チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

5月から10月

マイタイ、ネットから

食卓風景、左がアップルマンゴー

野球ボール大のスイカ、残念ながらその後腐ってしまった

このスイカは順調に生育中

雑草にあらず。味噌汁やおひたしに

 

 

5月から10月

■雨季の楽しみ

5月から10月がチェンライの雨季となっている。平均降雨量を見ると7月191㎜、8月241㎜、9月194㎜となっている。東京の7-9月の平均降雨量、154㎜、168㎜、210㎜と比較してそれほど雨量が多いというわけではない。7月のチェンライの天気予報は連日「激しい雨」のオンパレードであるが、チェンライ県の面積は東京都の5倍はあるから、県内のどこかで雨が降っていても市内では日差しが強いということがままある。また、降っても1日中降り続くことは稀である。土砂降りとなっても30分ほどで上がり、雲の切れ目から陽が差してくる。雨上がりの風は心地よい。こんな時、プールサイドでマイタイでもすすれば気分は最高となるのではないか。マイタイはラム酒をベースにして、ホワイトキュラソー、パイナップルジュースなどを加えたカクテルで、「トロピカルカクテルの女王」と呼ばれている。

何年か前、基本1泊1000B以下、プール完備、朝食付き、ツインベッドという市内、および近郊のホテルを兄と泊まり歩いたことがある。たまに高級ホテルにも泊まった。そのホテルにはプールの中にバーがあった。腰から下は水中に、上半身はカウンターにのせてビールを飲んだ。

学生の頃、公営プールの監視員のバイトをやっていたことがあり、プールサイドでの飲食を厳しく注意する立場だった。あれから50年、酒を飲んでプールに浸かる。これを堕落と言わずしてなんというか。罪悪感にかられながらせいぜい缶ビールを啜るくらいが関の山で、蘭の花があしらわれたマイタイなどとても注文できなかった。まあ老い先短いことではあるし、冥途の土産に、来タイした友人と実行に移してみたいものである。

 

■テニスへの影響

雨季の雨はゲリラ的である。決まった時間に振るとは限らない。午後、夕暮れ、夜間・・・、朝、濡れた庭を見て、あ、夜中に雨が降ったんだと気づく。早朝6時ごろ激しい雨音で目覚めることがある。この時は、ああ、今日はテニスに行かなくても済む、と嬉しくなる。コートが水浸しになってテニスはできない。別にテニスが仕事ではないが、今日は休めると思うと寝床の中で自然と笑顔になってしまう。

雨は広範囲に降るわけではなく、わが家が豪雨に見舞われていても8キロ離れたテニスコートでは陽が差している、ということもある。雨の朝は運動場の方角の空を見上げる。遠方まで黒い雲が広がっていれば安心する。空が明るければ、運動着に着かえ、車でコートへ向かう。1キロも走らないうちに道路が乾いていて、この辺りは全く降らなかったとわかる。「朝雨馬に鞍置け(朝に降る雨はすぐに止むから、馬に鞍を置いて外出する用意をせよ)」のことわざはチェンライでも通じる。

 

雲が厚く空が暗くてもコートが濡れていない限り、テニスはする。運動場のコートは、水はけがよく、夜半に降った雨ならば、朝、みんなで水切りをすれば、テニスができる。

問題は空が暗く、テニスに興じているときに雨滴を感じる時だ。コート表面が濡れるまでゲームを続けようとする仲間もいるが自分の場合、ポツリときたらすぐ中止にしてもらう。10年ほど前、雨上がりで、コートの端っこの濡れた苔に足を滑らせ、左足首を骨折した経験があるからだ。いまだに黒ずんでいる骨折箇所を指さすと、ラリーを始めたばかりだろうと、セットポイントであろうと相手は中止に納得してくれる。

昨年、このコートでITFトーナメントが開催された。6月で試合中に降雨という情景は何度も見た。選手、審判は一粒の雨が落ちてきた瞬間に、試合を中止した。自分もこれだけは見習っている。

 

■植物成長の季節

雨季は適度の雨があり、日差しも強いので植物がぐんぐん成長する。南国の果物が相次いで店頭に並ぶのも雨季ならではの風景だ。隣家ブアさん宅には数本のマンゴーの木があり、時期をずらして食べ切れないほどの実がなる。一個1.5キロはあるアップルマンゴーも食卓に上る。日本では一個、6,500円で売っていたという。マンゴーは潤沢であっても佐藤錦や浅間白桃はチェンライでは手に入らない。いいとこ取りができないのは果物だけではないのだろう。

何か月か前、ブアさんがおいしいスイカを食べたら種を下さい、と言っていた。それを思い出したのは6月の末、庭の片隅にピンポン玉ほどのスイカが生っていたからだ。ピンポン玉は2,3日後に軟球ほどになり、1週間もするとソフトボールの大きさになった。あと2週間もしてバレーボールの大きさになれば、ブアさんの許可を得て収穫となる。スイカや庭の菜っ葉の成長を確かめる、これも雨季の楽しみといえるだろう