チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

感染症と防衛予算

餅搗き、青い服がアリヤさん,アカ族で秋篠宮殿下來チェンライの折には通訳を務めた

同上

懇談

小学生にはサンタさんからプレゼントあり

左の餅は食べ放題

歌で会場を盛り上げてくれたアカ族の娘さん

 

 

 

感染症と防衛予算
■慣れ
タイでは今年10月にマスク着用義務が解除された。それまではマスクをしていないと罰金が科せられた。昨年11月にチェンライに戻ったが、その頃はまだ感染症恐怖が行き渡っていて、マスク無しだとコンビニの入店を断られたし、マスクが鼻の下にずれていると、荒物屋のおばさんに厳しく注意されたものだ。今はマスク無しでスーパーや市場に出かけても注意されることはない。でも人の集まる場所では9割以上の人が今でもマスク着用だ。自分もみなに合わせてマスクをかける。タイのニュースや新聞写真を見ると、エキスポ、王族が臨席する卒業式などのイベントではみなマスク着用だ。外国ではもうマスクなどしていませんよ、と言っている人がいるが、タイも一応外国ですが、と言いたくなる。

タイでは日々の感染者数の発表を止めたが、1週間ごとの死亡者数の発表は続けている。通常、週に数十人、ちょっと多くなった時で100人台といったところで、日本の感染症による死者とほぼ同じ割合だ。死亡率は低いので、ただの風邪と言っていいのではないかと思う。

中国では都市封鎖を解いて、感染者数の発表を止めた。これで中国人が街に繰り出して経済回復か、と思ったが、感染者が爆発的に増えて、火葬場では順番待ちになっているという。人々は自主的に家に籠り、閉鎖されたままのレストランが多いとか。習近平主席の感染症対策が効を奏し、抑え込みに成功した、独断的対策が取れる中国は素晴らしい、と一時は持ち上げられたけれど、結局ダメだった。そういえばこの感染症武漢肺炎と呼ばれ、中国発だった。中国に賠償を求めるという動きがあったが、どうなったのだろう。

■日本人会の餅搗き
先日、チェンライ日本人会主催の餅つき大会兼忘年会があった。会員とその家族を中心に40-50人の参加があった。持ち帰りの餅は1パック500gで150B、和食弁当は100B、感染症のため、邦人の集まるイベントは久しぶりだ。会員の平均年齢は70歳を越えているから皆さん元気なうちに顔を合わせておきたい。こっちだって古希をはるかに越えているのだから、どっちが先に逝くか知れたものではない。数年前は月に一人くらい物故者が出て、会長さんは大忙しだったが、この1年、死亡者は出なかったと思うし、少なくとも自分は会員の葬式に出なかった。この1年、皆さんご無事で、とお祝いしたい気持ちである。

今年はアカ族の生徒寮「夢の家」の生徒さんも参加して日本の歌などを披露してくれた。「夢の家」を主宰するアリヤさんとの付き合いも10年以上になる。日本語が堪能で、秋篠宮殿下がチェンライに「ナマズの研究」にいらした時に通訳を務めたこともある。アリヤさんたちが駆けつけてくれたおかげで大量の餅を搗くことができた。古希を過ぎた老人だけではとてもあれだけの餅を搗き上げることはできない。餅はカオニャオというタイ米を蒸して正規の臼と杵で搗く。この臼を製作してくれた会員も帰国したなあ、80を越しても元気に餅を搗いていたあの人は2年前に亡くなったなあ、などと古い会員を想い出す。

自分も日本人会に入って13年になる。その当時からの友人も自分も年を取った。お互い「若い、若い」と言い合ってもトシはトシ、残された時間はそう長くない。そう思うと、こういった集まりでみなと過ごす時間が貴重なものに思えてしまう。

■チェンライの感染症
感染症に罹ったという日本人会員は結構いる。村人の半分以上が感染したという人もいる。タイでは10月からPCR陽性者の発表をやめてしまったが、昨年来、ずっとその数は減少してきた。でもこの減少傾向を信じる人は少ない。身近でどんどん感染者が増えていたからだ。自分でもチェンライ県内だけでもタイ全国の感染者を上回るのではないか、と思っていた。実を言うと自分も今年の6月にメバーンのニイさんと同じ喉の症状が出た。これはニイさんの村で流行っていた「風邪」の症状と同じ、同じ頃、PCR検査で陽性となった人は病院で10日分の薬を呉れただけで終わり。そこら中で感染症が出たので病院は陽性者報告をしなかったのだろう。真面目に一桁まで感染者を数え上げる国は日本しかない。

ただ昨年罹患した邦人は強制入院となり、自費治療であるから10万円以上の出費となってしまったそうだ。罹患した時期によって病院の対応と出費に大きな差がある。日本では5類になっても公費負担が続くらしい。感染症で国費が90兆円使われ、内、予備費の16兆円は使途不明とか。防衛予算の1兆円不足は増税に頼るのではなく、予備費を締めればすぐに工面できる金額ではないかと思うのだが。

今回は纏まりのない老いの繰り言で終わり。