チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

まだ民主党を応援するのか

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

まだ民主党を応援するのか

■ 選挙公示日の天声人語
第46回衆院選は4日、公示され、16日の投開票に向けて本格的な選挙戦に突入した。その12月4日付朝日新聞天声人語を読んでみたが、どうも意味がわからない。

朝日新聞はホームページで「大学入試問題に非常に多くつかわれる朝日新聞天声人語。読んだり書きうつしたりすることで、国語や小論文に必要な論理性を身につけることが出来ます」と自画自賛している。あまり分かりやすい文章だと、入試問題が作りにくくなるということだろうか。

以下の文章を読んだり書きうつしたりすることで、論理性が身につくとはとても思えないのだが・・・・。

(引用開始)
アルプス最高峰、モンブランのトンネルを車で走ったことがある。約4千円の通行料より、時速50~70キロ、車間150メートルという厳格な規制にたまげたものだ。1999年の火災事故(死者39人)の教訓と聞いた▼フランスとイタリアを結ぶ細穴は、12キロ弱の対面通行である。高速道から入るとノロノロ運転の感覚で、遠くのテールランプをにらんでの10分が長い。閉所に弱い当方、名峰の胎内に限らず、トンネル内ではあらぬ悪夢が胸をよぎるのが常だが、頭上を案じたことはついぞなかった▼中央自動車道笹子(ささご)トンネルの天井崩落は、3台を巻き込み、9人が亡くなる惨事となった。130メートルにわたり300枚ものコンクリート板が落ちる、前例のない事故である▼崩れたのは全長の3%。7秒で抜けられる距離で、ひと息の差が生と死を分けた。前触れもなく、前途を絶たれた人の絶望に胸が詰まる。渋滞していたらと思うと、なお恐ろしい▼開通以来35年、外は地圧と水、内は排ガスや振動にさらされてきた。老朽化という時限爆弾が、天井裏に埋め込まれていなかったか。秋に点検済みとはいえ、最上部のボルト周辺は目視のみ。打音検査なら劣化が分かったかもしれない▼「中高年」に入るインフラは、入念な手入れが欠かせない。悲劇を口実に、道路予算が野放図に復活しては困るが、命を守る策はむしろ「コンクリから人へ」だ。今の日本には、蓄えたものを細く長く使う、倹約の哲学がほしい。それを劣化とは呼ばない。
(引用終わり)

2日に起きた中央自動車道上り線の笹子トンネルの天井崩落事故の原因は、まだはっきりしていないが、天声人語が言うように天井のコンクリート板を支えるボルトが腐食劣化していたせいだろう。老朽化による事故、ということであれば、メンテナンスを強化し、場合によっては再工事を行う、つまり「人からコンクリへ」が人の命を守る道である、というのが論理的帰結となる。
ところが、天声人語では「コンクリから人へ」が命を守る策だという。その理由は全く示されていない。

また、笹子トンネル内の制限速度が時速70キロに規制されていることを知った上で、モンブランのトンネルの厳格な規制にたまげたのか。万一の場合でも被害を少なくするため、同じように厳格な規制をせよ、というのかと思ったらそうではない。何のためにこんな書き出しになっているのかよくわからない。支離滅裂だ。

■ずるい書き方
「コンクリから人へ」のスローガンはどこの政党のものであったかはどなたもご存じのことと思う。この標語のもとに、ダムの建設を停止し、その後再開というドタバタ騒動を起こしたのは記憶に新しい。

自民党は「国土強靭化基本法案」をまとめ、安倍総裁は建設国債の日銀引き受けによる景気浮揚を打ち出している。表立った批判ではなく、「道路予算が野放図に復活しては困るが」、と逃げを打って自民の方針に卑怯なあてこすりをしている。
老朽化したトンネル、道路、橋、ダム、校舎等を減災仕様にしていくために予算は必要だが、自民党だって野放図な予算復活などもくろんではいないだろう。悲劇を起こさないための、そして命を守るための施策を進めることが、悲劇を口実にすることなのか。

朝日は国民の命を守る策は「コンクリから人へ」だという。国土強靭化どころか、東日本大震災から1年半もたつというのに、大震災復興予算15兆円のうち、執行されたのはわずか2兆円だけという。これが朝日の言う倹約の哲学なのか。

あえて衆院選公示の日にトンネル事故に引っ掛けて、古証文「コンクリから人へ」を持ち出し、暗に民主党を称揚し、自民党の景気浮揚策を貶める。こういった朝日の書き方はどうかと思う。

上記の天声人語、よくわからないのは自分の、あるいは記者の頭が「劣化」しているせいであればいいのだが、何か邪悪な意図があるのではと勘繰りだすと心が暗くなってくる。