チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

English with tears

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

English with tears

タイ語はAUAという学校で習っている。AUAはアメリカン・ユニバーシティ・アルムニイの略で、文字通りアメリカ大学同窓会が運営している語学センターである。本部はバンコクにあるらしい。チェンライのAUAには米国人、カナダ人など数人のネイティブの教師がいて市内の中高校生に英語を教えている。タイでは3月中旬から5月中旬までが夏休みである。この時期、AUAでは英語の夏期講習を行っており、教室は子供たちで一杯だ。というわけで基本的にAUAは英語塾であるが、タイ語も英語で教えてくれる。タイ語クラスの生徒はファランが多い。

タイ語を習う前にいくつか学校を下見したのだが、先生が女性できれいな人だったのでここに決めた。英語で教える、というところがちょっと引っかかったが、タイ語の手ほどきであるから、それほど難しい英語は使わないだろう。結果はまさにその通りであって、英語のせいでタイ語がわからないということはなかった。個人教授であるから、わからなければ何度でも聞きなおせるし、使われる単語は中学生英語レベルだ。

こちらで知り合った日本人に、タイ語を英語で習っているんですか、中西さんは英語ができるからいいですねー、とよく言われる。正直にいうとそれほど英語はできない。ウズベクでは曲がりなりにも英語で授業をしていたわけだから、いや、そんなにできないです、というと相手が変に思うような気がするので黙っている。家のテレビは日本語放送が入らないので、仕方なくNHKの英語ニュースを見ているが全部理解できるわけではない。もどかしいので、インターネットで新聞記事を読み、ああ、こういう内容だったのかと確認することも再々だ。

高校のとき赤点という落第点があった。年間にわたって評価10点満点中4点以下(赤点)の科目が2科目以上あると落第か転校を余儀なくされる。高校2年の2学期に数学と英語の2科目が赤点になってしまった。年間で何とか5点となったので助かったが、その頃から英語はだめだった。今のように一芸入試とか、国語と社会だけで受験できる大学などなかったから大学入試でも苦労した。

化学会社に入って英語とは縁が切れたと喜んでいたが、イランと日本企業5社の合弁会社に出向になった。26歳のときだ。職場には英文をさらさらと書き出して、それをタイプすれば英文契約書が一丁仕上がる、などという自分から見れば魔法使いみたいな英語使いがごろごろいた。元ニューヨーク駐在員だった上司に英文のレター作成を命じられた。「中西君、これはひどいよ」と上司もあきれていた。それでも仕事だ。毎日英文に付き合っていると、ちゃんと意味がわかってくる。会社とはありがたいものだ。

そうこうしているうちに、管理職になり、40歳の時には「貿易課長」という肩書きになっていた。その頃から「TOEIC」という英語能力検定テストが流行り始めた。TOEICで600点以上取らないと管理職にしないという会社も現れる始末。自分の勤務する会社でも大卒社員は全員受験が義務付けられた。英語と関係ない部署の人にとっては苦痛だったと思う。英語で劣等生だった人間でも、こうやれば貿易課長が務まる程度の英語力は身につくよ、という一文を書いて社内報に載せてもらった。自分もトシだし、若い人を励ましたかったからである。この記事が雑誌社の目に留まり、上前淳一郎氏のリライトによって週刊文春に掲載された。英語で落第しかけた男が、人の助けで英語が上達し、今では、という話になっていた。あの頃から、人のご好意にすがって生きていたようだ。

メーカーのビジネス英語は「納期」、「数量」、「価格」、つまり数字を英語で言えれば充分。それに多少TOEICで高い点数が取れても、それは団塊世代特有の受験技術の巧さ故であって英語能力とはあまり関係なかったように思う。

その後出向になり、各国の戦略研究所の研究者や大学教授とアジアの将来を討議したり、国際会議のパネリストをやったりした。このように書くとまるで英語が自在のように見えるが左にあらず。仕事だったので仕方なく、というのが実情だ。本番に備えて一生懸命勉強した。ラクではなかった。標題の「English with tears」は涙なしでは語れない英語、位の意味だ。高校時代から数えて英語に関しては泣きたくなること、恥ずかしいことばかりだった。58歳で退職するまでNHKの英語教材を買ってテープも聞いていた。

今、タイに暮らして、もう英語を勉強しなくてもいいんだなあ、と思うと、しみじみ幸せな気持ちになる。

画像は市場で撮影。野菜は一束5バーツ(約15円), ふかし芋は一山10B、毎度お馴染みの虫達は以前と変わらず一皿20Bです。鳥の足はいくらか聞き忘れました。このところチェンライは38,9度の猛暑です。