チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

天皇陛下のこと

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天皇陛下のこと

■お田植え
タイでは米の3毛作ができるが、何処ででも可能というわけではない。灌漑設備がないため乾季には米作りができない土地もある。しかし、雨季になればタイ全土どこでも米作が可能になる。チェンライでは6月からが田植えの季節だ。乾季に植えた稲が刈り取られるそばで代搔きが始まっている。

女中のジンさんは5月末で女中をやめて自宅へ戻る。田植えが始まるからだ。10ライ(約1.6町歩)あるから大きな田植え機を使うのよ、などといっているところを見ると大農家のようだ。

ジンさんがカレンダーを見てこれは何か、と聞く。居間には日本から持ってきた皇室カレンダーがあり、5-6月は天皇陛下がお田植えをされている写真と皇后陛下が養蚕をされている写真が対になっている。

日本では天皇陛下が長靴姿でお田植え、お稲刈り取りをされる。収穫されたお米は神様に捧げられる。また皇后陛下もご給桑といって毎年蚕を飼われている、と説明すると、えらく感心している。

上つ方の人がその辺の農民と同じことをされる、ということはタイではまず考えられない。逆に自分も含めて、日本人にはタイをはじめ多くの国の常識である身分社会、階級社会というものが実感できない。

ウズベクでピケを張っていた農民の額を、副首相が警護役から借りた拳銃で打ち抜くという事件があった。もちろんお咎めなし。タイでも麻薬がらみという名目で山岳民族がいとも簡単に射殺されるが、撃った方が罪に問われることはまずない。身分が違うんだから仕方ないよね、とウズベク人やタイ人なら納得してしまうのであろうが、日本人にとっては不可解だ。

■先帝陛下から今上陛下へ
このところ、物憂く原稿を書く元気が出ない。原稿も手抜きをしているわけではないが、新聞やネット記事のコピペが多くなっている。書き手としては一生懸命頭をひねって書き上げたものより、安直なコピペ原稿の方が、読者数が多いことには複雑な気持があるが、自分の書くものはその程度なものだろう。

大半がコピペであるが、先日アップした「昭和天皇のご巡幸」の話はあちこちのブログで紹介されている。読むたびに胸が熱くなる。
昭和から平成の御代に移ってはいるが日本人の天皇陛下に対する敬愛の念は変わっていないと思う。今上天皇は先帝陛下からは名代として篤く信頼され「東宮ちゃんがいるから大丈夫」と手放しの賞賛を受けておられた。美智子さまが1958年に婚約記者会見で「ご誠実で、ご立派で、心からご信頼申し上げ、ご尊敬申し上げられるお方」と述べられたが、その通りのご性格なのだろう。

石原慎太郎東京都知事が、陛下に「東日本大震災のお見舞いには、他の皇族方を名代として派遣されてはいかがか」と奏上したところ、はっきりと「東北には私が行きます」と答えられたという。石原都知事は「天皇陛下の勇気」と題するエッセイの中で、大手術の直後、東日本犠牲者追悼式典に臨席された陛下を「陛下はその身の危うさを顧みることなく見事な君主として、そして見事な男として、その責を果たされた」と絶賛している

■タイ、バングラの人々を助けた陛下の仁慈
北タイでレストランに行くとプラニンという魚の煮物、焼き物、揚げ物が出てくる。市場でもスーパーでもどこにでも売っている体長30-40センチの淡水魚だ。
今上陛下は皇太子時代、昭和39年に訪問されたタイで、山岳民族の苗(ミャオ)族のタンパク質不足の問題をタイ国王からお聞きになり、魚類学者としてのご研究から、飼育の容易なティラピアという魚50尾を国王に贈られた。もともとアフリカ、中近東にいるスズキ科の魚だが、日本ではイズミダイ、チカダイという名前で養殖されていた。今は養殖の本物のタイが安価に手に入るので、ほとんど見かけない。

 この魚はタイ国内ではさかんに養殖され、国民の栄養状態改善に貢献するばかりでなく、1973年にはバングラデシュへの食料支援として50万尾も贈られたという。

ある日本人は、魚市場でタイ人から、「この魚は、日本のチャオ・ファー・チャイ(皇太子)が持ってきてくれたんだ」と聞かされたそうである。
自分の周りでもプラニンと陛下の関係を知るタイ人は少なくない。

ラニンの漢字名は「仁魚」という。華僑系市民がこの話に感動して、タイ語で魚を意味する「プラ」に陛下のお名前(明仁)をとって命名した由である。

天皇陛下は現在78歳のご高齢であるが、海外訪問を含め、日夜激務をこなされている。自分もこの年で怠けていては天皇陛下に申し訳がない。と言いながら今回も引用が多い原稿となった。


画像の両陛下の写真は皇室カレンダーより、魚はプラニンです