新型フォルツァ350
転倒した時についたキズ
割れてしまった
すべてデジタル、カギは不要
荷物室は広い、ヘルメットが2つ入る
まだナンバープレートはない
新型フォルツァ購入(2)
■我がバイク小史
社会人になって大型二輪車の免許を取った。当時は普通免許を持っていると最低、5時間の実地講習で二輪免許が交付された。250㏄までの限定などない時代、750㏄の大型バイクにも乗れる。独身時代は250㏄や350㏄のバイクに乗って、一人で海に行ったり、多摩川べりを走ったりした。東京から宮城、岩手、そして青森の手前を西に向かって秋田に入り、山形、新潟、富山、石川と南下して、その後、長野、山梨を通って東京に戻るという単独ツーリングをしたこともある。結婚後は、カミさんにバイクは反家庭的な乗り物という烙印を押され、その後、しばらく乗ることはなかった。40代になって50㏄とか80㏄の中古バイクを手に入れ、土曜になると築地の魚河岸に買い出しに行った。まあ自転車代り、ツーリングなど考えもしなかった。
チェンライに来て、独身時代の思い出がよみがえった。多少の余裕はあるし、独身に戻っていたからバイク購入に反対する人がいない。2014年にフォルツァ300を購入したのだが「シェレ―ピンが桜の園を買ったときと同じ喜び」とブログに書いているから、よっぽど嬉しかったのだろう。
チェンライではツーリング仲間にも恵まれて、ラオス縦断、チュンポン鷹の渡り見物3千キロなど長期ツーリングも経験した。
■日本では未販売
フォルツァ300を8年所持、5万3千キロ走破しているが、ここ2年近く自分では乗っていないから、年間1万キロ弱走っていたことになる。思えばラオスの山奥に迷い込んだり、ブレーキが効かなくなって崖から転落しそうになった。ベトナムのディエンビエンフーの手前まで行った。転倒したから車体には多少の傷があるが、それなりの愛着があった。フォルツァは丈夫でも、こっちの体がいつまでもつかわからない。残り少ない人生、新しいスクータに乗り換えてもバチは当たるまい。乗れるうちに、買えるうちに新しいバイクにしよう。
丁度、ホンダがタイでフォルツァ350という新型を出すことを知った。フォルツァシリーズは20年目に入っていて欧州ではフォルツァ750という大型スクータもあるようだ。フォルツァ350も欧州市場向けで日本国内では販売されていない。でもタイでは昨年に販売が開始された。日本では乗れないスクータか。いいじゃないか。
■あわや激突
購入決定から2カ月、やっとチェンライホンダにフォルツァ350が入荷。まだ車検証もナンバープレートもない車に乗って家に帰った。昼食後、ちょっと試し乗り、側道から片側3車線の空港バイパスを横切ろうとした。信号が青になったことを確認して、スクータを直進させたときだった。突然、右側から猛スピードで突っ込んでくる白い乗用車が視界に入った。ああ、ぶつかる、これで人生お終いか、血も凍るような瞬間とはあのことだ。冷蔵庫を投げ落としたような音が響いて道路に横たわっていた。右足の上にスクータが乗っていて動かせない。左足は動く、首も大丈夫、3車線道路の真ん中でひっくり返っている。数人のタイ人が集まってきてスクータを起こして道路際に運んでくれた。体は何とか動く。助け起こされてよろよろと立ち上がった。
そのまま突っ込んでいれば衝突、或いは接触して跳ね飛ばされていただろう。とっさにブレーキをかけたが体勢を立て直せず、右に転倒したらしい。タイ人が立ち去った後、スクータの横に座ってぼんやりしていた。赤信号でも突っ込んでくるのがタイの交差点、いつもは右を確認するのに、新バイクで浮かれていたのか。サングラスをしていたことも視界を狭めていたのだろう。ヘルメットにも擦り傷が付いていた。肘、右足の外側、左足踝の内側に打撲と同時にできた擦り傷があった。次第に痛くなる。血は出ていないが腫れている。スクータの右側フロントカバーが割れて、擦り傷ができている。購入後3時間で事故車だ。
でも考えようだ。右から車が突っ込んできた時、死ぬと思った。体に擦り傷ができたが骨は折れていないし、頭も打っていない。スクータの右カバーは割れたが取り換えれば済むことだ。エンジンはかかる。これだけで済んだ、ということはついている。神のご加護がまだある。倒れたバイクは厄落とし、こいつは春から縁起がいい。
3時間前、ホンダへ送ってくれた友人宅へ行った。現場からほど遠くない。えー、もう事故ったの? あきれていたがさすが友人、大した怪我、損傷がないことを喜んでくれた。30分ほどお邪魔して、心が落ち着いたところで帰宅。
早速、ブアさんに車の傷を見つけられた。足や肘の傷を見て大騒ぎ、そのまま、病院に行く羽目になった。