チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェンライ自動車事情

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チェンライ自動車事情

チェンライに来て2日目に車を買った。家の近くに住む邦人と一緒に市内にあるホンダの代理店へ。
この世界不況というのに、すぐ納車できるのは展示中の黒の乗用車一台だけ、色違いであれば2ヶ月お待ち頂きます、とのこと。シティのSV-AT といってホンダがアジアカーとして開発した1500ccの4ドアセダンである。日本の車のディーラーであれば、お客に愛想がいいのが当たり前だが、こちらはニコリともせず、価格表を提示し、この値段という。値引きは一切なし。即時回答、イエスか、ノーか。

家は市の中央から数キロ離れたところにある。車がなければ、買い物、病院通い、不便極まりない。選択の余地はなく、その場で用意してきた札束をドサドサと並べ、ついでに一番高い保険に入る。展示車ですので、一応メカチェックをして2時間後にご自宅にお持ちします、とのこと、普通はその場で乗って帰れるらしい。ガソリン代は含まれていないというので燃料代として500バーツを別途渡す。日本だったらガソリン満タンでの納車は常識であるが、ここは日本ではない。
新車だからナンバープレートが当然のことながら付いていない。陸運局にこれから手続きに行きます、2週間位したら、ナンバープレートが貰えるから、それまではこのまま乗っていて下さい、という。同行してくれた邦人も、新車の場合はプレートなしでも大丈夫、警察も絶対取り締まりません、と頷く。逆に、ホレホレ、俺の乗っているのは新車だもんねー、という自慢になるので、新車を買ったら1月くらいはナンバーなしで走るのがこちらの常識だというのだ。確かにナンバーを貰うまでの2週間、検問の警察官にも停められることなく、チェンライ近郊を1300キロ以上走り回ったが、なんとも居心地の悪い思いをしたものだ。

支払い完了後、2時間で納車されたが、刷毛やシートカバーなど、カー用品のサービスは一切なし。車のマニュアルはタイ語で書かれていて全然分からない。速度計の横にあるデジタル時計が4分狂っていたのだが、マニュアルが読めないので直せない。いろいろ新しい機能が付いているようだが使いこなせない。それでもタイで手に入れた携帯電話より単純であるので、まず運転には支障がない。段々慣れていくだろう。

燃料は91というガソリンを入れるようにと言われた。91はリッター27バーツ、他に95というガソリンが22バーツほどだ。高い91が日本でいうプレミアム・ガソリン(ハイオク)で、95がレギュラーガソリンかと思ったら、91がレギュラーだという。91,95という数字はオクタン価を示すのだろう。レギュラーの価格がハイオクより高く、時には軽油価格がガソリン価格より高いということには、どうも納得いかないが、ここは日本ではない。

道路は幹線、支線を問わず、綺麗に舗装され、道標は英文併記で分かりやすい。自動車の数が少ないから100キロ走行は普通。高速道路並だが、料金はかからない。Uターンがいたるところで出来るが、Uターン禁止場所でもOK。何でもありですから、とこちらの邦人は言うが、注意しなければならないのは、道路を逆走してくるバイク、それから酔っ払い運転だ。ある邦人宅で祝い事があり、泥酔し、歩くのも覚束ない警官がバイクで帰ったという。夜、蛇行しているバイクは概ね、酔っ払い運転だという。

バイクはヘルメット着用が義務付けられているが、着用している人は半分以下。時には3人乗りどころか4人もバイクにまたがっている。バイクの免許は16歳からであるが、絶対小学生、という子供がバンバン飛ばしている。バックミラーが付いていないバイクも多い。何度も転がっているうちに取れてしまったのだろう。交通事故で相手が死んでしまった場合、最高額で30万バーツ、通常は一人5万バーツで話が付く。命の値段が車より安いことに納得いかないが、ここは日本ではない。

なお、酔っ払い運転、無免許運転、スピード違反の取締りがほとんど無いことに加え、チェンライ市内はもちろん、どこでも駐車違反の取締りが無い。知らないお店の前に駐車しても文句は言われない。築地でちょっとバイクを離れた隙に、警察に持っていかれ、1万5千円の罰金を支払った経験を持つ身としては、ここが日本でなくて本当によかった、と思っている。