チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

旅と食事

 

ダナン、チャム彫刻博物館から

同上、踊る天女

同上、ガネーシャ

同上、観音菩薩像か

力強さを感じる

博物館庭の大木

 

旅と食事

■無料だと美味しさも倍増

外国人旅行者、といっても白人が中心であるが、彼らに和食を食べてもらい、その様子を紹介するユーチューブがある。来日するくらいだから日本の文化や食べ物に初めから興味を持っている。アニメグッズ、ゲームソフト、神社仏閣、桜、紅葉、温泉、彼らを魅了するものの中の一つに和食がある。自国で供される和食、あるいはコンビニのおにぎりや寿司で満足していた外人に本格的な和食をご馳走すると、彼らはこれまで食べていた和食は何だったのか、と愕然とする。美味しい料理が口に入って、おお、これは、と表情が緩む瞬間はとても幸せそうに見える。しかめっ面を見るよりも幸せそうな笑顔を見るほうがこちらも気分がよくなる。

訪日外国人観光客にとって和食は旅の楽しみである。彼らはネットでラーメン、とんかつ、寿司、天婦羅、和牛の有名店を調査し、マップで店を探して行列に並ぶことも厭わない。そういう人たちが本物の和食を、おそらく無料かつ丁寧な英語解説付きでご馳走になれる。自分なら無料と分かった時点で思わず笑顔になってしまう。

子供の時から、お前は思ったことがすぐ顔に出ると親を始め周囲の人からいわれてきた。学生の頃、女性に「今日は私が珈琲代払ってあげる」と言われた。その時の嬉しそうな顔がよかったから、とその後お付き合いするようになった。

 

ベトナムにも和食店

本題に戻る。ベトナムのダナン、フエ、ホイアンの3都市を回った。訪日観光客が、日本ではこれを食べなければ、と料理の数を指折り数え、行くべきレストランをリストアップしているのに比べ、自分はベトナムで特に食べたいという料理はなかった。3都市とも海沿いであるからシーフードは食べようとは思っていたが、具体的な海鮮料理名は浮かばなかった。ダナンでは海老の炭火焼きを食べた。美味しかったが量が多すぎた。ホイアンでも魚の塩焼きを食べた。味は良かったが感動するほどでもない。日本人として美味しいものを食べつけてきたせいだと思う。

ダナンではバイクで1日半、市内を回った。多くの和食店があることが分かった。ちょっと道に迷い、ハン河沿いの大通りを歩いた。いくつもの日本レストランがあってそのうちの高級店に日本国旗を付けた高級車が停まっていた。ダナンには日本の総領事館があるからその関係者だろう。

ダナンの海沿いの繁華街にも和食店がいくつかあった。その後、フエ、ホイアンにも繁華街には和食店や寿司の提灯がぶら下がる店があった。3都市では邦人観光客を見かけたが、和食店は邦人相手ではなく広くベトナム人をターゲットにしているように思われた。

 

■和食に勝るものはない

ベトナムのパンとビールはタイよりうまい。これは宗主国フランスの影響だ。珈琲にもフランスの影響がある。案外知られていないがベトナムはブラジルに次いで世界第2の珈琲生産国である。珈琲豆にはロブスター種とアラビカ種の2種類がある。世界で流通している珈琲の60-70%はアラビカ種である。タイではアロマフレーバーに優れたアラビカ種が主であるが、ベトナムで生産される珈琲豆の97%がロブスター種とのことである。どうしてベトナムではロブスター種が多いのかというと、ベトナムでは病気に弱いアラビカ種がうまく育たないからだそうだ。

カフェで供されるベトナム珈琲は、アルミ製フィルターでゆっくり濃く抽出された苦みの強いエスプレッソ風の珈琲である。小さなカップにはいっており、カップの底に練乳が沈んでいる。飲む前によく攪拌して苦さを練乳の甘味で抑える。このベトナム珈琲とフランスパンのサンドイッチをダナンで初めて食べた時は思わず笑顔になった。

あと生春巻き、揚げ春巻き、歯応えのあるプリプリしたエビのすり身に米粉の皮のモチモチがマッチしたホワイトローズ、伊勢うどんが起源といわれるベトナム紐皮うどんのラオカウ、牛肉筋煮込みうどんのブンポー・フエなどベトナムに行ったら是非、とネットでお薦め料理も食べてみたが、それなりの味、と思った。これが食べられるならまたベトナムに行きたいと思えるメチャウマ料理はなかったように思う。

和食では魚なら刺身、煮物、焼き物、揚げ物とバラエティがあり、味ばかりでなく、見た目の美しさ、歯触り、食感、それこそ五感で料理を楽しめる。和牛は日本の職人芸の極致と思うが、クリームチーズにいぶりガッコ、さつまいもにアイスクリームなど異色の組み合わせを開発する料理人もいる。ベトナム料理に感動しなかったのは、日本に生まれ育ったおかげで舌が肥えているからだろう。日本に感謝、である。