チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

雨季でもテニス

何処を狙うか。上田らむ選手

サーブでジャンプ

休憩中

雨で中断

シングルス優勝

準優勝のタイ、ナクロ選手と


雨季でもテニス


■色白に戻るか
鏡を見てビックリした。顔が日焼けして真っ黒だ。ただ黒いだけでなく黒光りしている。尋常ではない黒さだ。これは4月、6月とチェンライでITFの国際テニス・トーナメントが開かれていて、毎日テニス観戦に出かけていたからだ。

紫外線は太陽光とはそれほど関係がない。快晴に比べ、薄曇りでは8割から9割、曇りでも6割の紫外線量が肌に突き刺さる。また雲間から太陽が照り付けるときは、雲による散乱光により、皮膚に到達する紫外線量は快晴時よりも多いという。朝のテニスと合わせ、1日数時間は屋外にいたのだから、牛蒡の如く黒くなったのは仕方がない。 

タイ人は日焼けをとても嫌う。タイ人の色白肌への憧れは半端ではない。テレビの化粧品CMに出てくる女性はもちろん、ドラマに出てくる美男、美女は鈴木その子も吃驚するほどの白塗りだ。偶に色黒の俳優が出てくるが押しなべて悪役となっている。日本人がタイでもてる理由の一つは肌の色が白いことである。自分もメードさんに色が白くて羨ましいと言われたことがある。

以前は腕カバーをし、アラファト・スタイルと揶揄されながらも後頭部に日本手拭いを垂らしてテニスをしていた。日焼けは肌を老化させると聞いての防護策であった。でも面倒だし、肌よりも体のほうが先に老化している気がして今は何もしていない。トーナメントが終わって、屋外で過ごす時間が激減したので、これから普通の黒さに戻っていくのではないか。

■スコールで中断、女子シングルス決勝
7月に入って雨の日が多くなった。1日中降ることはあまりないのだが、明け方に降雨があるとテニスコートに水が溜まり、テニスはできない。3日連続でテニスを断念したこともある。チェンライの平均降雨量は7月は311㎜、8月は358㎜となっている。東京の6月の平均降雨量167㎜に比べるとかなりの雨量である。チェンライの田植えは7、8月がピーク、天水に頼る山岳では玉蜀黍の種まきが始まる。

トーナメントが行われた6月も雨季だった。チェンライ6月の平均降雨量は178㎜と東京の6月より多いのであるが、一過性のスコールが主体なので一部、順延、中断はあったもののなんとか無事に全日程を終えた。

6月のトーナメントの最終日、女子シングルスの決勝があった。上田らむ選手が勝ち進んでいたので応援に行った。相手はタイのタサポーン・ナクロ、2-6,6-2となって最終セット4-4となったところでスコールで試合は中断。実は、この日は雨が降らないと思ってスクータでコートに来ていた。タイ人はみな帰ってしまって観客席に残ったのはナクロ選手のコーチと自分だけ。

雨が上がり、近くの食堂で昼食を済ませてコートに戻ってみると、両選手が試合再開前のウォーミングアップを行っていた。二人の観客の前で試合再開、最終第3セット、上田選手が4-4から5-4とリードし、一時はマッチポイントを握ったのであるが、逆転されてしまう。結局、最終セットは6-6となり、タイブレークの戦いに移る。これもポイントを取ったり取られたりとハラハラさせられたが、なんとか凌いで7-6で最終セットを制し、彼女としては初のITFシングルス優勝を掴んだ。水入りの接戦で大興奮の試合であった。

■テニスボールの寄付
トーナメントが終わり、9面のコートは我がへぼテニス仲間の貸し切り状態となった。10時までは木陰となる絶好のコンディションのコートを使用。4人以上来てもコートはいくつもあるから待つ必要がない。日本の女子プロに日中、コートは無人となると言ったら驚いていた。彼女たちが更に感心したのは、10年以上ずっとテニスをしているのに、管理料、維持費などのお金を取られたことは一切ない、ということだった。

トーナメントが終わって嬉しいことがあった。大会関係者が我々、朝テニスグループに、トーナメントで使用したテニスボール、3個入りの缶を2ダース寄付してくれたのだ。
トーナメントでは7もしくは9ゲーム毎に新ボールに交換される。試合に使用したと言ってもほぼ新品だ。これでDUNLOPの字が消えた、毛の生えていないミジメなボールを使う必要がない。選手の練習球は、結構、コートに隣接する草地に落ちていて、仲間のロバートやジョンが拾い集めていた。そんな球でも新品、よく弾むと喜んで使っていた。

テニスはタイにおいてはまだ、金持ちのスポーツだ。これまで使っていたボールの状態を見れば我々の生活水準がわかろう、というものだ。だから我々テニス仲間一同、72個のテニスボールを寄付してもらい、裕福な気持ちを味わっている。