チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

自粛と自殺

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十何年ぶりかで金沢八景へ行った。

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野島公園に向かう道

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潮干狩りに行ったのだけれど

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貝も人影も殆ど無し

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夕照橋、右手の山が野島


自粛と自殺

 

■自殺者急増
厚労省自殺対策推進室によると2020年の自殺者数は暫定値で21,077人と11年ぶりに増加に転じたという。特に昨年10月は自殺者が多かった。

以下はNHK の報道から。
警察庁によりますと、10月に自殺した人は全国で合わせて2,153人で、去年の同じ時期より614人、率にして39.9%増加しました。自殺者は、ことし7月以降4か月連続で増えていて、男女別では、男性が去年よりも21.3%増えて1,302人、女性が82.6%増えて851人となっていて、特に女性が大幅に増加し深刻な状況が続いています。

報道は、感染症自粛で自殺者が増えている、これは大変だ、といういつもの不安扇動スタイル。でも厚労省警察庁は自殺者と自粛との関連性については言及していない。

自殺者数に限らず、数字から結論を導くには過去の数字の推移を見る必要がある。自殺者数は民主党政権の頃には年間3万人を越えていた。2009年には経済・生活苦のために32,845名の方が自殺している。安倍政権になってずっと自殺者数は減り続け、2019年の年間自殺者数は過去最少の20,169人(確定値)だった。ここ10年の統計からみても2020年の自殺者数21,077人は下から数えて2番目か3番目で決して多くない。

NHKはじめマスコミの報道では2020年10月の自殺者が2,153人と前年同月比で大幅な増加と言っている。その通りであるが、月々3,000人を越える人が自殺していた年とは比較しない。
それに前年同月比という比較はどれだけ意味があるのか。自粛のせいで自殺者が増えることをマスコミは示唆するが、それはこれからの推移を見なければわからない。1カ月の増減をある指標、社会状況と結びつけるのは、例えば自殺者が急増した月に大根が安くなった。自殺者数と大根価格は相関関係があり、大根価格が上がれば自殺者は減ると主張するようなものだ。

■自殺防止対策
マスコミの声に押されて、政府は新型コロナウイルス拡大の影響で深刻化する孤独・孤立対策の総合調整を行う「孤独・孤立対策担当室」を内閣官房に設置した。孤独・孤立対策はこれまでも政府内で意識されてきたが、コロナ禍の影響で問題が顕在化し、菅義偉政権の中心課題の一つとして取り組みを進めるという。
感染症拡大後に女性の自殺者数が増加したことが担当室設置の背景にある。自殺の陰には孤独、孤立あり、というわけだ。自殺した女性が、孤立していたのか、自粛の影響を受けていたか等の実証的な検討はこれからのようだ。でも自殺者数を増加させないための方策は他にもある。

自殺者は概ね7割が男性、女性は3割だ。自殺理由のトップは健康問題、不老不死はムリだから、うつ病対策、アル中対策など個別の政策で対応するしかない。また失業率と男性自殺者数との間には相関関係があることはよく知られている。経済を活性化し、失業率を低く抑えることが自殺防止に役立つ。


■単身世帯は3-4割
2018年1月、国立社会保障・人口問題研究所は「日本の世帯数の将来推計」を発表した。それによると、2040年に一人暮らしをしている人(単身世帯)の割合は、世帯総数の39.3%、約4割を占めるとのこと。2015年時点で既に34.5%に達しているが、25年間でさらに4.8ポイント上昇するわけだ。

自分は独居老人であるが、孤独・孤立しているとは考えていない。全く言葉を発しない日も多いが、本を読んだり、映画を観たり、料理、洗濯などの家事、更にはぼんやり考え事をして気楽にやっている。施設で「さあ、オジイチャンも一緒に歌いましょう、はーるを愛する人は…」などと強制されることはない。幸せである。

高齢者の独居率は高まり、2015年時点では男性で14.0%、女性は21.8%だが、2040年には男性が20.8%(6.8ポイント増)、女性が24.5%(2.7ポイント増)まで上昇する見込み。男性高齢者の約5人に1人、女性高齢者の約4人に1人が一人暮らしをする社会と推測されている。

単身世帯の増加要因を考えると、総人口に占める大きなものとして挙げられるのが生涯未婚率(50歳になっても結婚せずに未婚のままでいる人の割合)の上昇だ。
生涯未婚率は2015年時点では男性23.4%、女性14.1%にまで達している。男性だと4人に1人、女性だと7.人に1人が生涯独身となっている。

独り者が孤独で孤立するとは限らない。独身者のほうが豊か、独居老人も意外と金持ちという統計もある。単身世帯は2千万、自殺者数の前年比増加分1000人が総て自粛から来る孤独・孤立のせいとしても4万人に1人、餅を喉に詰まらせて死ぬ人を減らすために餅の販売を禁止するほうが対費用効果のある政策といえる。