チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

魅力的な人々

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魅力的な人々

■邦人顔合わせ
1月のある日、チェンライ日本人会の新年会があった。メーコック川沿いの雲南料理のレストランに80名ほどの日本人およびその家族が集合。チェンライに暮らす日本人の中にもタイ料理がどうも苦手、という人はいる。その点、雲南料理は辛くないので、大多数の日本人の口に合う。会費は大人150Bであるが、ビールは各自現金払い、といっても持ち込み料金で1缶25B。多くの人に集まってもらえるよう、幹事が気を遣ってくれている
こちらで日本人同士、よく付き合うかというと、それほどでもないように思う。自分も新年会に集まったメンバーのうち顔と名前が一致する人は半数に満たない。

テーブルや席が離れていると、名前を知らない人には話しかけにくい。こんな場合、頼りになるのは勘である。この人はいい人みたい、と思った時、積極的話しかけてみる。こちらに来てどのくらいですか、お住まいは、といったあたりさわりのない話題から会話は始まるのであるが、少し話すと自分の勘はそれほど間違っていないことが分かる。話してみると楽しい人、自分とは違った人生を歩まれた人など、興味深い人が実に多い。


■メーサイの大金持ち
ウズにいた時、学生に、ベンチャーを興そうと思ったら、多くの人と積極的に交わるように、と教えた。仕事は一人でできるものではなく多くの人のバックアップが必要だし、最新の情報は本やネットではなく、人から聞くのが一番早い。それに実際に会って聞く人の話は本よりも面白い。
タイに来たおかげで、日本にいたら決して出会わなかったような人に何人も出会うことができた。

邦人ばかりでなく、友人を介して知り合った中国人Tさんも興味深い人物だ。年齢は50歳半ば。彼の両親ははだしで中国からタイのメーサイへ渡ってきたという。山岳民族同様に貧しく、苦労もしたのであろうが中国人特有の勤勉さで働き、子供を育てた。Tさんは両親のもとで商売をはじめ、日本、台湾で中華料理店を開くほど成功を収めた。横浜にしばらく住んだことがあるから、日本語も上手だ。中国語、タイ語、日本語のほかに数ヶ国語を操る。今は事実上引退生活に入っていて、メーサイ商店街に持つ貸店舗の家賃で暮らしている。その収入は半端ではなく、まず、メーサイでも指折りの富豪といっていいだろう。彼の趣味は人を自宅に呼んで御馳走することである。料理には自ら腕をふるう。皆が美味しいと言って楽しく過ごしてくれるのが好きらしい。12月はほぼ1日おきにパーティを開いていたそうだ。
彼の自宅はガラス張りの4階建て、シュールな建物である。驚くのは家ではなく、敷地の中にある動物園だ。以前は虎も飼っていたという。南国の珍しい鳥や小動物を見ることができる。

Tさんの宴会で出会ったドイツ人、オレック氏も面白い人だった。ルフトハンザの客室乗務員として25年勤務した。勤めた時から退職後の夢を実現すべく、貯金に励んだ。夢のために結婚もしなかった。48歳の時、会社を辞めて小型バスを買い、それに乗ってヨーロッパ中を放浪する。60を過ぎた今、どうして国境の街メーサイに住んでいるのかわからない。今度会ったときにもっと話を聞いてみたい。

■手に技術を持つ人が多い
Hさんはチェンライ市内から40分ほどメーコック川を遡った、ラフ族の村に暮らしている。彼は少数山岳民族支援のNGOでボランティアとして働いていたが、縁あってラフ族の女性と一緒になり、広大な屋敷に奥さんや奥さんの親戚と暮らしている。60代であるが奥さんは30前後と若い。タイに来て10年になる。
Hさんは小柄できびきびしていて、言うこともはっきりしている。実務的な人という印象だ。NGOでは建物の修理もしていたというから、もともとは技術者なのだろう。
チェンライにいる邦人は自動車の修理ができる、工作が得意で家具は自分で作る、日本語教師の免状を持っていて、子供に日本語を教えている、あるいはPCのことなら何でも知っているなど、人に抜きんでた技術を持ち、皆に頼りにされている人が多い。

その点、我々兄弟は何も人のためになる技術を何も持ち合わせていない。サラリーマンとして30年以上やってきたので、事務管理能力ぐらいは、と思うのであるが、兄はフライト予約の時、乗り継ぎ便の日時を間違って予約してしまうし、自分は自分で海外旅行に行くのにクレジットカードを忘れるなど、日常生活のマネージメントにも支障が出てきている体たらくだ。

日本人会の新年会でHさんからラフの正月に招かれた。実はその話を書くつもりだったが既にいつもの字数を超えてしまった。次回はラフ正月をご紹介したい。


画像は上から日本人会新年会、料理の「豚足」、下は中国人のTさん。