チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェンライの食卓

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チェンライの食卓

■日本米
時折、ブログを見ました、つきましてはちと、お話が伺いたく、という方が当地へ現れる。ブログを書いている以上、できるだけお目に掛り、介護の状況なり、こちらの生活についてあれこれお話しする。自分は人と会うことは嫌いではない。こちらもいろいろと刺激になる。せっかくチェンライまで来られたわけであるから、なんでも疑問に思った事を聞いて頂いて構わない。
ある若い方から「いつも、どんなものを食べているのですか」という質問を受けた。

こちらは日本米があるから、日本にいた時と同じようにご飯を食べている。日本の籾は原則的に輸出禁止である。だから日本米が自由に作付けされ、その辺で買えるというのもおかしなことである。日本から中古の精米機を買ったところ、機械の中に籾が残っていた、それを田んぼに蒔いてみたら日本米が採れた、という出来過ぎの話がある。しかしこれが本当の話だとしても、こちらで日本米を作っている人の話だと、日本米も2,3年連続して蒔くと、何処からかタイ米の花粉が飛んできて、日タイ混血のお米になってしまうとのこと、純粋の日本米を作るにはどうしても日本から持ち込まれた籾が必要、という。日本米を栽培するにはそれなりの苦労がいるようだ。
米の値段はタイ米であればキロ15バーツ位からある。日本米は山岳民族がキロ25バーツで売っているが、一般的にはキロ40から70バーツというところだろう。魚沼産のコシヒカリは1キロ1000円ほど、タイの日本米は1キロ100円から200円。まあ日本の一般銘柄米と比較すれば、タイの日本米の価格は日本の5分の1といったところだろうか。

■我が家の三食
我が家の朝は日本米で作ったお粥と決まっている。圧力鍋を使用するせいか美味しい。おかずは野菜、キノコ、豚肉の炒め物、味噌汁、漬物といったところ。味噌汁には豚のスペアリブが3本か4本入っている。朝からボリュームたっぷりの食事である。漬物は日本から持ってきたねじ式の漬物器で、白菜、大根、キャベツ、辛子菜、隼人瓜などを漬けている。このねじ式漬物器はウズベクでも重宝した。大ぶりの大根が手に入った時は、薄く切って塩だけでなく、砂糖や昆布ダシを加えて、京風の漬物にする。中々、塩加減が難しい。

昼食はおおむね自分で作る。日本蕎麦、もしくはラーメン、時にはスパゲティなど麺類が多い。蕎麦はタイ製の乾麺であるがなかなかいける。濃縮麺ツユもタイ製のものがある。
ママーと言われるインスタントラーメンはタイ人の食卓ではありふれたものだ。但し、強烈に辛く、日本人には向かない。ラーメンの生玉は何種類も売られている。500gで30バーツほど、1食分20円くらい。通常はこのラーメンの生玉を使う。ラーメンの命はスープである。鶏ガラを圧力鍋で煮だしたストックや、豚足の煮物や沖縄のラフテーを作る時にできるスープを冷凍にしてあるので、これを使用する。味噌味、醤油味、うちでラーメンを食べた友人が「やはり日本のラーメンはうまい」と言っていたが、醤油を始めすべてタイ製と聞いてびっくりしていた。

夜食はご飯、炒め物、味噌汁、漬物、朝とほぼ同じものがでる。豚耳や焼き鳥なども食卓に上る。そのままおかずにしてもいいが、やはりビールがあるとさらに美味しく感じる。以前は夕食後にテニスに行っていたので、基本的に飲まなかった。しかし考えてみればあと何年かしたら、飲みたくても飲めなくなる日が来るわけで、飲める時に飲もう、と考えを変えた。夕方、テニスを終えての一杯にささやかな幸せを感じる。

■タイと対照的なウズベク
ウズベクは今の季節、零下5度の世界、タシケントのバザールには玉葱、ジャガイモ、人参以外の野菜はないはずだ。それに引き換え、タイの市場はいつでも色とりどりの野菜や果物で溢れかえっているし、日本の食材も手に入る。一体、ウズで何を食べていたのか。
でも、ウズでは少ない食材を持ち寄って日本食らしきものを作り、SVや青年協力隊員を招いてよく食事会をした。大豆から豆腐を作る仲間もいた。発酵して酸っぱくなった漬物を「おばあちゃんちで食べた漬物みたい」と喜んでくれた看護隊員もいた。日本から送ってもらった「散らし寿司の素」はスグレモノで、錦糸卵さえ作ればあとはご飯に混ぜるだけ。食事に散らし寿司があればそれだけで皆、幸せな気分になったものだ。

南国の果物を食べながら、それはそれで楽しかったウズでの食卓を思い出す。人はいい思い出しか記憶に残らないのだろう。

写真はチェンライの市場の様子です