チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

トラートからチャン島へ

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トラートからチャン島へ

■旅はまだ続く
カンボジアに旅行したのは6月、4ヶ月も前のことになる。この旅行記を10本以上書いたが、カンボジアからやっとタイに再入国したところまでで中断している。

ある日、アンコールワットに行こうと思いついて、夕方にチェンライを出立、800キロ走って翌朝5時にバンコクのモーチットバスターミナル到着。そのままターミナルからカンボジア国境のアランヤプラテートまで300キロ、国境からその日の夕方にシェムリアップに到着。
2日目日と3日目はシェムリアップ泊。実質1日だったがアンコールワットにはいたく感激。4日目はプノンペンへ行き、友人夫婦と夕食を共にした。5日目の朝にはプノンペンから海辺の国境コーコンへと向かい、タイ国境ハート・レークからその日の夕刻にタイのトラート到着、というところまで書いた。こうして旅程を書いてみるとアンコールワットを見た1日を別にすればバスにずっと乗り続けだ。バスは窓の外の風景や車内の人々、また時折停車する休憩所の様子など、興味深いことや考えさせられることが多いのであるが、5日間で2000キロも走るとさすがに疲れる。

この旅行の目的はもちろんアンコールワット見物であったが、都合がつけばプノンペンの友人を訪問、それから、タイの小島でゆっくりとビーチリゾート気分を味わうということにあった。3つのうち、2つは完了、3つ目の美しい浜辺でゆったりと新鮮なシーフードを満喫、という最終目的を残すだけとなった。

コセコセとバス移動の連続で、泊まる所といったら一泊15ドル程度のゲストハウス、このような旅行をしていると、たまにはババーンと、といった気分になる。あなた、お金は墓場まで持っていけないんだよ、という友人の言葉を思い出す。確かに倹約するのが人生の目的ではない。

■トラートの食堂で
トラートはカンボジアと長く国境を接するトラート県の県都カンボジアやタイ湾に浮かぶチャン島の中継点として多くの旅人が訪れる。夕方に着き、翌朝にはチャン島行きのミニバスに乗ってしまったので街の印象は薄い。ただ、夕食のために訪れた市場とその周辺の食堂街は面白い。青空食堂のケースを覗いてみたらナマズの薄切りが並んでいる。新鮮で美味しそうだ。これを野菜炒めにしてもらう。近くの酒屋で調達したビールを飲みながら、出来上がりを待つ。店にはどういうわけかビールがない。野菜は高熱、短時間で処理されているのか歯ざわりが抜群、ナマズの薄切りは骨まで食べられるほど油でよく揚げてある。追加ビールを買いに酒屋に走る。この旅行で食べた料理のうち、最も美味しい料理の一つだった。
これといって見どころのない街でも、タイには必ず、おー、旨い、といった料理を出す店があるように思う。さらに材料を見てこれをこういうふうに料理して、と言えるようになれば食の楽しみは倍加する。メニューになくても料理の仕方に注文をつけるのはタイでは一般的である。日本を訪問したタイ人が怒り狂うのは、日本のタイ料理店で、「こう料理して」と頼んでもメニューにないからできないと拒否されたときであるという。

■チャン島に渡る
カンボジア国境近くに浮かぶチャン島はプーケット島に次いでタイで2番目に大きい島だ。タイのアイランドリゾートというとプーケット島、ピーピー島、サムイ島、タオ島サメット島など数々あるが、チャン島は、もうひとつぱっとしない。空港はなく、トラートからバスで1時間、そこからフェリーで40分という不便さが好まれないのかもしれない。
ゲストハウスからフェリー埠頭までのバスに乗ったのは、英国人と自分の2名だけ、フェリー乗り場も閑散としている。丁度雨季とあって、空はどんよりとして海は鉛色だ。日本の中古船のフェリーボートはピックアップトラックや乗用車を収容スペースの半分ほど載せて出航した。乗客は地元の人が多く、観光客らしい華やかな感じの人は少ない。チャン島のアオ・サッパロットの船着場に着いたころ、轟然と雨が降り始めた。島の中央には山がそびえているが山の頂上は低い雲に覆われて見えない。船着場には食堂とお土産店が2つ3つ、寂しい限り。船が着いたとき、ちょっと賑わっていた埠頭は10分もしないうちに誰もいなくなった。英国人は高級ホテル差し回しの車でいなくなり、自分ひとりが土産店で雨宿り。雨は降り止まずバスは来ない。燦々と降り注ぐ陽光のもと、デッキチェアーで波音を、という夢は雲散霧消した。さて今日から4日、どこに泊まろうか。

画像は閑散としたフェリー乗り場