チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ラオスのアカ、タイのアカ

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ラオスのアカ、タイのアカ

■テレビ番組の続き
それにしてもねえ、タイPBSの番組を見たIさんが憤懣やるかたないという表情で言う。我々の収録部分がカットされたのは仕方ないし、当然だと思うけれども、アカの子供たちを並ばせて「ホェイモ村に遊びに来てねー、イェーイ」と何度も言わせたのに、あの場面をカットしたのは許せない、子供たちが可哀そうだ、と。確かに、アナウンサーのパットさんが、何度も子供たちにセリフを叫ばせていた。その度に子供たちは楽しそうに歓声を上げていたが、放映されたのは「イェーイ」という最後の部分だけだった。

まあ2日分のビデオを25分に縮めるんだから仕方ない、編集の範囲でしょう、としか言いようがない。
TVクルーは、村に朝早く着いて、ブランコの支柱になる木の切り出し、穴に固定した木に男たちが登り、4本の木を組み合わせるといった民俗学的にも貴重なシーンを収録していた。もう支柱が組み上がって、中央部にブランコの縄を結び付ける段階、つまり、お昼を回った頃、日本人が餅を食べに現れた、というわけだ。

夕暮れのブランコ遊び、夜のアカ舞踊、女性や子供たちの楽しそうな表情もうまく捉えていた。さすがプロだ。特に夕日に舞うブランコはもう芸術作品といってもよかった。PBSのディレクター、ミンさんが、放映後、DVDコピーをお送りしますと言っていた。自分が餅を食べたり、ブランコの前を横切ったりする姿はもう見たくないが、あの夕焼けに映えるブランコは再度見る価値があると思う。

ラオスのアカ族、タイのアカ族
昨年11月にオーストラリア人のアランとラオスのを旅し、いくつかアカ族の村を訪ねた。その話はもう20本以上書いているがまだ完結していない。一泊ではあるが、ホェイモ村のブランコ祭りの紹介はレポート5本に収まった。それでも冗長の誹りは否めない。

タイとラオスのアカ族を比較して言えることはラオスのアカ族は絶対的に貧しいということである。
2012年の国民一人当たりの名目GDP国民所得)を見ると、タイは約5700ドル、ラオスは約1400ドルであるが、両国のアカ族を見た感じではもっと開きがあるような気がする。まず、ラオスのアカ村には若い男女が一杯いる。若い男は集会所のようなところにたむろして、こちらを胡散臭そうに眺めていた。夕方に近かったので、娘さんたちは篭を担いで次々と農作業から戻ってきていた。農業が暮らしを支えていることは明らかだ。

ホェイモ村に限ったことではないが、タイのアカ村には若者はほとんどいない。村にいて農業に従事していては将来が拓けないから、現金収入を求めて街に下りる。現金収入の道が村の外にあるということだ。またタイ語教育や高等教育を受けるには街の寄宿舎に入る必要がある。少数山岳民族支援のNGOはタイに多数存在している。特に財政的に豊かなミッショナリー系のNGOは大きな影響力を持っている。

ラオスでは宗教系NGOの活動は認められていないと聞いている。ラオスの山の中には小学校はあったが、それ以上の教育をうけることは、ラオスの山岳民族にとって、難しいのではないか。

ブランコ祭りのスケジュールを教えてくれたアトゥのアカ協会はラオスのアカ族の教育支援を行っている。タイと国境を接するラオス、ボケオ県の子供をチェンライの寄宿舎に入れて教育を受けさせる。国境を越えたアカの連携はすでに行われているようだ。

■アカの子供たち
ラオスのアカ村では外人旅行者は招かれざる客であって、敵対的対応を受けたことはすでに書いた。子供はどこでも可愛いし、人懐こいのであるが、村によってはカメラを向けた途端、蜘蛛の子散らすように各家の戸口に逃げ込んでしまった。それでも筵戸の陰からそっとこっちを見ていたのは、子供の好奇心ということだろうか。

その点、タイのアカの子供は天真爛漫だ。写真を撮られて恥ずかしい、という感じはあるが顔を隠すようなことはない。おかあさんは我が子の写真を撮ってくれるのが嬉しいらしく、子供を前面に出してポーズまで取らしてくれる。

ホェイモ村ではお祭りだから、大人も子供も正装している。特に女性のヘルメットのような被り物は美しい。女の子、少女、成年女性とアカの女性は年齢によってデザインの異なる帽子をかぶる。日本で振袖や留袖を着分けるのと同じだろう。

村に若い女性はいなかったが、中学生くらいの少女の艶姿をデジカメに収めることができた。アランに写真を何枚か送ったが何も言ってこない。多分、セミプロ写真家のアランの自尊心が傷ついたからだろうと、密かに思っている。