チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

パヤオへドライブ

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パヤオへドライブ

■ガイドブックに紹介されていない街
6月の日本人会の遠足はパヤオだそうだ。チェンライから約100キロ、7千万年前の地殻変動でできたという北タイ屈指の淡水湖、パヤオ湖がある。この湖のほとりには瀟洒なレストランが軒を並べているし、ワット・シーコーカムというランナータイ様式のお寺もある。

パヤオ県はラオス及びタイのチェンライ、ナーン、ランパーン、プレーの各県と接する。面積は6335平方キロというから東京都の約3倍、群馬県大分県と同じくらいの広さだ。

11世紀にはチョータム王によってパヤオ王国が興ったとされる。これは小規模なムアン(部族国家)であったが、タイ族の歴史上で最初期に属する国であり、一般にタイ史上最初の国家とされるスコタイ王国の建国よりも一世紀半ちかく先行する。

13世紀にはパヤオ王国の中興の英主とされるガムムアン王が、チエンマイのランナータイ王朝のメンライ王や、スコタイ王国のラムカムヘーン大王と同盟してその勢力を確立した。この同盟の経緯は多分に伝説的な物語として伝えられているが、実際には当時すでに大理国やパガン朝を征服し、雲南ビルマ方面からタイをうかがっていたモンゴル帝国元朝)の侵攻に備えたものといわれる。

古い歴史と山紫水明、風光明媚な淡水湖を持ちながら、意外とパヤオは知られていない。
チェンマイはともかくとして、「地球の歩き方」にチェンライ、ナーン、ランパーン、プレー、ランプーンなどあまりポピュラーでない北部各県は載っているのに、どういうわけかパヤオだけは載っていない。
ロンリープラネット」の日本語版にもやはりパヤオの紹介はない。空港も鉄道駅もないせいだろうか。

しかし、此の頃は「ガイドブックにも載っていない」というフレーズが却って観光のウリになったりする。パヤオ潜在的観光地として魅力は充分だ。日本人会の遠足担当もいいところに眼をつけたといえる。

パヤオ湖の水底遺跡
チェンライから車で1時間、パヤオへは何度か行ったことがある。山と湖を眺めながら食事をするためだ。道路を挟んで湖岸にレストランが並んでいる。プラニンの塩焼きの煙がたなびく店もある。鰻屋の煙といったところか。

2年ほど前、弟夫婦とパヤオで、六本木、赤坂にあってもおかしくない洒落たレストランに入った。プラニンの唐揚げを始め、美味しい北タイ料理が出た。でも酒類は注文することができなかった。タイでは祝日の中にアルコール類の販売提供禁止という日がある。運悪くその日に当たっていたわけだ。まあビールがなくても美味しいものは美味しい、というのは酒飲みの負け惜しみか。

この時、謎の湖底寺院を見に行った。パヤオ湖の中に500年前の寺院跡があるというのだ。湖岸から遺跡見物専用舟に乗る。20人乗りの渡し舟といったものだ。舟で5分ほどの沖合に艀があった。艀にはレストランもあるが何とも殺風景、2,3分歩けばもう行くところはない。艀の下にお寺の遺跡がある、というのだが、そう言われればそうなのか、という程度。

ネットに「海底に眠る世界の7不思議」というページがある。「クレオパトラ海底遺跡」、「カンベイ湾の海底遺跡」、「カリブ海アトランティス海底遺跡」と並んで「パヤオ王国水底遺跡」が紹介されているが、これは同じ野球選手だからといってイチローダルビッシュと一緒にリトルリーグの小学生を並べたようなものだ。
水底遺跡と聞いてロマンを掻き立てられるが、その気になって行くときっとがっかりすると思う。

■1泊旅行
兄は一時帰国しているし、母の容体は安定している。タイ語は休みだし、どこか小旅行を、と思っていた。
近場であるが魚料理を食べてゆっくり涼しい部屋で朝寝をしようと、パヤオのホテルを調べてみた。ネットでは1軒しか出てこない。ホテル検索ネットAgoda英語版でも3軒しか出てこない。一応県都なのだが、やはりパヤオに観光客は来ないのか。

国道1号線を右折してパヤオ市内に入る。1号線とパヤオ湖岸とバスターミナルの間が街になっている。それほど広い街ではない。車の通行量も極端に少ないので、バックやUターンを繰り返しながら街をめぐる。日本なら小都市でも他の車にクラクションを鳴らされ大騒ぎ、その前にお巡りさんに捕まってしまう。

パヤオ湖を見下ろす高級ホテルに泊まった。11階建て全108室、ダブルベッド・バストイレ付、1泊朝食付きで2500円。
湖のほとりのレストランで夕焼けを見ながらビール、肴はクンフォイ(川海老の唐揚げ)。値段は日本円で400円くらいか、こうして豪華な一夜がすぎていく。

写真は旅行中のスナップ。家から3番目が高級ホテル、下2枚は渡し船