チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

非日常を求めて

フエの王宮内

同上、王宮内の宝物

同上

威力のなさそうな大砲多数

リキシャに連れていかれたホーチミンの住んでいた家

ホーチミンの家は裕福ではなかったようだ

非日常を求めて

■行けるうちがハナ

旅をする人は健康だという。逆に言うと健康だから旅ができる。同じようにテニスを続けている人は止めた人に比べて健康だというデータがあるが、これも健康だからテニスができている、の言いかえにすぎない。湯治の旅を別にして、健康に不安があればムリに旅行に行かなくてもいいか、という気分になると思う。でも人間そのうちお迎えが来るのであるから、多少健康に不安があっても、後期高齢者であっても行けるうちに行っておく、これは可処分時間、所得に余裕のある老人の特典と考えるべきだ。

誰でも旅に出るとワクワクする。文化習慣、言語が違う外国なら尚更だ。若い頃は、旅先でアバンチュールが、などと期待したこともないではなかった。でも今は美味しいものを食べる、見たことのないものを見る、その国の歴史に触れる、などが旅行の目的となっている。それにいつもと違う世界を見ると、どうしてだろう、なぜだろうという疑問が次々に湧き上がる。車に乗っていても街や遺跡を歩いていても何かしら刺激がある。

半世紀以上前、マドリッドで出会ったポルトガル留学中の人に言われた。「異国にいれば街を歩いても公園で座っていても面白い。その刺激を感じなくなったら、そこを離れて新しい街に行くことだね」。チェンライに居座ったまま刺激のない生活を送っていると、彼の言葉が心の中に蘇る。

 

ベトナム・ドンにまつわる話

先人のベトナム旅行記を読むとぼったくりには気をつけろと書いてある。

あるフランス人がフランス植民地3か国を「稲を植えるのがベトナム人、稲が育つのを眺めているのがカンボジア人、稲の育つ音を聞いているのがラオス人」と評している。ラオス人やカンボジア人はボンヤリ、それに比べるとベトナム人は賢くてエネルギッシュ、といわれている。でも賢いにはズルがつくことが多い。

大体、ベトナム通貨のドンが怪しい。桁数が多すぎる。10万ドンはゼロを二つ取って半分、つまり500円(今は円安で600円)とみるのだが50万、20万、2万ドンとあると一瞬どれがいくらかわからなくなる。お札を出すと、店の人がこれこれ、と言って一番の高額紙幣を取ってお釣りをくれない、カードで靴を購入したら50万ドン(3千円)のはずが500万ドンの請求書にサインしてしまっていた、などの例が報告されている。

ホイアンで午後の市内観光を終えて、個人商店に寄ってビールを2缶買った。いくら?おばさんは嬉しそうな顔をして大きな電卓を見せる。4万ドン。1缶120円か、タイよりちょっと安い。そのまま支払ったが、昨夜のレストランでも1缶2万ドンだったことを思い出した。その後コンビニで確かめたら1缶1万2千ドンだった。おばさんに100円ほどぼられたことになるが、おばさんが少し幸せになったと思えば仕方ない。市場の小さな小売店、冷房もないような喫茶店でも平気で吹っ掛けてくるとか。ぼったくりはベトナムの文化と諦める必要があるかもしれない。

空港ではドル、円、バーツも交換できるが、ダナン市内ではドルを換金できない銀行があり、3行目の韓国系のシンハンバンクでやっと換金できた。また、ホテルではカードは使えなくてもドルをそのまま受け取ってくれる。ベトナムに行く人は空港で充分換金するか、ドルを多めに持参することをお勧めしたい。

 

■交通

ベトナムは日本やタイと反対で車は右側通行である。ダナンの大通りは片側3車線で信号はほとんどない。道路を渡るとき、いつもの癖で右だけ確認するのは危険、左から車が突っ込んでくる。ダナンの初日、貸バイクで走ったが、心の中で右側、右側と呟いていた。チェンライに比べ、圧倒的にバイクの数が多い。バイク集団に入って40キロほどで走れば安全だが、いい年して到着して1時間もしないのにバイク、それも雨中走行は、やはり無謀だったかなあと反省した。

ベトナムの車、バイクはひっきりなしに警笛を鳴らす。フエやホイアンの郊外は片側1車線の道路、そこをバイクや自転車が縦列で走る。警笛は「追い越すぞ、道路側に寄れ」の合図だ。1車線でも追い越しは当り前、対向車は衝突を避けるため道路中央を空ける。いつぶつかるかと緊張の連続だった。タイ人は運転が荒いと思っていたが、ベトナムに比べればよほど紳士的ということが分かった。

ベトナムの道路が騒がしいのはクラクションだけではない。バイクや車で果物やお土産、アイスクリームを売っているが、それが鳴り物入り、あるいは叫び声付きだから、はじめは何事かと吃驚する。刺激、衝撃、驚愕、すべて旅のスパイスだ。