チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ロックコンサートに行く

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ロックコンサートに行く

■アサニー・ワサン
街中に黒ずくめのコスチューム、サングラス、エレキギターを持った二人組の立て看板が目立つようになった。タイを代表するロックバンド、アサニー・ワサンだ。このたびチェンライ公演があるらしい。正直言って、このデュオの存在を知らなかった。タイではもっとも有名なバンドのひとつらしい。花園珈琲のMさんを初め、邦人でもこのバンドを知っている人は多い。皆、コンサートに行きたい、という。女中のブアなど大興奮で、立てカンの前に車を停めさせ、案内の電話番号を書きとめている。

アサニー・ワサンはタイで20年も続くロックバンド、兄のアサニー、弟のワサンが歌う。タイのビリーバンバンみたいなものだろうか。ブアは200Bの入場カードを買ってきた。200Bというと彼女の日給に匹敵する額だ。1日に何度もそのカードを自分に見せる。よっぽど嬉しいらしい。そして、コンサートのとき家を空けるがすみません、と何度も頭を下げる。

ロックコンサートには全く興味なかったが、こちらチェンライでもアサヒビールを売っており、大瓶を3本買うとコンサートの無料入場カードが貰えることがわかった。入場カードもさることながら、日本のビールが飲めるとは嬉しい、早速買いに行った。日本と違って酒税が掛からないのでアサヒの辛口スーパードライの大瓶が1本55B(約150円)だった。

無料入場カードは有料カードと全く同じデザイン、これでコンサートに行けるもんね、と女中に見せるとブアとオイの目の色が変わった。2ヶ月に一度くらい、母と女中さん2名で半日ドライブに行く。30日24時間公休なしで働いている二人にせめてもの気晴らしの機会を、と思ってのことだ。しかし、ここしばらく母の調子が悪く、外出はしていない。日頃おとなしいオイが私も行きたいと言うし、この際、留守番を雇って、みんなでコンサートに行くことにした。

■飲酒OKの会場
当日は2人もうきうきしている。カードの裏には18:00,20:30という数字が書いてあったので、この間にコンサートがあるものだと思っていた。メーコック河の河川敷の会場に着いたのは5時過ぎだが、何か様子がおかしい。河川敷が大ビヤガーデンになっていて何百人もの人が飲んだり、食べたりしている。こちらのコンサートは飲み食いしながら聴くのかなあ、と思ったが、そのビヤガーデンの先にコンサート会場があった。ゲートがあり、そこに行列ができている。開門19時30分、コンサートの開始が20時30分だという。草地であるがしゃがんでいる人はほとんどいない。こうして2時間以上、立って開場を待った。ゲートの上には幕があって、ビデオ、酒類、そして拳銃の持ち込み禁止を絵で示している。酒類の持ち込み禁止であるにも拘らず、主催がシンハ・ビールであったせいか、会場に入ってみると生ビール売り場がそこらじゅうにある。

無料入場者はステージから70メートルくらい離れた柵のところから見る。200Bの入場者はステージ近くであるが、イス席ではなく皆、立ち見だ。舞台から右手はVIP席となっていて、ここにはテーブル、イスがあって、VIPの方々が飲み食いしていた。
無料エリアからステージは遠いが巨大ビデオスクリーンが前後に4つほどあり臨場感は十分、騒音苦情が出る心配がないのか、体にビリビリ来るような大音量だ。調子外れの歌を歌う前座歌手が30分、そしてスポンサーや県知事の挨拶があって、お目当てのアサニー・ワサンが現れたのは9時半近かった。

■なかなかの名演奏
観客数はサザンの茅ヶ崎野外ライブ、ウッドストック・フェスティバル並のすごさ、有料入場者に比べて、数の多い無料入場者のノリはいまひとつ。タイだなあ、と思うのは10時半を過ぎると、会場の熱気とは別に、ぞろぞろと帰る人が出始めることだ。また11時近くなって入場する人もいる。11時過ぎにさっきまでビールを売っていた生ビール売り場の兄ちゃん、姐ちゃんが一斉にビールを飲み始めたのには驚いた。まあ、明日になれば味は落ちるし、無駄になっても、といったところか。

兄のアサニーがボーカル、ステージを走り回ってアップテンポの曲を歌う。弟のワサンは丸顔、眼鏡の茫洋とした風貌で、間延びしたフォーク調の歌を得意とする。二人ともなかなか聞かせる。時には二人でエレキの掛け合いをやって観客を沸かせる。
なじみのないタイの曲ばかりだし、6時間も立ちっぱなしだし、11時半にコンサートが終了したときは、よかった、終わって本当によかった、と脱力。

自分は疲れ果てたが、その後、女中さん二人は機嫌よく働いている。

画像一番上はチッケット、中はプアさん。