チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

オートバイ

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オートバイ

車が普及してきたといってもチェンライではまだバイクが主流である。日本では50ccから750ccを越えるさまざまなタイプのオートバイが走っているが、タイでは9割以上のバイクが排気量110cc前後の中型バイクだ。自分もホンダの110ccのバイクを買った。新車で4万バーツ(11万円)だったと思う。維持費はガソリンと4千キロ毎のオイル交換100バーツだけ。保険も税金もほとんどかからなかった。最近のバイクのエンジンは進歩していて、リッターあたり70キロくらい走る。またエンジンの馬力も排気量の割には強く、急勾配の山道でもエンジン停止などという情けない事態になることはない。30年以上前の昔、日本で350ccのバイクに乗っていたが、タイの110ccバイクの方がずっと頼もしい。

目は霞み、反射神経は衰えたとは思うが、テニスラケットを入れたリュックを背負い、髪を風に靡かせてバイクで疾走すると、すっかり年を忘れてしまう。タイでもヘルメット着用が義務付けられているが、着用率は市内で50%、郊外に行けば20%くらいに落ちる。ヘルメット無しでバイクに乗ると確かに気分がいい。乾季に入り、バイクに乗っていたら突然スコールに見舞われ、、ずぶぬれになる、ということはまずない。ツーリングには最高の季節だ。

日本でバイクに乗るのは男性が大半だと思うが、こちらは女子高生も女友達を乗せて登下校している。時には女子高生3人が一台のバイクに乗ってはしゃいでいるが、それはそれでほほえましい。3人乗りバイクはごく普通に見られる。更には1家族4人、時には背中に赤ん坊をくくりつけて、5人乗りのバイクを見たこともある。ぶつかったら一家全滅だなあ、と心配になる。

バイクは右手でエンジンの回転数を上げたり、前ブレーキをかけたりするが、左手は特に運転に必要な動作は行なわない。急ブレーキをかけたとき、両手を突っ張って前に投げ出されるのを防ぐくらいだ。だから、タイの人はバイクに乗っている時、左手は自由に使っていいと考えているみたいだ。雨の時は左手で傘を差しながら運転している。晴れていれば日傘を差して、また携帯をかけながら、とうもろこしを齧りながら運転している。日傘をもたない女性は日に焼けるのを防ぐため、左の手のひらや書類で日差しをさえぎりながらバイクを飛ばす。そんなことするんだったら、ひさし付きの、あるいはフルフェイスのヘルメットを被ればいいのに、と思うのだが黒髪が風に靡くのが美人の条件、ヘルメットはダサいと思っているのであろう。

現在のように乾季で気温が20度を下回るような朝は、左手は上着のポケットに突っ込んだままバイクを走らせる。理由は手が冷たくなる、これ以外には考えられない。

バイクで印象に残ることはまだある。ガソリンスタンドだ。バイクにガソリンを入れるとき、こちらの人は店員に40バーツ、とか60バーツと告げてその金額だけガソリンを入れてもらうのが普通だ。満タンのことを「テェムタン(テェは満杯、タンはタンクの意味)」という。テェムタンと頼むと、満タンに近いところでキリのいい金額、つまり60バーツとか80バーツ分のガソリンを入れる。細かいお釣りを出すのが面倒なのだろう。ある時、ティムタンと頼んだらGS のお兄ちゃんは、金額の目盛りがキリのいい数字になるように給油機ばかり見ていたため、バイクのタンクからガソリンが溢れ出してしまった。

オイ、オイ、オイ、というとタンクをちらりと見て、オートバイを揺すれ、という動作をする。どうしても60バーツ分入れたいらしい。バイクを揺すって、ガソリンを入れる隙間を作ったが、60バーツ分になる前に、再びタンクからガソリンが溢れた。タンクからガソリンが溢れ出そうとも、自ら決めた金額のガソリンを注入するという不可解な店員の行動は、その後何度か経験した。

タイでバイクを乗り回すにあたって知っておかなければならないタイの慣習はまだまだたくさんあるのだろう。