チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

1日日本語教師

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1日日本語教師

■日本語学習の高校生と
チェンライのダムロン高校と言えば名門高である。昔は女学校であったが今は男子生徒も受け入れている。市内中央にあって学校の前の道路では土曜バザールが開かれるから、誰でも知っている

タイの高校では第一外国語が英語で、第二外国語として、ドイツ語、フランス語、日本語、中国語、アラビア語パーリ語スペイン語、イタリア語の8科目から1科目選択する。1校で8科目を教えているところはほとんどなく、ダムロン高校では日本語、フランス語、中国語の3つが第二外国語となっている。
ダムロン高で日本語を選択している生徒さんの学力向上のため、1時間ほど、生徒との質疑応答に参加してくれないかという依頼があった。兄と高校へ行ってみると、日本語教師のMさんが出迎えてくれた。全部で8名の邦人(教師2名含む)がこの日のイベントへ参加。

講堂に行くと40名ほどの生徒さんが待っていた。簡単に自己紹介、そして予め決められたテーマごとに4人から5人のグループ分けがされた。テーマは「茶道とお花」、「日本のアニメ」、「本州の観光地」など様々だ。自分の受け持ちは「日本の乗り物」だった。自分のグループは男女それぞれ2名、「私の名前はノーイです、ファンです」などと名札を指しながら、まずは自己紹介、高校生とはいえ、中学生並みのあどけなさだ。ノートに質問内容がタイ語で書いてある。「センセ、新幹線はどうしたら乗れますか」、「切符を買えばだれでも乗れます」、質疑応答と言ってもこの程度。東京では通勤、通学に、バイクや自家用車で行く人はほとんどいない、というとびっくりしていた。チェンライには公共の交通機関がない。通学にはバイクが一般的。

運転免許を取るためにはいくらかかるか、という質問があった。15万円から20万円かかると言ったらびっくりしていた。タイならン千円、バイクの免許なら150B、500円弱で取れる。バイクの免許は15歳から取れるそうだ。女子生徒の一人はバイクで通学しているが、まだ無免許とのこと。日本であればこんな生徒がいたら大騒ぎになると思うが、タイではごく普通。運悪くお巡りさんに捕まっても200Bの罰金を払えば、そのままバイクに乗って帰れる。

■語学を身につけるには
日本語を学ぶ人が多い国は、1位韓国96万人、2位中国83万人、3位インドネシア72万人、4位オーストラリア28万人、5位台湾25万人、6位米国17万人、7位にやっとタイが出てきて8万人の学習者がいる。

自分の反省も含めての話だが、語学の習得には目標とする到達レベル、期間をはっきりさせなければならない。漫然と授業を受けていては身につくはずがない。断続的にではあるが、ジアップ先生にタイ語を習って足掛け4年になるのにさしたる進歩が見られないのは、到達レベルとそれを達成しようとする強い意志に欠けているからに違いない。

日本語検定一級というと、普通の日本人ならまず合格できないほどレベルが高い。ウズベキスタンの法科大学では2年という短期間の勉強で一級合格者が2,3名出る。日本に留学するために日本語検定一級の資格が必要だ。閉塞感の強いウズでは海外に出ることにより、自分の、そして一族の未来が開ける。それだけのインセンティブがあるから、常人には真似できない努力をするわけだ。

集まった生徒さんは日本語専攻科の3年生、週6コマの授業を受けている。5コマは文法、1コマが日本人教師の担当する「日本の文化」。タイの学校は休みや行事が多いから年間授業数は200コマくらいではないか。一般的に外国語を身につけるためには最低1000時間の集中的詰め込み教育が必要と言われている。ダムロン高の場合、日本語検定3級を取れるレベルの生徒は限られるだろう。

■日本語熱はまだ高い
約1時間の質疑応答のあと、生徒3人による和太鼓の演奏があった。そのあとは記念品贈呈式、記念品としてタオルを貰った。最後は全員で記念写真。タイの高校生は写真を撮るのが大好きだ。携帯で女子高生とツーショットの写真を撮ってもらう。日本ではまず不可能と言っていい。
ダムロン高のノンヤオ先生のご厚意で講師全員、珈琲とケーキの接待を受けた。みな生徒さんの熱意には好感をもったようだ。
タイでは大学入試で日本語を選択する受験者が2500名もいるという。また日本語を学べる大学は96に上る。

日本語学習の問題は日本語教師の絶対数が少ないこと。日系企業に勤めれば教師の何倍もの給料が保証されるから先生のなり手がない。日本語教師の需要は高い。お金はいらないという条件ならば、誰でもタイで日本語教師になれるはずである。


写真上から「学生達」「会場」「太鼓演奏」「校門」「記念撮影」