チェンライ郊外
青田が広がる
バナナがなければ日本と同じ風景
田植えをしたばかり
結構育っている
みな同じ日の撮影
感染症対策緩和
■おかしな水際対策
昨年の11月にタイに戻ったが、入国に際してはタイランドパスというビザと共にタイの医療保険の付保、並びにバンコクで1泊の隔離宿泊が必要だった。更に72時間以内のコロナ陰性証明書(英文)の取得も要件だった。
今はワクチン接種証明書があれば何事もなく入国できる。ワクチン接種をしていない人は陰性証明書で代用できる。タイへの入国は簡単になったが、日本への帰国に際しては陰性証明書が必要だ。観光に行ってもタイでPCR検査を受けるのが面倒という人もいた。しかしながら9月7日から帰国前検査と陰性証明書の提出が、3回目のワクチン接種を済ませていることを条件に免除されることになった。
タイの1日あたりの新規感染者数はこのところ2000人を下回っているが、これはタイ政府が観光客を呼び込むために操作している数字だと思う。自分の含め、周りでは感染症に罹ったという人は多い。また、8月にチェンマイに観光に来た邦人の中には、帰国前のPCR検査で陽性となり、帰国便をキャンセルせざるを得なかった人が何人も出ている。
ワクチン接種を3回済ませていれば日本に帰国できることになったが接種の3回はどこで決まった数字なのか。2回ではだめなのだろうか。3回接種者は2回接種者に比べ、感染リスクが格段に低いという数字があるのだろうか。4回接種していても岸田首相のように感染する人もいる。世界でもワクチン接種率が格段に高い我が国で第7波が来ているのだから、ワクチン接種と感染との因果関係ははっきりしていない。ウィルスはどんどん変化していくのでワクチンは新型の感染症には効かないという話もある。3回も4回もワクチン接種していても罹る人は罹る、感染者であっても3回ワクチン接種済みならば問題なく日本に入国できる。こんなにいい加減な水際対策とは何だろうか。
■指定替え
安倍元総理の退陣の時から感染症の2類から5類への指定替えという話はあった。岸田首相も2類から5類への指定替えをすると表明していたが、未だにそうなっていない。タイでは感染症はただの風邪という扱いになっている。熱や激しい咳症状のある人は一般病院で熱冷ましや咳止めの薬を貰う。それだけ。日本と同じような検査をタイで行えば何万もの陽性者が出ると思うが、意味のない全数検査などしない。タイの保健当局者は感染症で死亡したのは老齢者で且つ重篤な生活習慣病を持っていた人がほとんど、と言っている。要するに感染症が主たる死亡原因でないと言っている。日本もほぼ同じ傾向と思うが、死亡者の年齢別内訳や死亡に至った主病因はあまり公表されない。
日本では2類になっているため、一般の病院、医院では感染者を診ることができない。患者を診る病院は限られ、ベッド数も少ない。門前払いを食わされる恐れがあるから、熱が出ると救急車を呼ぶ。それで救急隊員は休む暇がないほど忙しい。大変だ、大変だ、と大騒ぎする前にどうして他の国と同じように5類扱いに、つまりインフルエンザ並にしないのか。そうすればもし熱が出たら近くの医院に行けばいいから救急車を呼ぶ必要がなくなる。
また2類だと検査、受診、入院は無料、つまり国費でみてくれるから安易に限られた病院に押し掛けているのではないかと思う。
■全数把握
岸田首相は感染者の全数把握を見直すと発表した。感染症法は、感染症を診断した医師に対し、すべての患者の氏名や年齢、連絡先などの情報を、「発生届」として保健所に提出するよう義務づけている。これは医療関係者に大きな負担となっており、PCへの打ち込みより医療に専念させてほしいという現場の声を受け、全国知事会が国に要望していたものだった。それで今回の見直しでは自治体の判断で「発生届」が必要とする対象を、高齢者や重症化リスクが高い人などに限定できるようにした。
ところが、東京都や愛媛、徳島県などでは全数把握は軽症者の重症化見落としにつながるなどの理由で全数把握を続けるという。自治体では決められないので国で指針を決めろとも言っている。どっちも責任を取りたくないからだが、医療現場の負担軽減はどうなっているのか。これも2類から5類に指定替えをすれば解決する問題だがなぜそうならないのか。それは2類にしておいた方が利益になる、という集団があって、その利益集団が欧米やタイではすでに常識となっている「アレは風邪と同じ」とはどうしても言いたくないのだろう。
ここ3年、例えば感染者80万、死者は40万人とか、どうしてあの時は、と思うことがある。王様の耳はロバの耳、という人が出てきてもいい頃と思うのだが。