チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

本当の独立国になるために

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本当の独立国になるために

■ 「国益
十数年前、経産系のシンクタンクで働いていた。その研究所によく本省の課長や若手官僚がやってきた。あの頃は、乃公(だいこう)出でずんば、といった元気のいい中堅官僚がいて、この国はこうあらねば、とかこういう政策はどうか、と口角泡を飛ばしていたことを懐かしく思い出す。自分もそういった議論に入って、この国はなどと言い始めると、まるで維新を断行した勤王派か、国会開設を求める壮士にでもなったような精神の高揚を覚えたものである。

新橋や新宿の飲み屋を覗けば会社はどうあるべきかで、盛り上がっているグループがいくつもある。それが一企業でなく国家をどう動かすかということになれば気宇壮大、話としては大変楽しい。

ある時、30を少し出たばかりの課長補佐が「国益を考えれば・・・・、最近は『国益』という言葉を使っても怒られなくなったんですよ」と言って微笑んだ。そうか、国益と普通に言えるようになったのか。国益と聞くと反射的に軍靴の響きが聞こえる、などと言い出す新聞があった。今の若い人には想像もつかないと思うが、1990年代の終わりまでは、「国益」とは右翼が軍国主義と一緒に使う危険な(放送禁止)用語だったのだ。

■米国は逃げる
外交とは外国と仲良くやっていくことだと思っている人がいる。でも外交の目的はまさに国益を図ることであって、友好関係を維持することが国益にかなえば仲良くすればいいし、国益に反すると思えば無理に付き合う必要はない。

習近平国家主席は日中首脳会談や日中友好議員連盟との面談の条件として、尖閣諸島問題の棚上げを要求してきた。もし民主党政権時代だったら、中国の条件を丸のみし、首脳会談に臨んだ公算が大きい。

米国は中国と事を構えたくない。だから港湾施設灯台の建設、あるいは公務員の常駐など尖閣諸島の現状を変更するような活動を慎むよう、日本に要請(命令)している。
もし、尖閣を巡って、安保条約発動という事態となった場合、米国は極東の無人島のために自国の若者の血を流すだろうか。オバマ大統領ならば安保条約がどうであれ、国民の理解が得られないとか口実をつけて逃げるのでないか。米国は最後になるといつも逃げるという歴史を持っている。

第一次大戦後、国際連盟設立を主導しながら、米国は参加しなかった。アフガン戦争でもイラク戦争でも同盟国を巻き込みながら、目的であった民主国家の建設を果たせないまま手を引いている。

■日本は属国
安保条約は米国が日本を守る取り決めと思っている人はもういないだろう。米国は日本の復讐を恐れていたから、日本をあらゆる面で米国の管理下に置こうとした。軍備もその一つ。今でも日本全国に133の基地があるが、その目的の一つは日本が米国に反旗を翻した時に、米軍が日本を再占領するためだ。都下多摩地区にある横田飛行場にはいざとなったら米軍の海兵隊が降り立ち、首都を制圧する。いくら石原元都知事が懇願しても返還してくれるはずがない。

自衛隊のジェット戦闘機をはじめとする主要装備は米国製、部品供給も握られている。日本は戦闘機はもちろん巡航ミサイルの自主開発はできない。
もし、日本が高性能、低価格のジェット戦闘機、巡航ミサイルを開発し、それを各国が買いに来る状況が起こった場合、それを米国が許すか。
常に軍事的にも経済的にも日本を米国の属国にしておきたい、これが米国の国益だ。

明治政府は治外法権関税自主権不平等条約を30年以上かけて撤廃した。今の日本も国力を蓄えて、米、中、半島と長期的視点に立って対峙していかなければならない。

国益を理解できない政治家
民主党岡田克也衆院議員は8月に京城で開催された日韓フォーラムに出席し、次のように述べている。

 日韓関係が冷え込むなか、韓国の有識者が現状をどのように考えているかを知りたくて出席したのだが、非常に気になったことがある。私は「日韓の危機的状況を何とかしなければ」と意見を述べたが、韓国側からは関係修復への強い思いが伝わってこなかったのだ。

 私が外相時代(2009年~10年)も、日韓併合条約発効100年で、非常に難しい年だった。だが、当時の菅直人首相が改めて植民地支配を認め、謝罪をする談話を発表したり、韓国側と連携しながら北朝鮮問題に対応し、両国関係は良好だったと思っている。

国益を考えず、相手におもねっても仲良くすることが外交だと信じている政治家がいることに、身の毛がよだつような恐怖を感じる。

安倍政権に代わって本当に良かったと思う。


写真はよく行くホイサクの市場です。自宅から10キロと近いです。
上から三番目から「カエル」「ドリアン」「ドリアンの果肉」