チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

それを言ったらお終い

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それを言ったらお終い


■働かなくても
サウジアラビアのサルマン国王が3月12日、来日した。サウジ国王の来日は46年ぶりとなる。王族や関係閣僚、国王の使用人など計千人を超す大規模な訪問団で、約10機の飛行機に分乗して相次いで日本に到着した。サルマン国王は81歳とご高齢、日本側で用意できないと分かったので、チャーターした貨物機で運ばれた専用エレベーター式タラップで専用機から降りられ、皇太子殿下の出迎えを受けられた。
滞在中、安倍晋三首相との会談では、日本企業のサウジ進出を促す経済特区新設や、エネルギーやインフラなど幅広い分野での協力を定めた「日・サウジ・ビジョン2030」に合意。ソフトバンクグループの孫正義社長と面会するなど、サウジが進める脱石油依存の改革実現に向け、日本の官民の協力を重視する姿勢が示された。

サウジは国の収入の9割を石油に頼っている。米国のシェールオイル実用化の動きもあって、石油化価格は下落傾向、それに石油だって未来永劫採掘できるものではない。石油があるうちに国の近代化、経済構造の改善を、という気持ちはわかるが、果たしてうまくいくだろうか。

サウジの人口は1970年前後は数百万人、1980年に1千万人を越え、現在の人口はIMF推計によると3千2百万人。それにしても異常な増加ぶり、人口の半分が25歳以下という。石油収入があるため、教育費、医療費は無料、一応、喜捨が求められるが実質的に税金は徴収されない。国民千人当たりの公務員の数は日本の倍以上。働かなくても食える有り難い国だ。

建設現場や石油化学工場に労働者はいるのでは、と思われるだろう。確かに労働者はいる。人口統計を見て不思議に思うのだが人口の3分の1は外国籍となっている。インド、パキスタンなど国外からの出稼ぎ労働者だ。誇り高いベドウィンの末裔はレンガ積みや道路工事といった下賤な仕事はしないので、簡単な技術移転も難しい。現在は石油不況のため外国人労働者をサウジから追い出しているが、その代わりにサウジ国民が率先して働いているという話は聞かない

■自立できるのか
心ある為政者であれば、石油収入に頼る経済は脆弱だ、国の産業構造を先進化させていくことが必要だ、と考える。30年以上前から日本はサウジ、オマーンなどの産油国から研修生を受け入れて、国の産業構造高度化に協力してきた。研修生受け入れだけでなく、多くの発展途上国に専門家の派遣をし、国造りの手助けをしてきた。でも30年以上前から発展途上国の言うことは「投資促進」、「経済協力」で変わらない。協力の効果はあったのだろうか。
明治以降、日本は、お雇い外国人を雇い入れたが、その期間はせいぜい30年だ。あとは日本人中心で頑張った。

サウジアラビアには4千人以上の王子がいる。皇統が絶えるのではと心配する日本と違って、サウジは王族だらけだ。王族には年金が支給されているから生活の心配はない。奥さんを4人まで持てるし、離婚も自由、子孫繁栄で益々年金王族は増える。
サルマン国王にしても総資産20兆円、外遊の費用を各国並みに抑えて、国のために有効に使ったほうが、と思うのは自分が日本人だからだろう。

サウジには従来、国会も内閣も存在せず、勅令が法律公布と同義となり、行政も勅令の他、コーランイスラム法)に則って施行されてきた。現在は、統治基本法公布によって選挙が行われ、内閣に相当する閣僚評議会や国会に相当する諮問評議会も設置されている。ただし首相格の閣僚評議会議長は国王の兼任である。13ある州の知事はすべて王子が務めている。政治の自由はなく、観光客の入国はほぼ不可能。
法律で酒類の販売、賭け事が禁止されているので、気晴らしの出来るところはない。30年ほど前、リャドに駐在していた友人が、楽しみといえば公開の首切り刑を見に行くくらいでした、と言っていたことを思い出す。

■頑張るメリットがない
サウジアラビアとは「サウド家のアラビア」という意味で、今も王家第一の独裁国家である。王家に連なっていなければいい目は見られない。多かれ、少なかれ、発展途上国では、個人的にいくら能力があっても、性格がよくても、特権グループに属していないと出世できない。いくら頑張っても収入も地位も上がらないのではやる気が出てこない。だから、始めから諦めて頑張らない人が多くなる。

世の中には「それを言っちゃあお終いよ」ということがある。でも結果がほとんど出ていないのだからあえて言う。「人がまじめに働かない国に、いっくら協力しても無駄!」