チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ロックコンサート再び

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ロックコンサート再び

■5年ぶりの公演
ジアップ先生から珍しくメールが来た。アサニー・ワサンのライブが3月末にチェンライで開かれるという。アサニー・ワサンはタイを代表するロックフォークデュオ。5年前のチェンライ公演に行ったことがある。その後、このデュオを時々聞くようになった。歌詞をジアップ先生にプリントしてもらい、授業で使ったこともある。先生は自分がアサニー・ワサンのファンであることを知っている。だからチケットが売切れになる、と心配していち早く教えてくれたわけだ。

アサニー・ワサンは、日本でいったら覚醒剤事件前のチャゲアス、40年前のビリーバンバンみたいなものか。タイの有名歌手を3人挙げるとすれば、カラバオ、バード・トンチャイと並んでアサニー・ワサンが入る。ただ、3人ともデビュー以来30年以上たっているから、北島三郎並みの大御所で若い人にはそれほど人気がないともいう。

■チケットは1枚100B
ブアさんにパソコンのライブ情報を見せたら、顔色が変わった。彼女はアサニー・ワサンの大ファン、5年前、自分は無料の場外から遠くステージを眺めたが、ブアさんは大枚200Bをはたいて立見席最前列で声援を送っていた。折に触れて、アサニー・ワサンがチェンライに来ないかな、と言っていたので、ブアさんの興奮は予想できた。すぐに問い合わせの電話をし、チケット購入方法を聞く。セブンイレブンに代金を払い、後日チケットを受け取る仕組み。1枚100Bとのこと。
兄もニイさんも行くというので4枚チケットを手配した。公演当日はブアさんの村から、ランさんがアルバイトで来て母の面倒をみてくれるという。こういった差配はすべてブアさん主導でスムースに進んでいく。数日後、手にしたチケットの裏を読んでみたら、入場定員は何と2万人、来場者多数の場合は入場をお断りすることがあります、と書いてある。それで兄が俺は行かない、と言いだした。ニイさんも本当は行きたいのだが、連れ合いがやきもちを焼くので行けなくなったという。代わりにランさんの孫娘で13歳になるジェムちゃんが参加。

■かぶりつき
コンサート会場はチェンライ市内から車で30分のシンハ・パーク。タイの財閥シンハ・ビールの農場だ。広さは1300ヘクタールほどあるらしい。後楽園球場300個分だ。これくらい広ければどんなに大音響のロックを流してもどこからも苦情は来ないだろう。

シンハ・パークに到着したのは17時頃、誘導されるままに野外大駐車場へ。駐車場からコンサート会場へは30台以上のソンテウ、バスがピストン輸送する。ソンテウは茶畑、イチゴ畑を通りながら会場へと向かう。距離は3―4キロはある。会場はフェンスで囲まれた有料エリアがあり、その外側が巨大野外ビヤガーデンと化している。まだ明るいのにタワーという3リットル入り生ビール容器がテーブルに林立している。ここは無料席、屋台で仕入れた料理をつまみ、ビールを飲みながらコンサートが楽しめる。

21時開演ということだがブアさんの指示でフェンス入口に18時半から並んだ。ずっと立っているので腰が痛くなった。ゲートが開くとみんな我先にかぶりつきの場所に走る。タイ人でも走る時は走る。ステージを仰ぎ見る最前列の場所を確保した。あっという間にフェンス内は立錐の余地もない人で一杯になった。

疲労困憊
前座歌手が30分ほど歌い、そのあとタイ国歌斉唱があって、21時過ぎにアサニー・ワサンが歓呼の声に迎えられて登場。ステージ前はブアさんのような熱狂的ファンばかりだから、演奏が始まると体を揺すり、声の限りに唱和する。これだけ楽しんで100Bは安すぎるのではないか。
DVDでなじんだ曲が次々に演奏されるのだが、大音量のため、却って音楽が聞こえない。兄のアサニ―が1955年生まれ、弟のワサンが1957年生まれというから、60歳と58歳だ。年寄りと思うが、当年59歳のサザンの桑田佳祐クンと同年代。
ウッチャンこと内村光良によく似たアサンは、ステージを軽やかに走って、豆まきのようにギターピックをばら撒く。これは公演のウリだが、ピックを拾おうと群集が殺到して危険。1枚はブアさんが確保してくれた。

帰宅の電車を心配する人は皆無だから、コンサートは12時まで続いた。公演終了後に問題発生。観客を会場から駐車場に運ぶソンテウ、バスのキャパが足りない。1台に30人、40台として1回に運べる人数は1200人、往復に10分はかかるから1万人以上の客を運ぶには2時間かかる。仕方ないので月明かりを頼りに駐車場まで凸凹道を50分かけて歩いた。結局、家に着いたのは午前2時に近かった。




写真はブアさんとジェムちゃん、座って開演を待つ人々、アサニーとワサン、入場券とピック