センタン・フェスティバル、4階建て
かつや
黒トリュフラーメン299B
やよい軒、200B前後が多い
饂飩屋銀の入口
銀のメニュー
円安と和食
■4割減
チェンライで暮らす邦人の最大関心事の一つは為替である。円安で手取りバーツが少なくなっている。民主党政権時代は円高で1万円が4千バーツ以上あった。今,1万円をバーツに交換すると2500バーツちょっと、40%は目減りしている。更にタイもインフレ傾向だ。みな困ったものですな、せめて1万円が3千バーツくらいにならないもんですかねー、などとぼやくが、為替は個人の力ではどうしようもない。
円だって高い時も安い時もある。10年前は良かったと懐かしんでも仕方がない。それに年金の手取りが実質減っていても、一軒家から小さなアパートに引っ越した、とか車を売って中古のバイク乗り換えたという話は聞かない。自分もなんかクイッティオや野菜が値上がりしているなあとは思うが、生活水準が下がっているという感じはない。雨が降る日もあれば天気の日もある、為替はそんなものといった気持ちだ。
ロングステイを始めた頃に比べ、道路は良くなったし、車も増えた。大型バイクなど殆ど見なかったのに、今はホンダ、ヤマハはもちろんハーレー、デュカティ、BMWの大型バイクが走り回っている。経済成長著しいタイ、という感じがする。チェンライの和食店も10年前に比べ格段に増えた。セントラルプラザ(センタン)にはやよい軒や8番ラーメンが入っている。やよい軒の味噌カツ定食が好きで2,3カ月に1度は食べに行く。出店したころの味噌カツ定食は確か120Bほどだった。でも何度か値上げして先日食べたところ、199Bになっていた。おまけにカツがいくらか小ぶりになっている。円に換算すれば昔は350円くらいだったが今は800円弱、これでは日本とあまり変わりがないのではないか。
帰国していた時、やよい軒に行って味噌カツ定食を食べた。カツはそれほど変わりはないと思ったが、お代わりできるゴハンの美味しさには瞠目した。お替り自動給飯機があって、大盛りとか小盛りのボタンを押すと適量のご飯が下に置いた茶椀にポトリと落ちてくる。チェンライのやよい軒はご飯のお替りはないし、味もいまいちだ。半額ならば仕方ないと諦めるところだが、値段X満足度から言えば日本の味噌カツ定食に軍配が上がる。
■北タイの和食
4月と6月にITFのプロテニストーナメントがあった。女子プロのお嬢さんたちは「タイ料理は好きですし、センタンで和食も食べられますから」と言っていたが、センタンの和食といえばやよい軒程度、ないよりはいいけれど、あの和食では実力が発揮できないのではないかと心配になった。センタン以外にも和食店はあるが夜、不案内なレストランに行くこともできない。従ってやよい軒が日本選手御用達となっていた。
チェンマイにはチェンライのセンタンより巨大なセンタン・フェスティバルというメガショップがある。ここのレストラン街にはやよい軒はもちろん、てんや、かつや、大戸屋、吉野家、鉄板焼き宮崎、とんこつちゃぶやなど日本の和食チェーンがひしめいている。
かつ丼、天丼、チャーシュー麵、牛丼などは日本円で600円から800円くらい、日本のテニス選手もここならばいろいろな和食が楽しめたはずだ。
和食の値段は日本と変わらないと女子プロが言っていたが、味を考えるとタイの方が割高だ。天丼、かつ丼は海老天やトンカツはともかく、ご飯がこれでも日本米か、と思うくらいまずい。更にタイ人は熱いご飯が苦手だから、冷や飯に近い温度のご飯が出てくる。タイの和食は長らく ロングステイしている日本老人の郷愁をわずかに満足させるものではあるが、やはり日本の熱々の白いご飯が恋しい。
■チェンマイのうどん
チェンマイのナイトバザールを背にしてロイクロー通りを抜け、堀端を少し左に歩くと「銀」という饂飩屋がある。製麺機があって打ち立てのうどんが供される。
値段は、ざるうどん760円、ライムうどん(日本の素うどん)800円、海老天ざるうどん920円、焼うどん800円、他にファランを意識したのか、カルボナーラうどん、ボロネーゼうどんがあって、それぞれ960円、1000円となっている。うどんの値段ってこんなもんかなあ、と兄に聞いたら、とんでもない、丸亀製麺のざるうどんは340円だ、竹輪をつけても500円あれば食える、という。1バーツ4円で計算したが、円高の時の2.5円で計算してもチェンマイのうどんのほうが高い。
ニューヨークほどではないにしてもタイの食事も和食に関する限り、日本のほうがコスパはいいと言えそうだ。タイでのロングステイは安く上がる、はもうすぐ昔話になるかもしれない。