チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

異次元の少子化対策

 

3年前の浅草寺

仲見世

シャッターの降りている店も

本堂

内部も閑散

一人なので入店せず

 


異次元の少子化対策

■減少傾向は50年前から

岸田文雄首相は1月、伊勢神宮参拝後の年頭記者会見の冒頭で、2023年は「異次元の少子化対策に挑戦する」ことを表明した。少子化の原因は女性の高学歴化による晩婚、晩産、経済的理由、独身を楽しみたいという文化的理由が挙げられている。経済的理由を言うのであれば、戦後のベビーブームの時はみんな貧しかった。それでも年間260万人以上の子供が生まれた。昨今の出生数は80万人を下回る。

少子化対策は出生数が200万人を割った1975年あたりから講じられてきた。1984年に150万人を割り、2005年からは100万人台となり、2016年に生まれた子供は約98万人と初めて100万人を割った。以降、90万人台から80万人台と減り続け、昨2022年は77万人と最低を記録した。

今の親世代は90年代に生まれた人たちが中心だろう。親世代の人口が少ないのだからその親が生む子供は少なくなくなる。その子供が親になった時に生まれる子供はさらに少なくなる。

ここ40年以上、少子化対策には医療費補助、出産祝い金、乳幼児教育の無償化、学費補助等、莫大な予算がつぎ込まれてきた。しかし、効果があったかというと出生数の推移が示す通り、それほど効果はなかったというべきだろう。

化粧品会社の営業部長の話を聞いたことがある。「このしわ取りクリーム、あまり効果がないように思うんだけど」という苦情に対し、「奥さま、しわがその程度で済んでいるのはこのクリームのお陰でございますよ」。これで客は納得するという。

少子化対策を講じてきたから出生数が77万人で収まっているのですよ、と言われても納得できない。これまでの対策はカネである。カネを出せば子供が増えるか、増えなかったではないか。

 

少子化に対応した社会を

スウェーデンやフランスで出生率が上がった原因として非嫡出子が増加したことが挙げられ、日本でも非嫡出子を温かく迎える文化に変えようという意見があって驚いた。「テテ無し子」などと言ったら差別主義者と糾弾されるのだろうか。テテ無し子やイスラム系移民の子供で満たされた日本に明るい将来が待っているとは思えない。

少子化の問題点として労働人口の減少が挙げられている。30年ほど前、米国の経済学者の講演を聞いたことがある。「イスラエルに行った時、朝、ホテルの窓から道路を見下ろしたら、ソ連から移民してきた元教授やバイオリニストたちが箒を持って道路を清掃していた。そのあと日本に来た。早朝、ブラシを着装したトラックが道路を驀進しながら清掃を行っていた。日本はすごいと思いました」。

つまり労働人口が少なくなったら、できることは機械やAIに任せればいい。生産性が上がって豊かな生活が送れる。あと元気な老人を高い給料で釣って働かせるという手もある。100年前、日本の人口は今の半分くらいだった。それでも世界を相手に戦えたし、戦後の復興だって成し遂げたではないか。

それに3分の1以下に出生数が減れば、団塊の世代に比べて東大や早稲田に3倍入学しやすいし、就職も楽になるのではないか。

労働人口が減ると介護要員も減り、老人の世話が行き届かなくなります、というが、これでは介護職員確保のため、子供を産め、と言っているに等しい。

 

■消費増税の手段か

岸田さんは異次元の少子化対策、と言っているが、何も具体的なことは示していない。異次元というからこれまでの補助金バラマキをやめて、例えば、優生保護法の廃止、ピル、コンドームの販売禁止くらいのパンチある対策を取り入れるのかと思ったが、やはりカネを出せば子供が増える、といった従来対策の延長でしかないようだ。岸田さんは「新しい資本主義」とか「資産倍増計画」とかぶち上げるのはいいが、何も具体策が無くて尻すぼみが多い。

子供を持ちやすい環境は、と問われれば誰でも何らかの発言はできるだろう。高橋洋一さんは、そういった様々な意見に岸田さんは耳を傾け、「それではその対策を実行するために国民に消費税の増税をお願いします」と言い出すに決まっていると言う。

岸田さんには効果の見通せない少子化対策よりも、皇室の男系継承、憲法改正、国民の生命、財産を守る防衛問題に道筋をつけてほしいと思う。国の将来に希望が持てるならば、国民は伝統に従い、よき家庭を持ち、子供を産み、育てるに違いない。

もう一度言いたい。カネで子供は増えなかったし、これからも増えない。だが祖国日本を日本人が誇りに思う時、その時に少子化はおのずと解決するはずだ。

 

【出生数・子供の数の年推移】年別の人数が一目瞭然|年収ガイド (nenshuu.net)