チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェンライの観光案内 その7

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チェンライの観光案内 その7

■ 寒がり体質
昨年の大みそかオウム真理教特別手配被疑者の平田信容疑者が警察に出頭して逮捕された。身柄を大崎署に移されて取り調べを受けている。取調室で、警察官はワイシャツ姿であるのに対し、平田容疑者は異常に寒がりで上着を着込んでいるという。平田はどこか暖かいところに住んでいたのではないかと疑う捜査関係者もいる。

3年前の1月にチェンライに来た。寒い日本から来るとチェンライは殆ど夏、短パン、Tシャツで何も問題なかった。ところが最近では、朝の最低気温が15℃以下となると、寒くてたまらない。足の先が冷たくなる。ダウンのジャケットを着て朝食をとることもある。朝の気温が低くても、太陽が出れば日中には28℃ほどに気温が上がるのであるが、日が沈むころになるとまた空気が冷えてきて長袖を着る。体がタイに馴化してしまったのだ。以前は乾季でも寒くないって言っていましたね、とタイ語のジアップ先生にも笑われている。

自分も今、日本で取り調べを受けたら、異常な寒がりの容疑者、と思われることだろう。実はオウム真理教関係者がチェンライの郊外に潜伏している、という噂は昔からあり、菊池真理子容疑者や平田信容疑者をどこそこで見かけたというネット情報もあった。だから平田容疑者は実際にタイにいたのではと期待?したのだが、まだ彼の寒がりの真相はわかっていない。

チェンライ県の面積は約1,15万平方キロ、東京、神奈川、千葉の1都2県を合わせた面積よりも広い。県土の大部分は森林、丘陵地帯である。県民人口はわずか150万人、山の中には電気も通わぬ山岳民族の村もある。高跳びして隠れ住むのに悪いところではない。

そういえば、殺人の容疑で指名手配されていた暴力団関係者二人が昨年、チェンライの山中で銃撃戦の末、死傷した事件があった。2名ともパスポートの有効期限が切れていたという。

■国民党の村
タイの統治が及ばないチェンライの山中に中国人が逃れ住んだ村がある。ドイメーサロンだ。

大東亜戦争後、中国では蒋介石の国民党軍と毛沢東の共産軍が戦った。1949年、共産軍が勝利し、蒋介石は台湾に逃げ込んだが、広東省雲南省に取り残された国民党軍の一部がビルマ、タイへと転進した。国民党の段希文将軍の率いる部隊はチェンライ県のドイメーサロンに居を定めた。彼らは先住の山岳民族を銃で脅して阿片栽培をさせていたようだ。ゴールデントライアングルを根城とする麻薬王クンサーともつながりがあったらしい。

パテトラオの共産勢力の浸透に手を焼いたタイ政府に協力して、タイ国境に国民党の老兵達が出動して旧式重機関銃で戦ったこともある。常に軍事訓練を怠らず、台湾の国民党と協力し、大陸反攻の機会をうかがっていた。ドイメーサロンは国民党の残党がひっそりと暮らすいわゆる落人部落ではなかった。
ともかく、時節を得ずドイメーサロンの国民党軍が武装解除に応じ、代わりにタイ国籍を得たのは1987年というからそれほど昔のことではない。

■半日コース
ドイメーサロンはチェンライ市内から約60キロ、車で山道を1時間ほど登る。村に入ると漢字の看板が目につく。中国村といっても差し支えない。阿片栽培は昔の話、ドイメーサロンは今では烏龍茶の産地として有名である。ここは標高1600m、日中の温暖差が激しい冷涼な気候で、お茶の栽培に適している。お茶の苗木は台湾から持ち込まれたものという。山の斜面にスプリンクラーで水を散布している見た目にも美しい茶畑は華人経営、ちょこちょこと草むらの中の灌木のような侘びしい茶畑は山岳民族の茶畑と分かる。

ここで生産される茶葉はシンガポール、台湾に輸出され、そこで袋詰めされ、凍頂烏龍茶として販売されている。凍頂とは零下となるような寒い山の頂きのこと。伝説ではあまりにも険しい山の中に自生しているので、猿を使ってその茶葉を摘ませたという。それほど貴重な茶であるが、ドイメーサロンでは産地直売、段将軍の子孫がやっている茶店を始め、村に軒を連ねるお茶屋さんで安価に求めることができる。もちろん試飲もできる。

昔、軍事訓練が行われていた広場では、山岳民族の女性達が小豆、瓢箪、山芋など自家製の農産物や手工芸品を売っている。お風呂で使うヘチマをいくつも買った娘さんを見たがちょっと変わったお土産として喜ばれたのではないか。

1600mと高地なので空気は爽やか、泊まりがけで避暑に行ったこともある。雲南料理はなかなかであるし、荒物屋でこっそり売ってくれるポリ袋入りの焼酎も美味しい。何か自分の好みにあう場所と言える。

写真上から「ドイメーサロンへ向かう道からのながめ」、「茶畑」、「ヒマラヤさくら」