■両陛下に及ぶべくもないが
一応、海外から日本を見ているわけで、ニュースに接する時、日本列島を思い浮かべる。日本中が大騒ぎしている出来事でも、タイで聞くと「それが何か？」と思うことがある。また詳しく報道されていないニュースから日本の素晴らしさを再認識することもある。例えば天皇皇后両陛下のベトナム、タイご訪問では、日本人だけではなく、両陛下に対する敬愛、尊敬の念がアジアの人々に共有されていることがわかる。優雅で気品のあるお二人を国の象徴にいただいていながら、最近のニュースを見てみると、品がないなあ、これでも日本人かなあ、と思わず脱力してしまう。
昨今の関心事は北朝鮮のミサイル発射事件である。3月6日に北朝鮮から発射された弾道ミサイル4発のうち3発は日本の排他的経済水域に落下した。1000キロは飛ぶというし、発射角度によっては日本全体を攻撃できる。日本海に向けて撃ったということは米軍基地のある青森県の三沢基地を当然、射程に入れているということである。半島有事の際は、三沢基地から米軍のF-16が飛び立って北朝鮮のミサイル基地を攻撃する。自分はそれを心強く感じる。でも米軍の基地があるから攻撃されるのだ、米軍基地がなければミサイルなど飛んでこないはずだ、と言うメディアがあるのだから、なんだかなあ、という気になる。
鍵をかけるから、あるいは警察官がいるから泥棒が入る、消防があるから火事が起こる、車があるから事故が起きる、だから鍵も警察も消防も車もいらない・・・・
更にはミサイルが日本国内に落ちたとしても、誤射かもしれないから慌てないほうがよい、と書いた新聞もある。奥さんや娘さんが、暴漢に刺されても、間違って刺したのかもしれないから、穏やかに話し合いましょう、と言うのだろうか。暴漢が刃物を持って向かってきたときは正当防衛が認められるし、ある国がミサイル攻撃を仕掛けようとした時、先制攻撃でミサイル基地を潰すことは自衛権の範囲である。
■有事は近いかも
韓国では朴槿恵大統領が罷免され、半島情勢は混沌としている。このままで行けば、サード配備見直し、日韓慰安婦合意破棄を叫ぶ文在寅のような極左親北政権が出現する。でも極左政権を米国が認めるだろうか、韓国軍によるクーデタがあれば北朝鮮軍が38度線を越えてくるかもしれないし、在日米軍基地が攻撃されれば日本も参戦せざるを得ない。
国民の生命、財産を守ることが国の主たる役割である。防衛は最重要課題である。それなのに国会では森友学園問題ばかり。私立小学校が認可されようとされまいと国民の生命とは関係ない。野党は証拠もないのに疑惑を煽り、あわよくば安倍さんの首が取れるかも、と大はしゃぎだ。自民党内部でも安倍さんがコケれば、もしかして、という石破さんや麻生再登板を画策する船田某などが政権の足を引っ張ろうとしている。国会議員はコトの軽重を理解しているのだろうか。もう少し、国や国民のことを考えて国会審議をしてもらいたい。
■健全野党はないものか
今月、安倍首相は自衛隊の南スーダンからの撤収を決意した。野党は「自衛隊員の命を守れ」と南スーダンからの撤収を主張してきたから、撤収を歓迎するかと思ったがそうでもない。なぜ今、撤収か、説明責任を果たせ、と民進党山井国対委員長は言う。納得できる説明がなければ引き続き南スーダンに留まれ、ということか。民進党の本心は、南スーダンで自衛隊の犠牲者が出たら、ホレ、見たことか、責任取って安倍は辞任しろ、と大騒ぎするつもりだったのだろう。安倍内閣を倒すためなら、自衛隊員の生命とか国際貢献などどうでもいい、というさもしい心根が透けて見える。
朴槿恵大統領が罷免された時、韓国には究極の民主主義が存在していると、持ち上げたのもリベラル。国会審議そっちのけで安保法案反対デモに参加し、「デモの中に民主主義はある」、「アベを倒せ」と叫んでいたから、まあ主張は首尾一貫しているといえようか。韓流情緒至上主義はリベラルと共通するものがある。
朝日新聞は南スーダンからの撤収発表を「森友隠し」と非難した。リベラルとみられる人のブログには「アベは森友疑惑を隠すために、北朝鮮に命じてミサイルを発射させた」とあった。安倍さんにそんな力があったら、拉致問題などとっくに解決している。安倍憎し、もここまでくるとお笑い草だ。これだから、野党は自民党に取って代わることができないのだ。それとも取って代わることを諦めて、弱犬の遠吠えをしているだけなのか。
