チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

愛国心

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愛国心

文章を簡潔にまとめる力がないものだから、クンユアムのタイ日友好記念館のレポートをだらだらと10本以上書いてしまった。そういえばサマルカンドで行なわれた友人の結婚式のことも10本ほど書いている。海外の珍しい結婚式のことであれば、その内容に反発する人は余りいないと思う。しかしクンユアムシリーズのように自分の思想、信条が垣間見えてしまうレポートは人によってはカチンと来るだろう。

自分としては、日本人は毅然としてありたい、また、子供や孫の世代が外人に軽んじられないようにしたいと思うのだが、世の中にはいろいろな人がいる。元知り合いで、退職後、中国の大学に語学留学し、「日本は戦争中、中国の皆さんにご迷惑をかけた、申し訳ありません」と謝り続けた人がいる。「あなたは日本人としては歴史に理解がある」と中国人学生に褒められたと喜んでいた。知り合いの前に「元」をつけているのは、その自慢話を聞いて以来、この人に会いたくないし、会うつもりもないからだ。

こちらで出会うロングステイヤーの90%は民主党と鳩山さんに不信感を持っている。沖縄米軍基地を巡る閣内意見の不一致、国債に関する整合性のなさ、「子供、孫の世代に借金を残す赤字国債を止めたいんです。止めようじゃありませんか」と選挙中、鳩山さんは絶叫していたように思う。赤字国債の増発が不可避となった今、前政権の国債は悪い国債民主党国債はいい国債という説明はどうしても理解できない。そういったことをマスコミはほとんど批判しない。テレビの視聴時間数と民主党支持率の間には高い相関関係があるという。日本のテレビは民主党支持である。チェンライの日本人は余りテレビを見ないから自民支持になるのだろうか。

外国で暮せば周りは当然のことながら外国人ばかり、いやでも自分が日本人であることを意識してしまう。先人に感謝し、年金を下さる日本国にも感謝する気が起きる。それだけに日本はこれからどうなるか、などという話題が宴席にものぼる。チェンライの邦人は、根は愛国者で結構真面目な人が多いのだ。

実は鳩山さんの説く「友愛」や「東アジア共同体」の危うさを批判するレポートを書いたのだが、タイの片田舎で一人悲憤慷慨していても仕方ないと思ってボツにした。大体、日本国民の選択で現政権があるわけだから、こんなレポートは大多数の人を不快にする。

友人のメールによると10月22日の報道ステーションで、これからのアジアの基軸通貨人民元、という特集をやっていたそうだ。友人は憤慨していたが、歴史を振り返ると、日本は中国の属国、基軸通貨は中国のおカネという時代があった。室町幕府第三代将軍足利義満は、当時の明に臣下の礼をとって朝貢貿易を行ない、永楽通宝で知られる明銭を大量に流通させていた。為政者の意識が600年前に逆戻りしたと思えば納得・・・・・できない。

中国が何億もの極貧層を抱えながら、どうして軍備を増強し、覇権を求めるのだろうと不思議だった。ある本で、歴史的に中国は覇権国であった時代が長く、それが中国の常態だったからだ、という解説を読み、なるほどと思った。中国から見たらここ150年くらいの歴史が異常であって、中国が覇権を持っていない世界はおかしいということになるらしい。

東アジア共同体」に対して中国は「アセアン+1」と言い出した。1はもちろん中国である。
アジアは中国を盟主とせよ、の動きはこれから活発化してくるのだろう。経済、文化、あらゆる機会を捉えて中国はアジアに影響力を強めている。タイにおいても何百人ものタイ人中国語教師がアゴアシつきで中国に留学させてもらい、同時に中国から中国語教師をタイへ相当数送り込んでいる。すべてこれは中国の国策として行なわれている。

そもそもアセアンはアジアの共産化阻止を目的に設立された。中国が軍事的、経済的、政治的に強大になることは決して好ましいことではない、カウンターパワーとして日本はもう少し頑張ってちょうだいよ、というのがアセアン諸国のホンネだと思う。しかし今の民主党政権にその期待に応えるだけの気概があるのかどうか・・・・

今回も人によってはカチンと来ることを書いてしまった。気を悪くした方がいましたらごめんなさい。

画像はチェンライの市場