか。これからしばらく、週刊誌で様々なことが報道されるだろう。

それにしてもこの元事務長のコメント、「日本の仕事は厳しかった」、「タイの人は優しかった」、には吹き出してしまった。自分もそんなに厳しいとは思わなかったが、会社勤めをやめた途端、30年以上にわたって飲み続けていた胃潰瘍の薬とすっぱり縁が切れた。気持はともかく、体のほうは「仕事が厳しいよ」と言っていたのだろう。
「タイの人は優しかった」に関してはまあ同意できる。彼の場合、女性に相当お金を使ったというから、せめて優しくしてもらわなければ割に合わない。タイ逃亡生活の最後は月7900円のアパートの家賃にも事欠き、面倒を見ていたタイ女性の世話になっていたという。

■最高刑でも10年、多分3年で仮釈放
元事務長は「業務上横領」の罪で裁かれることになる。刑法第253条では「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する」となっている。24億横領しても最悪懲役10年で済む。初犯であり、上司の監督不行き届き等が考慮されれば、ま、懲役7,8年と言うところか。刑期の3分の1以上を真面目に務めていれば仮釈放の権利が出てくる。恐らく3年以内に仮釈放。仮釈放中は定期的に保護司の面談を受ける必要はあるが、海外旅行も可能。ということは仮釈放のその足でタイに来て、そのまま行方知れずになるというストーリーも考えられる。

ここからはこちらの知人との雑談だから、話半分以下に聞いてほしい。
24億なんて金、タイじゃ使いきれないよ、恐らくヤミの勢力に脅し取られたのではないか。でも暗黒街だって、義理を守るところはある。10億渡すから1億預かってくれ、なんていう約束ができたかもしれないな。さあ、どうかなあ。日本のヤクザとタイのマフィアは違うかもなあ。

タイではゴールドが比較的簡単に買える。1キロの金の延べ板を10枚ほど買って、お寺の本堂の下にでも埋めておけば、みつかりゃしない。元事務長は現在56歳、60過ぎたらタイに飛んできて、貸しておいた、あるいは隠しておいた金で悠々自適の生活ができるのではないか。まあ、年200万円あればチェンライならまずまずの暮らしができる。金の延べ板10枚なら4千万円、20枚なら8千万円、30年は楽に暮らせるでしょ。

■逃げるならタイ
経済学的には日本からタイへ10億から20億の所得移転があったわけで、その分、タイのGDPは増えたわけだ。タイ観光庁では日本人のロングステイヤー誘致に熱心だが、つまるところ、日本のお金をタイに落としてほしい、が本音だ。ということは元事務長一人で、日本の退職者1000人分のタイ経済への貢献があったことことになる。
別に元事務長がタイで強盗殺人を犯したわけでもないし、タイにとっては良かった、こういう人がたくさん来ればいいな、と普通のタイ人は思うだろう。

それにしても、3年もタイ、それもバンコクに潜伏していたとはどういうことか。チェンライでは殺人事件の容疑者とみられる邦人暴力団関係者が潜伏していて、ヒットマンのタイ人と銃撃戦の上死傷、という事件があった。彼等も長期にタイ国内を逃げ回っていた。オウム真理教幹部がチェンライの山奥にいるという噂もあった。いざとなれば、北タイからラオスカンボジアに密航してしまえば、まず見つからない。逃げるならタイか。人は優しいし・・・・

■いっそ小田急で逃げましょか
昭和4年に発表された東京行進曲の4番に「いっそ小田急で逃げましょか」という1節がある。人目を避けて潜伏するために、当時は小田急が使われたらしい。今は「いっそTGで逃げましょか」だ。それも北タイあたりがいいだろう。バンコクからチェンマイ、チェンライには1日何便も飛んでいる。

東京行進曲が発売された時、ビクターレコードに小田急の重役が、会社のイメージを損なう、責任者出てこい、と怒鳴りこんできたそうだ。でも、この歌が流行したお陰で、小田急の乗降客も増え、いい宣伝になったとあとで喜ばれた。それで作詞者の西条八十小田急電鉄から「永久全線無料パス」を貰ったという。

いっそTGで逃げましょか、というキャッチフレーズが流行ってもタイ国際航空は、誰にも無料パスは出さない・・・でしょうね。


写真は移送される元事務長と潜伏にはうってつけなアカ村の風景