チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

サッカー応援

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サッカー応援

■選手も楽じゃない
まさか、タイにまで来てサッカーのサポーターになるとは思っても見なかった。ひょんなことから地元のサッカーチーム、チェンライ・ユナイテッドに小川君(一番上の写真)という24歳の若者が所属していることを知った。言葉も通じないタイのチームに、この7月に入り、全試合にMFとしてフル出場している。健気(けなげ)である。大体、タイにいる日本の若者といえばフラフラしているバックパッカーが多い。その中にあって、はっきりとした目標を持ち、そのために精進している小川君の存在は、未だにフラフラしているオジサンを元気付けてくれる。
タイであっても名だたるサッカーチームに登録されているわけだから、それなりの報酬と待遇を得ているだろう、と思われるかもしれないが、そうでもないらしい。
今、チェンライ・ユナイテッドはプレミアリーグの下の1部リーグ(16チーム)で戦っている。1部リーグの中には選手に給料が出たり、出なかったりするチームもある。小川君の話ではチェンライ・ユナイテッドはちゃんと給料が出るからそれだけでもいいです、とのこと。
小川君たち外人選手には特別に自家用車が貸与されているが、乗用車ではなく、110ccのバイクである。体の大きなブラジル人選手が市営サッカー場に、バタバタとバイクで乗りつけてきたのを見たときにはビックリしたものだ。
アウェーで試合をするとき、チェンライからバスで移動する。バンコクであれば12,3時間掛かる。先日、バンコクから急遽、飛行機でチェンライに戻ることになったが、小川君はどーせバスだし、と思っていたのでパスポートを持っていなかった。詳細は省くが、搭乗カウンターのお姉さんに三拝九拝して、「もう今回だけですからね」ということで乗せてもらえたそうだ。ルールはルールとして何かと融通の聞くタイは実に住みやすい。

■リーグ1位のシラチャを撃破
さて9月のホームの試合でノンタブリ県のラジプラチャを2-0で下したあと、アウェーで2戦、1勝1分の成績でチェンライに戻ってきた。10月3日のホームでの対戦相手はリーグでダントツ1位のシラチャ。意気あがるシラチャ応援団を満載した長距離バスが次々とチェンライ市営サッカー場に横付けされる。この時点でチェンライ・ユナイテッドはリーグ7位、この試合に負けると、チェンライのプレミア昇格は難しくなる。シラチャはさすがに1位のチームだけあって、パス回しが早く、ボールを奪っての展開が実にスピーディだ。何とか前半は0-0で凌いだ。後半に入ってチェンライがPKで1点先取、結局これが決勝点となり、貴重な勝利を収めることができた。数名の日本人会応援団は日章旗を打ち振って大喜び、シラチャの大応援団は肩を落として12時間のバス帰還と相成った次第。試合自体はフェアに行われたが、PK判定に不服だったシラチャ応援団の1人が試合終了後、審判に掴みかかろうとして取り押さえられていた。こちらの審判団が退場するときには必ず警官に囲まれている。なかなか危険な仕事ではある。
この日も仲間に小川君から「スカッとした勝ち方ができずすみませんでした」という電話があった。

■ホーム最終戦を勝利で飾る
10月10日、チェンライ・ユナイテッドのホームでの最終試合、前週にリーグ1位のチームを下したとあって市営サッカー場は超満員、この日の対戦相手はスパンブリ県のチーム、格下ではあるが油断はできない。プレミアに上がるにはもう1戦も落とせないのだ。スパンブリチームには三木君という日本人選手がいるから合わせて応援よろしくお願いしますと、小川君から頼まれていた。

試合は開始5分に、小川君が右サイドから鮮やかなミドルシュートを決めてくれた。大観衆がどよめく。オガワ、オガワの大コール。チェンライはさらに2点を追加し、3-0で前半を終了した。後半はスパンブリにボールを多く支配される展開だったが、一瞬のチャンスを逃さず、チェンライの人気選手、ガーナ人のエドが4点目のゴール、結局、4-0で試合終了。
試合後、小川君と三木君がフェンスを越えて我々日本人応援団の前に来てくれた。三木君も「応援有難うございました」と礼儀正しい挨拶。おお、日本の若者はがんばっているではないかとおじさんはすぐ嬉しくなった。
チェンライは現在4位、「残り2試合、必ず勝ってプレミア・リーグに行きます。応援よろしくお願いします」と小川君から電話があった。チェンライ・ユナイテッドのプレミア昇格と小川君の契約延長を心から祈りたい。