チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ツーリングで得た結論は

 

フォルツァ350

メコン対岸はラオス

メコン

乾季で水量が少ない。岩が見える。

中国資本のビル

フォルツァ350

 

 

ツーリングで得た結論は

フォルツァ350

フォルツァ350を手に入れてからほぼ1年が経つ。その前はフォルツア300(排気量279cc)に乗っていた。350の排気量は329㏄であるが、各段に性能がアップしている。排気量が50㏄も増えているのに燃費が2割ほどよくなっている。カタログでは29km/Lとなっているが、実際のツーリングでは35km/L以上走る。

乾季で季節はいいし、昔のようにちょいとメコンを越えてラオスへ単独ツーリング、スコタイ、ランパーンへ1,2泊の旅と、長距離ツーリングもいいのだが、さっぱりその気になれない。近場の市場やスーパー、市内で開催されている花祭り等、2,3日に一度はフォルツァで出かけるのだが、1日100キロ以上のロングツーリングは、昨年11月に友人に誘われて出かけたドイ・パータンの日帰りハイキングだけである。

ここ1年の総走行距離は4500キロ、月平均で400キロ足らず。1週間で3000キロを走破したチュンポンの鷹の渡り見物や1日に660キロ走ってパタヤドラゴンボート日本代表を応援に行った頃が懐かしい。でも女中さんは、年寄りはバイクに乗るもんじゃないと自分のツーリングにいい顔をしない。

彼女と同じように、高齢者が大型バイクを運転するのは危険、事故率も高いのではという先入観をお持ちの方もおられると思う。でも免許保有者10万人あたりのバイク事故件数は16歳から19歳の若者の1043件に対し、60歳から79歳の場合300件台にとどまっている。80歳から84歳で430件、85歳以上になると524件と漸増しているが、それでも若者に比べ、事故件数は圧倒的に少ない。(警察庁「令和3年中の交通事故の発生状況」)

但し、事故件数は少なくても第一当事者としての死亡事故件数は85歳以上の高齢者の場合、若者より高くなっている。死亡事故はマスコミに報道されるので、老人の事故件数は多いと思う人が多くなるのだろう。でも85歳以上でバイク事故に散るのであれば、そう悪い死に方ではないように思う。

 

■突然思い立って

そういえば長距離、走ってないなあ。ある日、メコンを見にチェンコンへ行ってみようと思い立った。我が家からチェンコンまでは100キロ強、バイクで1時間半の距離である。昼食の後、13時過ぎに家を出発、ライディングジャケットを着用するのは昨年の11月に続き2回目である。近場に行くときは短パンにサンダル履きということもあるが、今回はGパンに靴、正規のツーリンググローブもはめた。

チェンコンには2013年までタイとラオスを結ぶ渡し舟があった。自分も何度か舟で対岸のラオス、フエサイまで行っている。今は渡し舟を利用できるのはタイ、ラオス人だけ、外人は友好橋を利用しなければならない。中国の貨物船も行き来して、メコンの港町として栄えてきたが、橋ができてからはチェンコンに立ち寄る観光客は激減、今はひっそりとしている。

最近、チェンライからチェンコンへの道が整備された。まだ完成はしていないが、片側2車線の直線道路が数キロ続く場所がある。本来であればタイとラオスを結ぶ観光バスが何台も走っているはずだが、バスを1台も見ることはなかった。まだ観光客は戻っていないようだ。高速道路ではないが、前後に車が走っていないのでスピードが出る。11月にこの道路で瞬間的に120キロ出した。今回は120キロが通常速度、アクセルをフルに上げていなくてもスムーズに140キロは出ることが分かった。

走りながら考えた。時速130,140キロで走るシニアライダーは少ないのではないか。フォルツァ350は日本で販売されていない。だからフォルツァに乗って140で飛ばす日本老人は自分だけだと思うと運転が慎重になる。往復210キロを3時間で走破、気温の割にはジャケットも暑く感じなかったし、何よりも体力的にロングツーリングに自信が持てたことが大きい。

 

■大型バイクは高齢者のもの

日本自動車工業会の調べによると、2019年度のバイクの新車購入者の平均年齢は54.7歳と、高齢化の一途を辿っている。定年になってお金と暇のできた熟年が大型バイクを購入する。排気量1000cc以上、BMW、ハーレーなど最低200万円はする大型バイクに人気がある。時速160キロはスムーズに出るだろう。やはり、やっと時速140キロが出るスクータより1000㏄超の大型バイクのほうが余裕ある走りができるはずだ。でも200万円はなあ。日本にはお金持ちのシニアが多いというか、自分が貧乏なだけというべきか。

上を見ればきりがないという亡き母の言葉や、足るを知る経済というプミポン国王の教えを思い起こしてしまう。身の程を知り、謙虚に過ごすことが幸せの第一歩である。これが巡航速度時速120キロで走りながら得た結論である。