チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェンライの2月

 

タイ米、手植えだと思う。

育っている

 

直播か

育っている

 

タイ米の苗だと思う

直播、生育状況はいろいろ

 

チェンライの2月

■乾季の終り

11月から2月までは乾季で旅行のベストシーズンである。まず雨の心配がない。乾季だから全く降雨がないということはないが、チェンライの2月の平均降水量は8mm/月だ。東京の2月の平均降水量は56mm/月も比べると少なさがわかる。気温も最低気温は15度前後、最高気温は31度前後、平均気温は22.4度と快適だ。ただ日中の気温差が15度くらいあるので、朝晩の冷え込みで風邪をひく人もいる。

8時過ぎにはテニスコートでラケットを振っているが気温は17,8度、青い空には燕の群れが飛び交っている。先日、新入りの英国人が「このコートのいいところはどこかね」と訊いてきた。そりゃもちろんお金を請求されないことだよ。十数年ここでプレーしているがコート代を払ったことがない。仲間と楽しくプレーできることが一番だが、二番目の魅力は、週5日もコートを使わせてもらっているのにタダということではないかと思う。

2月は中国正月、春節があるので交通機関が混みあう。何年か前はチェンライにも中国ナンバーの車が我が物顔に走り回って結構、事故っていた。でも今年は中国経済の悪化の影響で春節にチェンライに押し掛ける中国人は少ないのではないか。2019年にタイを訪問した外国人観光客数は4千万人弱、そのうち1千万人以上が中国人だった。外人観光客の4人に1人は中国人だった。でも2023年、昨年タイを訪れた中国人観光客はコロナ後であったにも拘わらず、351万人と激減している。訪日中国人数も同様な傾向を示している。

■タイ農業の変化

12月から2月にかけてチェンライの田んぼでは田植えが行われている。チェンライでは1年を通して米が収穫できるのであるが、気温の関係か乾季に田植えを行う田んぼが多い。別に収穫期に台風が来るとか、霜がおりるとかの心配はないから、適当な間隔をあけて田植えが行われる。12月から2月にかけて田植え、とのんびりしていられるのは常夏の恵まれた気候のお蔭だ。

十数年前は田んぼに村人が十数人入り込んで和気藹々と田植えをしていたが、昨今は自動田植え機が主流、日本並みに整然と苗が並んでいる。田植え機も2,3カ月に亘って稼働するから効率がいい。日本のように農家毎に耕運機や田植え機を揃える必要はない。米の収穫には大きなトラクターがやってきて1ヘクタールほどの田んぼでも30分くらいで籾を収穫し、稲藁は粉砕して田んぼに撒きちらしていく。刈取り脱穀機も長期間稼働できるから収穫作業は専門業者に委託するようだ。

タイの稲作作業の大型化、専門化が進んでいることはアジア経済研究所のタイの稲作農業における経営規模分布:機械化と農業サービスの影響という研究でも示されている。機械化が進むと農業の経営規模の大型化が進む。(タイの稲作農業における経営規模分布:機械化と農業サービスの影響、タイの稲作農業における経営規模分布:機械化と農業サービスの影響 (ide.go.jp) など)

■タイの日本米

自分がチェンライに来た2009年には日本米は本当に限られたところで手に入る貴重品だった。でも今ではスーパーでも手に入る。機械化、品種改良で日本米の生産拡大が進んだのだろう。タイでササニシキ、ひとめぼれなどの銘柄米、最初は随喜の涙で味わっていたが、日本に帰国してみたら、日本の米はタイの日本米のはるか先を行っていることに気づいた。日本の米はご飯をおかずにして食が進むほど美味しい。

MOMOKA JAPANでも外国人が日本のお米はどうしてこんなに美味しいのか、と愕然としている。南欧をはじめ欧米でもコメを食べるが、主食ではなく野菜扱いのせいか銘柄米の話は聞かない。日本米の味を知った外人から日本米の需要が世界に広がるかもしれない。

中国人が日本の米を買って帰国するという話はあった。中国人も日本米のおいしさを知っている。そこで日本米を中国に輸出しようという動きがあったが、関税、防疫制度などの制限があって拡大しているとはいいがたい。その前に中国では日本米をルーツとする「稲花香」という米が開発され、銘柄米として人気を呼んでいるという。偶然に開発されたというが日本の銘柄米を掛け合わせて改良したことは明白だ。無断でなんだよ、となじると中国の農業専門家は、もともと稲作は中国から日本に伝わったものだ、何の問題がある、と開き直るそうだ。(最近のDNA研究によると縄文人が日本から大陸に渡って殷以前に稲作を教えたという)

テニスの行き帰り、道路際から広がる青田を眺めて心が洗われるような気がしている。でもタイはもとより、世界中どこの国でも日本の米を越える美味しい米は生産できない。これだけは日本を信じている。