チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チャン島

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チャン島

■タイ湾に浮かぶ自然の島
チャン島の「チャン」はタイ語で「象」の意味だ。島の形が象に似ているというが、丸っこくて自分には巨大ミジンコのように思える。この辺りチャン島を中心に大小52の島からなる国立公園となっている。場所柄、開発が遅れていて、その分、マングローブ林や野生動物の生息する山、ポリ瓶の打ち寄せてこない白浜など手付かずの自然が残されている。まだ島を一周する道路はない。タイ最後のビーチ・リゾートとも言われる。ある旅行社の資料によると、日本からのお勧めスケジュールというのが、全旅程5日間でチャン島滞在はわずか2日だけである。これでは直行便の飛んでいるプーケットにみんな行ってしまう。どちらかと言うとタイ人に人気のスポットらしい。

雨期の土砂降りに気勢をそがれてしまったが、それでも昼過ぎには日が射してきた。泊まりはサイカオ・ビーチ(ホワイト・サンド・ビーチ)に面したアリーナ・リゾート。港の土産店で予約したのだが、「地球の歩き方」にも出ている評判のホテルらしい。通常1000Bのところローシーズンというので一泊朝食付き750B。島には一泊数千バーツの高級ホテルもあるが、こんな天気じゃなあ、と言い訳して、安いホテルにしてしまう自分が少し情けない。

■観光客はまばら
チャン島のサイカオ・ビーチはプーケットで言えばパトン・ビーチに匹敵するメインのビーチ。海辺の道の両側には土産物店、シーフード・レストラン、コンビニ、ショットバーが立ち並び、タイ人の家族連れ、現地女性を伴ったファランで溢れかえっている、とガイドブックには出ていた。
ところがどうだ。道行く観光客はまばら、レストランもシャッターを下ろしているところが多い。考えてみれば、つい一月前まで、バンコク反政府運動のドンパチをやっていて、未だにタイ各地に「非常事態宣言」が出されているさなかだ。観光客がいないのは仕方がない。お客が少ないから、レストランの氷ケースに入った魚介類の数も少なく、値段も高め。まあリゾートに海の魚を食べにきたのだから、とあきらめる。

バス旅行の疲れを取るために南の島の海辺でのんびりと思っていたのだが、貧乏性なのであろう、チャン島での4日間、レンタルバイクで島中を乗り回し、また4島巡りの1日クルーズに参加したりと、余り骨休めにはならなかった。何キロも白砂が続くサイカオ・ビーチには遊泳客は見あたらず、貸しデッキチェアーさえない。いくら美しい浜でも誰もいない浜というものは不気味である。波打ち際で倒れても誰にも気づいてもらえない。バイクであちこちのビーチを回ったがどこも人影は見当たらず、ただ静かに波が打ち寄せるだけ。結局、海辺まで10mの部屋に泊まりながら、海水浴はせず。

■川の中の自然のプール
それでも4日の滞在中3日は水に浸かっている。一回は珊瑚礁の島巡り、プーケット、サメット、ランタなどアイランドリゾートでは定番のツアーだ。ホテルの送り迎え、昼食つきで400Bほど。透明度抜群の美しい珊瑚礁シュノーケリングを楽しむ。疲れているから海に入るのは、と思っていたが4つの島に着くたびに足ひれをつけてサンゴ礁の魚と泳いでしまった。このツアーには40人ほどの客がいたが、タイ人のグループが大半、それに10名ほどのロシア人グループ、あとは現地女性とファランカップルがいくつか。ロシア人がよく来るのだろう、街にはロシア語で薬と書いた看板(画像下)があり、ウズベクを思い出して懐かしかった。

チャン島は中央部が山になっていて、山からいくつもの川が海に向かって流れている。どれも鮎が住んでいます、といわれても驚かないような清流ばかりである。島の南側、サラベット湾を過ぎたあたりに、山から流れてきた水が海に注ぐ前に半径10mくらいのプールとなっているところがあった。水は澄み切っていて、深いところで2mくらい、水面に覆いかぶさる大木から太いロープが下がっている。現地の少年たちがターザンのように揺れるロープから水に飛び込んでいる。(画像)
バイクを停めて、水に入る、それほど冷たくはない。底には山からの落ち葉、水平方向に目を向けると10センチほどの淡水魚が遊弋している。実に気分がいい。子供たちがいなくなったあとも、岸によじ登ってはロープに取り付いて川中央に勢いよく飛び込むことを繰り返した。泳いだあと海水と違ってシャワーを浴びる必要がない。チャン島一番のお気に入りはこの自然のプールだった。でもこんなことばかりしていたので、夜はビール一杯で眠くなってしまい、ワールド・カップ・サッカーで日本が番狂わせで快勝を収めた試合を見逃してしまった。